ここは春の国

 木曜日に第3回定期テストを控えた週明けの朝に、学級文庫に30冊を追加する教員は良くないと思う。私にも責はあります。でもさ、数分目を離した隙にその中の1冊だけがピンポイントで消えるというのもどうなんだ某くんよ。私「あのね、扇情的なタイトルの本だけ秒で消えましたけどね、それ(『売春島』)、真面目なルポだからね」

 「あの本を学級文庫に入れたんか。何という……」と呆れ顔の高2担当関西数学先生はしかし流石で、学年主任地理先生ですらご存じなかった売春島(渡鹿野島)のことをご存じ。
 数「少し前からあの島の名前を全然聞かへんよな」
 私「サミットの時に一緒に警備強化があって風前の灯火すら消えかかってるとか」
 数「あぁ、サミットか!」
 私「最近ルポが出ましたでしょ」
 数「あれな、読みたいねんけど、学校図書館に入れるわけにはいかんしなぁ」
 学級文庫には入れましたけどね、というわけで数学先生にお貸しすることに。

 生徒は定期テスト対策三昧の連休、なのに担任だけ上京旅行でさーせん、とお土産賄賂のラスクを配布するところからSHRを始めて、授業は原研哉『白』の最終回を5コマ一気に。放課後は、連休中に浪人生が受験した校内模試現代文の採点を。最果タヒ『きみの言い訳は最高の芸術』の中の一編から出題した文系・京大理系用の問題は、予想よりもかなり出来が悪くてちょっと意外でした(余りにも出来が悪かったので、逆に採点はスムーズでした)。

 夜は「もりき」へ。お土産を渡してチョイ飲み。帰宅後、施川ユウキ『銀河の死なない子供たちへ(上)』読了、★★★★。