地図の想像力

 3時前起床、5時学校入り。授業準備・担任業務他デスクワーク。
 朝のSHR後は年休をとってタクシーで市役所へ。証明書数種類の交付(母君が入居希望を出すリハビリステーションへ提出するもの)。その後、母君のホテルを訪ねてしばしお話。首から提げた手ぬぐい巾着の中には、私が先日東京で買って来た方位磁針が入っているそう。方位磁針と地図帳(何と私が中1の授業で使っていたもの!)とがベッドの上での心の支え。人間って、やっぱり想像力の生き物なんですねぇ、としみじみ。
 さて、その母君は「岩田屋」での買い物をご所望。ホテルか1メーターのタクシーで入口につけてもらい、店内の移動は入口脇に置かれた車椅子を使います。肉親の乗った車椅子を押して歩くなんていう経験は初めてで(教員免許を取るためには介護実習が要るので、車椅子を押す経験自体はあります)、進むスピードはどうだとか、後ろから母君にお声がけをする時の声量はどうだとか、色々戸惑うことが多かったですね。因みに、車椅子を押しているからなのかどうかは分かりませんが、すれ違う時に声をかけて下さる店員さんたちの優しさは3~4割増くらいの感覚です。買い物は財布と爪切りと。財布は母君のご希望で「ANNA SUI」のものを購入したのですが、この「岩田屋」も全館がTポイントカードのシステムを導入。まさか「ANNA SUI」の財布を買ってTポイントの提出を求められるとは思いませんでした。

 「岩田屋」の後、市内のリハビリステーションに提出書類を届けて、4限の授業にはギリギリで間に合う時刻に学校帰還。
 高2現代文①定期の範囲、野矢茂樹「言語が見せる世界」、重松清「タオル」。前者評論、「典型(プロトタイプ)」論に関する資料は藤子・F・不二雄「並平家の一日」。後者小説、小5男子の(祖父の)死の受容に関する資料は霜山徳爾「祖父の自殺」。2資料とも、「偶然職員室の机に積んでた」本だったんです、本当に。
 学校と母君療養ホテルとを必死で往復しながら、正直ちょっと身体が疲れてるんですけれども(土曜の職員歓送迎会のキャンセルが頭に過ぎる程度には)、介護詳細を知る数少ない知人からの励ましも有難いですし、前述の資料発掘に見られる「現神様(現代文の神様)の息吹」も心強いですし、まぁ何とか耐えられるかなぁ、と。