初音ミクの消失

 昨日のIくん(56回生)との飲み会で面白かった話が、彼がF高を受験した理由(彼は外進A組出身)。公立中1年生の時、校内でガムを噛んでたのを見つかり、学年集会まで開かれて全員の前で痛罵され、これは内申が無いなと覚悟したら受験する所が(内申を見ない)F高しかなくなったから、と。ガムでF校生になったのね。彼は良い生徒(卒業生)なので、無体に厳しかったその中学に感謝、かな。

 鳥賀陽弘道『「Jポップ」は死んだ』読了、★★★★。「紅白」が70~80%の視聴率だった「国民的ヒット」の時代が終わり、TVタイアップでCDのミリオンセラーが濫発した時代が終わり(ここで「Jポップ」が死にました)、現在の音楽業界はどうなっているのか、という分析調査。簡単に言うとネット時代の音楽発信・受信(消費)における新形式という話で、ちょっと前に読んだ柴那典『ヒットの崩壊』と通底する内容でしたが、こちらの方はより「カネ」という切り口に拘っています(JASRACのデータを詳細に分析)。CD等の売上げはご承知の通り激減しているのに、著作権使用料を見ると音楽業界はず~っと成長を続けている。例えばブライダル、例えば高齢者用カラオケ、例えばパチンコ台……。「死」は或る種の比喩で、生産・消費構造が変わり続けているというお話。「有史」は文字以降ですが、音楽は有史以前から途切れることなく生き続けています。
 思い出すのは昨日の由紀さおりのコンサート。「歌声喫茶」をテーマにしたコーナーで客席全員が「ドレミの歌」を歌ったんですが、「みんなのミ」では隣の人と手を繋ぐだとか「ファイトのファ」では拳を突き上げるとか全てに振り付け(座ったまま出来る踊り)がついていて、客席全員がそれをやる様は正に介護の現場における音楽消費の様態そのものでした。そういえば、「やすらぎ体操」なんてのも話題になってましたね。

 次に読み始めたのは中川右介阿久悠松本隆』。オリコンのデータに執拗に拘りながら、これは「国民的ヒット」の時代の絶頂から終焉(死)までを描いた本ということになるのかな。

 宿酔いではないことに安堵の起床、本日は4限に高2現代文が1コマある以外はず~っとデスクワーク。
 夜は「もりき」で独酌。