樹海をくぐって下山して キリンに出逢った森の中

 今年、TQC東京大学クイズ研究会)の35周年記念パーティーが開催される方向だ、ということをOB某氏(3つ後輩)のツイートを通じて知りました。秋以降の開催が予定されているそうで、命の授業を「難」呼ばわりするのはいけないですが、このパーティーにだけは万難を排して参加します。諸氏に5年ぶりの再開、楽しみです。F校の教え子とも会えるかも知れませんね(クイ研に入ってる人、何人かいますので)。

 昔、とある回生の生徒との話。
 生「××先生が授業で『私、天然だから~』って言ってた」
 私「『天然』を自称するのはまず『養殖』」
 って失礼極まりない会話をしたことがあるんですけれども、何年も前の会話における無礼に仏罰が当たったのでしょう、今朝の2時に汗だくで目覚めてもう眠れなくなった、職員室全員の「バトルロワイアル」という悪夢で最後まで立ってたのが××先生でした。

 というわけで、眠れないまま入浴・着替え、普通に徒歩通勤で5時に学校入り。当たり前ですが誰もいない職員室にて、学級通信作成(担任業務)、課題テスト成績処理(教務部業務)、高2現代文授業準備(国語科業務)、高3漢文添削(同)、職員室清掃(教員業務)……等々がガシガシと捗って、ノルマだけなら9時過ぎに、予定外の仕事と日記の更新とを含めても11時半には全て終了してしまいました。
 で、「昼飲み出来るじゃん!」とかいうクズい考えが浮かぶ訳ですけれども(真面目に仕事をした人間だけがクズにもなれるのだ!)、考えたら12時の時点で起床から10時間経っててこれを7時起きの人に換算したら現在17時、全然昼じゃないじゃん。事務嬢さんにお誘いを投げてみたら、13時半からならイケル、という返事。

 学校からバス停まで10分歩いて、バスで西鉄K駅へ移動。歩いている間にすれ違った元高1A組の某くんが「ぼく、劣リーマン。」のTシャツを着ていたのは衝撃的なクラハラ(クラスTシャツデザインにおける担任へのハラスメント)でした。まさか校外でとは。
 バス車内では、優先席と通路挟んで向かいの席とを占拠して2人でピーチクパーチク囀る頭と育ちの良くなさそうな少女たち。聞きたくなくても聞こえてくる会話の内容から、彼女たちがこの後、半年前に卒業の高校同窓と集まるのだということが分かります。「先生、うちらのこと忘れとったりしてね」「さすがに覚えとるやろ。2、3年とかしたら知らんけど」「っつか、2年経って先生とかに会いたくないし」「言えてる」 私も、担任だったらこの手合いは秒で忘れると思う。

 西鉄ターミナルで、さっき学校で会った時に今日が誕生日だったと言ってたB組某くんがバス待ちしてたので、ミスドまで走って誕プレ買ったげました。彼、応援団長なんですけれども、我ら黒団は何故か10時半に本日の練習を切り上げており。
 でもって、K駅からアーケード街の喫茶店に向けて歩いて行くと、入口手前にあるラーメン屋「M」の前にものっそい行列が出来てて、ここは最近F校生の魂食化してるから長蛇の鱗の中に知ってる顔が、ほら1枚、2枚……って全員応援団やないか。私「まさか、これのために練習切り上げたとかじゃないよね?」 団「ちちち、違いますよ!」

 喫茶店でアイスコーヒー(眠気覚まし)飲みながら幸田文。『番茶菓子』は四季のエッセイ(掌編集)なんですが、読むにつけ現代の日本からは季節が蒸発していること、それも所作や感性の問題という説教じみた意味ではなくて、端的に気候変動の問題としてであること、が伝わって来ます。8月中頃から涼しくなってきた、って書いてますもん。

 事務嬢さんと約束の13時半……は起床から半日で体感では夜、なので「昼飲み」という語にもカギ括弧のニュアンス付きですが、兎に角合流前にコンビニで「メガシャキ」を買って飲んで。
 本日の1軒目はアーケード街入口にある韓国料理「M」、ランチ激安・単品割高の店で躊躇わず単品を選んで(ランチに付いてる汁と米とは不要なので)、ナムル・チヂミ・チャプチェ・スンドゥプチゲ、等々でビールとマッコリと。
 2軒目はK市昼飲みの隠れ里、西鉄K駅構内の「味のタウン」にある茶屋「O」。10時から夜までアイドルタイム無しで飲める店がひしめいているんですけど、既に飲んだ状態で歩くのはちょっと危険でそれが証拠に今日もタウン内のデザートショップに高2女子が集まってましてニアミス。でもって、「O」にある居酒屋セットは2400円で瓶ビール4本、小皿料理4品が出てくる破格で、しかもチンカチンカに冷えた瓶ビールに付いてくるコップが純銅のタンブラーだという至れり尽くせり。
 帰りは30分弱の徒歩帰宅、入浴、ちょっとだけTV(「東大王」)、就寝。

 7日の夜には飲み会が入りました。大阪から学会で福岡に来る58回生Eさんを迎えるため、仲良しのFくん、同窓同僚数学、事務嬢さん、私、という5人で。
 店をどこにするかちょっと迷うところですが、Eさんが「福岡っぽいもの」と仰有ってそれってもつ鍋か焼き鳥かだよねぇということになったので、K市焼き鳥3傑「Y」を予約。5人から飲み放題のコースが注文できてその中にもつ鍋が入っている、ビールがプレモルで同窓同僚数学の趣味にどストライク、等々の条件で選びました。

 幹事役は色んな人のビールの好みも自然に覚えてしまいます。63回生主任地理先生は元アサヒの社員だったとか、56・62回生主任英語先生はクラシックラガー派だとか、同窓同僚はプレモル贔屓だとか、まあ色々。先日は63回生数学先生と「秋味」の素晴らしさという話題で盛り上がったのですが、職員室全体(の中の私とよく飲む人たち)を見るとキリン派に傾くかなぁ、という印象。私も断然キリン派で、これは初めて自分でビールを選んだ時にキリンに手を伸ばした故の「刷り込み」なのですが、その時に手を伸ばした理由は祖父の名前が「池ノ都麒麟(いけのと・きりん)」だからなんですね。明治キラキラネームが孫のビールの好みを決めたんです。