吹けば飛ぶよな男だが

 深夜から明け方にかけての徹マンは、私の帰福の都合で先に一人抜けさせてもらったんですけれども、最初の1着が唯一の栄光で後は転がり落ちるだけの負けっぷりでホテル帰着まで這う這うの体。結局借金はしたんだっけしなかったんだっけ、5月黄金週間の飲み会(既定路線)の時にOくんに聞こう。
 という訳で、本日、旅行最終日(池袋→K市への鉄道移動日)。5泊6日で飲み会8回(12軒)という記録更新の激太りツアー、〆の徹マンはズタボロでしたしホテルでの仮眠も2時間程度で、チェックアウト時の眠たさはMAX。ですが総じてとても楽しい旅行でした(いつものことですが)。お世話になった全ての方々に感謝を。
 山手線で池袋→品川、新幹線は品川→博多→K駅、タクシーで自宅へ。品川駅では、「もりき」マスターのお子様方へのお土産、Hさんへの「品川珈琲」。朝食と昼食とを兼ねて新幹線内で駅弁。

 新幹線内は最後のツイ廃モード、140字×2。
 【本日から29年度新学期(生徒は7日まで春休み)。今年度、私は引き続き高校67回生(新高2)の担任団の一員として、高2B組(文系19人・理系22人の混合クラス)の担任を務めることが決定しました。文系はともかく、理系の医学部志望なんてどのように相手をするべきか見当もつきませんが……。】
 【色々な企業の「嘘ネタ」がRTされますが、自前なのか外注なのか、予想通り悉く面白くない。遊び心にクスッとなる・手間に感心する、には最早空間全体がネタ化され過ぎたかなぁ、と今日の為に買った『虚報タイムス 縮刷版』を開いたら面白さの次元が違う。やっぱりあれだ、「日常性の維持」の問題だ。】

 旅行中の読了本14冊、今回は読み終わった順です。
 江口夏実鬼灯の冷徹(24)』読了、★★★★。本作への水木翁の降臨をずっと期待していたら、本編では無く作者へのQ&Aというオマケコーナーに登場。
 内田樹鈴木邦男『慨世の遠吠え2』読了、★★★★★。内田氏も鈴木氏も、しなやかな知性の持ち主(他者がもたらす未知との出会いを創発にして己の知のフレームを組み換え得る人物)であるものの、信じる倫理は人生を通じて一貫しておられる様子。なのに四半世紀前は「右」と分類されたであろう内田氏は今や「左翼」扱いで、正に「最右翼」であった鈴木氏すら今や右翼業界を追放の身。本人が変わらなくても時代が変わるとそうなるのは歴史の滑稽、大衆は常に「言葉のお守り的用法」(鶴見俊輔)を欲するということなんでしょうね。あ~あ。
 森繁拓真となりの関くん(10)』読了、★★★。一ネタで引っ張ってきたのは見事、ネタ枯れも宜なり。今後の休み休みスケジュールの選択は正解でしょうね、次巻は気長に待つことに。
 とある作家のエッセイ本(★★★★★)は、校内模試で出題するまで情報を秘すことに。
 田中眞紀子『父と私』読了、★★★★。著者披露宴に新婦父である角榮氏がスピーチ乱入したというエピソードが良かった。異例の演台占拠からの爆笑スピーチの果て涙で絶句の新婦父に客席から「ようし、よくわかった! もういい! 角さん、もういいよ!」 この合いの手の政治家なら信用もします。さて、40年も前から「自民党には人がいない」と嘆いていた角榮氏、草葉の陰で今の表情は如何。
 瀧波ユカリ『あさはかな夢みし(3)』読了、★★★★。丁度良い引き際。きちんと各登場人物への配慮(愛情)があるまとめ方でした。
 スージー鈴木『1984年の歌謡曲』読了、★★★★。前作『1979年の~』の末尾では潜伏期と呼ばれていたユーミンがこれ以降神憑り状態に入っていくのが1984年で、ベストソングは薬師丸ひろ子「Woman」。この年に突然現れた玉置浩二藤井フミヤという事件。井上陽水によって楽曲・売上的ピークを迎えた中森明菜。「ミス・ブランニューデイ」の革命で印象づけられたサザンオールスターズの完成。以上、登場の固有名詞全てが34年を経てなお現役一線級だということの奇蹟は凄まじいですね。
 安田弘之『ちひろさん(1~6)』読了、★★★★★。空っぽの心と果てしない孤独と、無欠の(自己への)正直、これを表裏一体として今を生きるちひろさん。その姿は、時に人々の「疚しさ」を写し出す鏡であり、時に人々の内なる「優しさ」を顕在化させる現像液であり。傑作です。
 香山リカ永井均中島義道入不二基義香山リカと哲学者たち 明るい哲学の練習 最後に支えてくれるものへ』読了、★★★。永井均が饒舌に形而下の現象について語っていたのが意外。というか、永井均ってTwitterをやってたのね。

 自宅で入浴後、Hさんち経由で「もりき」独酌。ここまでが旅行なのも「日常性の維持」。さて、命の洗濯じゃぶじゃぶ、明日からはお仕事三昧です。