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 6時入り(昨日ちょっと飲んだ分、起床を1時間遅らせました)の職員室で授業準備・担任業務。1~3限が高2現代文の授業。
 今回の現代文の授業は内田樹「越境と巡歴」。名著『ためらいの倫理学』の一節で、教科書教材ではありませんが高校生を担当するなら一度は生徒と読んでおきたい文章で、愛・コミュニケーションの定義が端的に書かれた私にとって座右の一節です。どれくらいフィットしたかというと、大学時代に初めて読んだときに余りにも腑に落ち過ぎて、一瞬これは自分が書いた文章なんじゃ無いかと錯覚しそうになったという程にです。理由の委細は省きますが、この文章に書かれたことを「身分け」できない人には受験は無理だと思います。ですから、今回の授業では導入として入試国語とは何かという話から入りました(導入で20分以上を使いました)。

 3限授業の後、年休を取って学校を中抜けして市役所へ行きました。私と母君の戸籍謄本・抄本が必要なのですが、私と母君との本籍は大阪にあるので本籍地の市役所に郵送請求しなければならず、住民票を出してもらって本籍を確認する必要があったためです。
 市役所まで出たので昼食は近くの名店「来雷軒」でラーメン。優しい豚骨スープで人気。

 定期テスト一週間前なので生徒は職員室・研究室に立ち入り禁止。また、通常17時閉館の図書館が生徒下校完了の18時まで開館延長。
 学校に戻った私の残る仕事は、SHR・掃除監督、及び17~18時の図書館監督です。
 職員室の入口には「定期考査一週間前につき生徒入室禁止 先生をお呼びなさい」の掲示。図書館の図書委員会室には「告 図書委員会30余年の自治の伝統にもとづき高三の諸君の委員会室への立入は禁止です」の掲示。8年前のF校を知る人間ならこの筆文字がどなたの手になる物なのかを皆知っています。ということは、今は全校生徒が知らないということです。先日、事務室に内線をかけて「古い職員住所録を調べてもらって、国語科恩師先生のご自宅の住所を教えて頂いて宜しいですか?」と訊ねたら、「恩師先生って、どなたですか?」と聞き返されて絶句しました。事務室の中では一番長い方だったのですが……。

 栗山圭介『居酒屋ふじ』読了、★★★。元となったエピソード(モデルとなった方の人生・人柄)は魅力的ですが、書き手の筆力には票を投じません。