文豪きどりのボーイズ&ガールズ

 本日から再び「日常性の維持」、早速授業5コマ(高2現代文)の激務です。今日は(昨日の日記に書いた通り)センターの演習で、出典は齋藤希史『漢文脈と近代日本』。中世までは盗賊に過ぎなかった武士が江戸に入り「士人のエトス」を身につけた知識階級(?)に変貌を遂げた流れが説明された、多くの生徒になじみの薄いテーマの難問です。ただ、これを読んでおくと、森鴎外の説明も「舞姫」雅文体の意味も主人公豊太郎くんの人生観も、するりとまで行くかどうかは解りませんがある程度の導入的理解が出来るのです。だから、これが「舞姫」の第0回。今日は本文すら読み始めていない「舞姫」の、次回が第1回で「石炭をばはや積み果てつ」ですね。教師用指導書では10回どころではきかない回数をかけろと書いてありますが、教材ごと無視してやらないよりはまだマシだろうという開き直りで全6回の超ハイペース。67回生の集中力と理解力とに賭けます。
 ただな~、浪漫でしょ~。国際的恋愛でしょ~。37歳独身が喋って説得力があるのかねぇ、っつうのはありますよねぇ。

 蝉川夏哉異世界居酒屋「のぶ」 二杯目』読了、★★★★。コミック版の刊行済5巻の進度を既にして追い越しそう。ですがこの読みやすさ、既刊「四杯目」まで一気に行きそうです。
 坂木司『女子的生活』読了、★★★。こちらもドラマから入って原作小説に。坂木氏の小説はほぼコンプリートなのに、何故かこれにはなかなか手が伸びませんでした。さて、ドラマを観てから原作に帰って、一読安心。ドラマの主人公(志尊淳)、波瀾万丈の連戦を経た「女子」にしては性格が良すぎる(毒が足りない)ように思えたんですけれども、原作の主人公はきちんと「性格が悪かった」のです(人間として曲がっている訳ではないです)。これじゃなきゃねぇ、と膝。

 夜は、串カツとお好み焼きが美味しい近所の焼き鳥屋「K」で読書独酌。