成り行き次第に全部見せかけて 思惑通りに遂行

 ウィークデーの最初、職のある社会人なら働いて然るべき日に丸っと年休を取って、しかも職場のある福岡K市から遥か離れた東京で目が覚めるというのは、何という背徳感・解放感なんでしょうか。本日は移動日。B組の皆さん、お土産買うから許してね(無責任な担任のことは忘れて勉強してね)。

 起床、入浴、早朝にホテルチェックアウト。1泊2日の荷物はバッグ1つで軽いので(宅急便に出さず)手に持って移動です。先ずは、お気に入りのネカフェで8時半~10時と時間を潰し、10時オープンのジュンク堂に入ります。最初に地下で漫画を漁り、そのままエレベーターで最上階に上がったあと1フロアずつ背表紙読書逍遙をしながら1階まで降りていくといういつもの流れ。

 お昼の待ち合わせは11時30分に池袋駅西口。63回生我らがA組のIくん(一橋大)と待ち合わせです。
 ①めちゃくちゃ辛い中華料理(知音食堂)
 ②そんなに辛くない中華料理(中国茶館)
 ③変わり種のうどん(あんぷく)
 の3択を提示した結果選ばれたのは「中国茶館」でした。ウィークデーですが、11時30分の開店時刻に入った時には既に先着が1組。私たちが入った後、10分ほどの間に4~5組がどんどん入ってきます。ビジネスマンのランチタイムなら通常のランチ(1品もののセット)を注文するのでしょうが、殆どの席が2500円の食べ放題を選んでいるので、あれは女子会、あれは大学生のデート、等々時間に余裕のある人たちなのでしょう。我々は勿論食べ放題で、Iくんは中国茶、私はビールで乾杯。
 話の内容は、Iくんの大学生活……じゃないな、ほとんどがバイトの話だ。三鷹の「N」という食堂でおばちゃん達に囲まれてバイトをしているIくん((絶対可愛がられてるだろうなぁ)の、お店でのお話しあれこれ。聞いている内に、その「ちょっとお洒落な大戸屋」なる「N」に是非是非行ってみたくなってきます(三鷹にあるからか、日テレがジブリを放送した金曜の夜は客が少ないとか)。
 さて、私は夕方の飛行機で福岡に飛びますが、Iくんも同じく夜の飛行機で今日から福岡に帰省するとのこと。
 I「そうですね。近々F校に行きます。えっと……水曜日に行きます」
 私「そう。独りで?」
 I「えぇ、そうですね。基本、今回はサッカー部のメンバーと会う以外は独りですので」
 私「ああ、Nくんの合格祝いね」
 I「はい。じゃあ、水曜にF校ということで。『バッタ屋』にもね、まぁ行きますから」
 私「……決定事項な訳ね。分かった。空けとく」
 というわけで、明後日の夜はIくんを「バッタ屋」に連れて行かなくてはならないそうです。彼は、アワビみたいな食感の椎茸ソテーがお気に入り。

 店を出た後は(ビール2本と紹興酒2合、割と飲んだね)、Iくんにお土産(B組諸氏へ)選びにつき合ってもらってから解散。私は池袋→浜松町→羽田空港スカイマークで羽田→福岡。お酒飲んでたんで、機上の時間の半分は寝てました。
 福岡空港からは高速バスでK市へ。それこそ昼に話に出た「バッタ屋」で飯でも食うか、ということでバスを「シティプラザ前」駅で降りて徒歩5分。昼も飲んだが夜も飲む、ということで読書独酌。明後日は多分頼まないだろう、というシックな(大学生は避けそうな)メニューを注文してビールと冷酒と。そういえば、店員さんが「先生、これ知ってます? 冷酒には合うつまみだと思うんですが」と、母君も絶賛していた梅ひじきをサービスしてくれました。自宅では白米に乗せて食べましたが、白米に合うなら日本酒にも合うに決まってますよね。

 旅行中に読了の本は以下。
 にざかな『4ジゲン(5)』読了、★★★★。駄洒落「だけ」で持たせる力業。以前、授業プリントの端っこに、お婆ちゃんがスマホメールが上手に打てず「目頭がジンとなって」というのが「メガ白髪人となって」と誤送される、というネタを貼り付けたことがあるのですが、それを読んだ64回生Fくんは5分ほど笑いが止まらなくなってしまって大変でした。
 戸部田誠『人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった』読了、★★★。芸能人のメディアでの一言を切り取ってコラムにする、と言えばナンシー関に全く同じコンセプトのシリーズがあった記憶がありますが、比較をする必要はなさそう。筆者、性善説です。
 瀧波ユカリ『ありがとうって言えたなら』読了、★★★★。猛母のガンの看取り経験を漫画家。刺さる。
 『東大王 知力の壁に挑め! 最強クイズドリル』読了、★★。昨日写真を撮らせてもらった「東大王」お二人がフューチャーされた番組公式本。まぁ、正直本としては……ね。
 宇佐美寬『教師の文章』読了、★★★。こちらは、67回生担任数学先生が新聞の広告で見つけてチェックなさっておいでだったのが印象に残っていたので購入。技術論というより精神論。教員かくあるべしという思想と矜恃とは必ず文章(文体)に反映されるということですね。