自分のニブいアンテナ棚に上げて

 スキー旅行3日目。

 56回生を引率した時ってもう12年も前になるんですね。あの時は、捻挫でスキーが出来ない生徒を札幌観光に引率して、その帰りのバスの中で(大好きだった)岸田今日子さんの訃報に触れて絶句したんでした。そのインパクトが強いので、スキー研修中は何か芸能の大きなニュースが入ってくるというジンクスがあるような気がしておりまして。
 例えば、今回ならユーミンの45周年ベストの話題なのかな。5年前(40周年)の『日本の恋と、ユーミンと。』の続編(2作品で完結)となるベスト(3枚組45曲)が4月に発売、その後はベスト選曲のアリーナツアー(アリーナって15年ぶりくらいじゃないかな)があるそう。驚いたのは、続編ベストがあるならば知名度次点の曲を集めた「第2ベスト」かファン投票など隠れた名曲を集めた「裏ベスト」かだと思ってたのに、初の本人自選で今聴いて欲しい「私家集的ベスト」だという事実。これで、2つのベスト盤(6枚90曲超)から、「まちぶせ」も「サーフ天国、スキー天国」も「天国のドア」も「かんらん車」も外れてしまいました。

 さて、今年もいるんです、怪我でスキーが出来ない生徒。彼らは本日札幌観光だそうですが、昨日はルスツリゾート内で様々なアクティビティにチャレンジしておられました。例えば、キーホルダー作成。作成中の某くん、模様は活版印刷みたく一つ一つ槌で打ち付けてなかなか大変そう。見れば、打ち付けているアルファベットは引率の柔道先生のお名前。
 私「優しい。柔道先生にあげるんだ」
 某「いや、先生がくれって言うから」
 私「なんだ、柔道くん。図々しいなぁ」
 後で聞けば3240円で売りつけるらしく某くんの方が悪辣でらっしゃいました。

 と、回り道を経て本日の本丸は母君とのお電話。
 実は、この直前、生徒が朝食中に、学年団のとある先生から私の人当たりが時に強すぎると叱責を受けまして。でもって、反省しつつそのお話を伺いながら、これは仕事は勿論のこと、でもそれだけの話じゃなくてこれから始まる(予定の)母子二人暮らしの話にも敷衍される大きな話だぞ、と沁みるものがあったんですね。
 私も母君も思ったことは全て余さず耳を揃えて言うタイプの人間なのですが、こちらは健康あちらは闘病中という彼我の差を弁えずにこちらが言葉を操ればこれは最早DV必至(なのに、気を遣っているという素振りを見せればあちらの機嫌が悪くなるという悪条件!)。朝に掛けるとお約束のお電話から、これは早速ちゃんと頭を働かせないといけないぞ、と気を引き締めまして。

 生徒が午前中のスキーに勤しみ、恐らくほぼ全員がもうかなり上達してきて「えっ、これって今日の午後2時間くらい滑ったらもう終わるってこと? 早いよ! 折角面白くなってきたのに!」などと考えているであろう時間に、こちらは北海道と福岡との距離を隔てた家族会議を。
 結局、25日(日)に施設を引き払って私の家に落ち着くという結論と相成りました。施設との書類手続きや引っ越し業者(荷物は殆どないから赤帽かなぁ)の手配等々は私が一切を行い、25日(日)は終日身体を空けて引っ越しをお手伝いするということに。以降の生活は、その時々で考えようという話。人間、衣食住さえ整えば何とかなりますから、私の方はとにかく仕事に影響がないようにということだけを考えましょう(例えば、翌26日からは大事な大事な定期テストですし)。
 という訳で、90分ほどの家族会議の後は、部屋で採点をガシガシ。

 最後のスキーウェアは研修の「閉講式」に臨席するため。入浴や食事はいつもの通りなのですが、今日はその後に生徒がず~っと準備を重ねてきたレクレーションがあるのですね。45分ほどかけて、漫才やダンス(?)や演劇や映画(?)等々、観客大笑いの展開を見ながら、あ~、なんだ、「男く祭」も結構やれそうじゃないですか、と担任団一同感心(とまぁ、これは先日の体育祭の全身タイツを見た時から予感されていましたが……)。私も少しだけ引っ張り出されて、人生初ウィッグ・口紅。

 以降、就寝見回り、ミーティング等々の日程は昨日と同じ。明日は移動日ですね。