幸せになれるものならば 友情より愛情

 東大文系志望の高3某くんと話してたときに、「内発・外発」の語を知らなかったのに驚愕。ですので早速、本日文系の授業で、漱石「現代日本の開化」と加藤周一「日本文化の雑種性」を紹介しつつ、(先日も日記に書いた)明治・敗戦・グローバル化、と近代以降の日本が独立をかけて西洋と対峙する3度の経験を概説しました。枠組み無しで現代文を読むのは勿体ないですからね。
 3・4限は、高2現代文で加藤周一「日本文化の雑種性」の授業を。

 三谷尚澄『哲学しててもいいですか? 文系学部不要論へのささやかな反論』読了、★★★。(これまた先日の日記に書いた)第一章に詳述された「標準的な日本の大学教員」の「教育・研究以外の業務」内容がF校教員の授業・授業準備以外の業務内容と完全に同じだったのが面白うて「やがて悲しき」だった、という以上に面白い・新しい話はなかったかな。書いてあることには共感できましたけれど。

 大分前に、F高クイ研のメンバーに「教科書とノート、の『ノート』を日本語で言える?」と聞いたら言えなかったことがあります。これはクイズにはならないのかな。私は受検時代、「notebook」は必ず「帳面」と訳しました。これは小さな拘りで、中1の時に化学を習ったお爺ちゃん先生が「お帳面」と仰有るのが何となく格好良かったからです。

 さて、クイズの話を久々に。
 覚えがないので泥酔時の小人さんが私の代わりに予約録画してくれたのでしょうが、それならば顧問の義務だと『高校生クイズ』を視聴しました。毎年観ている訳ではないので何とも言えませんが、生徒目線で観たら割と面白かった(羨ましかった?)んじゃないかな、と思いました(この場合の「生徒」は、必ずしもF校生のような進学校に限定をしません)。いよいよ参加者減が深刻なのかも知れませんが、今年は観ている中高生に「参加したら楽しいよ!」とアピールする番組にしたがっていたような気がします。「少しかじれば解けるよ」という問題の易しさ、後述する開成くんの名言における「破壊」をテロップで「突破」とまろやかにする優しさ。
 ただ、やっぱり決勝戦のいちばん大事なところで(明らかに恣意的に)誤答誘発の爆弾を投げたのは傷になりましたね。『高校生クイズ』がドキュメンタリーなのか否かは分かりませんが、ドラマは作る物ではなくて生まれる物なのでは、とは思います。でなきゃ生徒が可哀想……いや、そうではなくて生徒に「失礼」ですね。
 ともあれ、出場している高校生には総じて好感が持てました。準優勝の開成コンビ(1・2年生)の爽やかな笑顔は来年も出られるという確信が裏打つ余裕なのでしょうか。優勝校リア充カップルに対する敗者の弁が蓋し名言、「男子校の友情ではカップルは突破できない」というのを「フリ」にして、来年は是非とも全腐女子悶絶ものの優勝コメントを期待したいですね。

 ……というか、F高クイ研の応援をしろよ、俺。