そういうお主は?

 3時半に起床、書斎で昨日の東大漢文の添削。2日前の「化けた」という印象を覆さない感触だったので、あぁ、これは「本当」かも知れないな。来週の金曜が(センター前の)最終回、そこではっきりするでしょう。04年度文系専用問題、優しくも難しくもないレベルの問題を投げてみます。
 添削終了後、7時に職員室入りして(高3文系、東大以外のコースの)授業板書準備。二次試験に漢文が必要な生徒は漢文、漢文がなく近代文語文が出題される可能性がある生徒は近代文語文、を解かせます。別々の問題なので、解説も時間差で別々。1限の授業後は、昨日はほぼ全く手をつけられなかった高2現代文定期テストの採点をガシガシ。10時から12時半まで行って進捗は3割弱。残り8~9時間で採点・集計が終了。解答解説プリントの作成と合わせて10時間を見ておけば間違いありません。ですが、本日の業務はここまでで、半ドンSHR・掃除の後は定時退勤。

 タクシーでリハビリステーションに向かい母君と合流の後、市内某施設の会議室に向かいます。目的はとある癌サロンへの参加で、これは市内の患者団体が市や複数の病院の講演を受けて月一で開催されているイベント。先日、母君がF校親玉病院に定期受診の際、主治医の先生に紹介された病院付の社会福祉士の女性と面談を行った時に勧められて初参加です。
 患者と家族なら誰でも参加出来る集いは、ミニ講演(1時間)と交流会(1時間)。今月は講演がなく1時間・1時間の前後半で車座の体験談交換という形式だそうです。私は、母君の後ろに椅子を置いて(車座には加わらずに)影の参加。本業や社会的立場のことは語らず、それぞれの患者さんが治療体験を披露しあいます。病院毎の治療スタンスの違いだったり、治療法ごとの合う合わないだったり、家族とのやりとりだったり。初参加の母君は短いご挨拶だけでず~っと聞き役です。
 デリケートな集いなので詳しいことは書けません。が、どなたかが(半ば冗談で)患者に対して大変つれない態度だったという医者(大病院)の悪口を言った時には、思わず「あぁ、解ります。お前が医者になるってのはどうなのよ、ってのが医学部に進学しますからねぇ」と間の手を打ちそうになっちゃいました。

 本日は前半1時間で母君がお疲れのご様子だったので辞去。それはそうですよね、明るい話題ではないわけですから、こういう形式に慣れない人には負担が大きいでしょう。来月以降参加するのかどうかは、母君にお任せします。
 近くの喫茶店(勿論禁煙!)でケーキとコーヒー。母君をタクシーでステーションに送り届けてから、自宅に戻って書斎で仕事(学級通信作成)。入浴後に、バスで西鉄K駅へ向かいます。

 ボボボーボ・ボーナス! の記念に散在……で思いつくのが「もりき」の鴨だけだというのは悲しいですが、別に散在しなくてもいいからちょっと遠出をしようと思いまして、本日は二日市「月空」へ足を伸ばすことに。久しぶりに和牛モモのタタキ(カルパッチョ風)を食べよう、などと。
 となれば『セトウツミ』最終巻が必携、と思って西鉄の書店に行ったら流石K市は蛮地で未入荷。代わりに『図書館戦争 LOVE&WAR』の新刊をゲットしました。そして、もう1冊購入したのがちくま文庫の田口久美子『増補 書店不屈宣言』だったのですが、この著者写真を見て「あっ!」と思った。何という不覚。就職して以来、毎回の上京のたびに「聖地巡礼」と称して池袋ジュンク堂本店の逍遙なのですが、大抵必ず目を引く女性が1人。制服エプロン姿の店員さんと親しげに本の話をなさっている、小母様とお呼びするには立ち姿にオーラがありすぎる女性を見るにつけ、ロマンスグレーって女性の場合は何て言うんだろう、というかあの方はどんな方なんだろう、と。制服ではなくスーツだから店員さんではなさそう、じゃあカリスマ的なお客さん……? で、今日の著者写真で、あの方がジュンク堂副店長である田口久美子さんその人だということを知ったんですね。つゆ。

 「月空」では、最初に湯豆腐とカルパッチョとを注文。したら、湯豆腐が思いのほかがっつりとした量を備えていて、読書独酌2時間(瓶ビール2本と焼酎)が2品だけで保ってしまいました。最後に慌てて申し訳程度に串を注文。焼き鳥屋で串が申し訳ってのもあれですが。
 武田砂鉄『コンプレックス文化論』読了、★★★。サイン本でした。コラムニストとしての才よりもインタビュアーとしての才の方が発揮された本。毒ある文体を芸としている方ですが、インタビューの才は愛情が基本にないと発揮されないものだと思います。
 弓きいろ『図書館戦争 LOVE&WAR 別冊編(5)』読了、★★★。