月が僕に語り出す あなたの歩く道標が私なら

 本村凌二・マイク=モラスキー『「穴場」の喪失』読了、★★★。ちょうど「食べログ」のカリスマの醜聞が出たタイミングで、「食べログ」批判から始まる本書を読み始める偶然。私は、上京旅行の時のように(知らない街での複数人の飲み会で)自分の好みだけで選ぶのではない店選びをする時には「食べログ」等のネット情報を活用します。勝手知ったるK市の店の星評価に「え~?」と思う所があるのは本当ですが、だからってネットの情報が悪いと断定するのも狭量ですしね。自分の「穴場」を見つけようという本自体の主張には賛成、やっぱり独りで読書独酌が出来る店(後者はどこででも出来ますが前者は許してくれる店が限られます)は幾らでも確保しておきたい。
 因みに、2日に1回は通って居る「もりき」ですが、この店では私は一切本を読みません。他にお客さんがいなくても、てれ~っと飲みながら時々マスターと喋るだけ。あそこは、読書をする店じゃない。

 岩波新書の「図書」臨時増刊、「私の三冊」という企画が面白いです。なんですけれども、いざ自分の場合の三冊は何なのかなぁ、と考えはじめて愕然としました。本自体は、①中勘助銀の匙』、②森銑三『新編 明治人物夜話』、③鈴木棠三編『中世なぞなぞ集』、で即決なんですが、それ以前に、私、岩波文庫、人生で読んでない、仕事で使ってない。
 前ツイート以外の候補は、④森銑三柴田宵曲書物』、⑤シャミッソー『影をなくした男』、⑥九鬼周造『「いき」の構造 他二編』、⑦根岸鎮衛『耳囊』くらい。他に読んだり授業で使ったりした本を考えても、この15年で柏木如亭・寺田寅彦島崎藤村芥川龍之介谷川俊太郎プラトン、等々で精々10冊ちょっと。縁無いな~。

 朝のSHRで、クラスの某くんが「今日の10時から夏の東大オープンキャンパスの申込が始まります」と教えてくれました。スマホを使って自分で登録をしなければならないのですが、何故平日の朝10時なんぞに申込を開始するのでしょう。申込多数で間に合わない、なんてこともないでしょうがそれでも10時過ぎたら気になるでしょうから、担任団に特別にお願いして、2限(9時55分開始)の頭をちょっと抜けさせて、希望する生徒を進路指導室に集め、ちゃちゃっと登録をさせてから教室に返しました。
 某くんは先日の生徒面談の時からオープンキャンパス申込のことに言及していましたが、こういう風にアンテナを張っておける性格(性質? センス?)というのは良いですね。

 というわけで、学校入り5時。始業前は授業準備、担任業務、高3添削。始業後は、職員朝礼、SHR、保護者面談1人、東大オープンキャンパス申込指導、保護者面談2人、授業1コマ、保護者面談3人、SHR、掃除監督、授業準備、高3理系東大漢文特講、保護者面談1人。終了が18時45分。5時からの14時間弱で、アイスコーヒー1杯、「特茶」500ml。

 今日の保護者面談で、クラスの某くんお父様から「グルメ」と言われて耳を疑いました(当ブログ……成りすましなんですけどね……をご覧になっての印象だそうです)。ですが、卒業生から頼まれたら「食べログ」もどきはやります。
 今回の指令は63回生A組出身のOくん、10人で池袋の美味しいお好み焼き・もんじゃ焼きを食べる、とのこと。予算不明だったので一瞬悩みましたが、ラグビー勢ということもあり、スポーツ元気系でお好み焼きももんじゃ焼きも出るコースがある「Na味」をご紹介。ベタでしたかね。
 でもって、返事してる内に口がお好み焼きになったので、夜は自宅徒歩2分の焼き鳥「K」で隠れ名物のお好み焼き鉄板を。