ある医師は気付いた 好意こそが抗生物質と

 芥川龍之介他『もうすぐ絶滅するという煙草について』読了、★★★★。燻されそうに煙たいアンソロジー。私はこれまで一度も喫煙の経験がありません(もし吸ってたらすんごいチェーンスモーカーになってたような気がします)し、担当している生徒にも勧めません(卒業時の「大学生べからず集」の筆頭が「喫煙するな」です)し、禁煙の席や部屋があったらそちらを選ぶ人間ですが、宴席等で隣に吸う人がいても気になりませんし、喫煙が許されてる場所なら一言断るみたいなマナーも不要だと思いますし、そして何より「依存症」の人が書いた文章を読むのが好きなのです(これはお酒でも同じです)。百鬼園先生の「煙暦七十年」(5歳の時から!)は何度読んでもたまらなく面白いですね。
 大学生の時に独りで中国をバックパックして、敦煌で日本語が滅茶苦茶巧いおじさんがやってる飲み屋に数日間入り浸ったんですけど、初日に宴席を囲んだ(全員が初対面の)大学生5人に対しておじさんが煙草を勧めて私だけが断ったら「酒が飲めないのと煙草を吸えないのとは男じゃない」と言われたんですね。なんですけれども、その席で他の4人がぶっ潰れた後まで飲んでだら「さっきのは取り消す! 他人の2倍飲むなら何も言えない!」と代金をタダにしてくれたという思い出があります。あれで、あぁ、吸わなくても男だと言い張っていいんだなぁと思ったのが、もしかしたら3週間の旅行の最大の「収穫」だったかも知れません。

 本日は授業なし。国語科の会議のみ1時間。

 さて、先日(多分国試に)合格(しているであろう)記念でさし飲みをした58回生Fくんが「国試合格でした!」だそうで、これにて4月からS病院勤務予定だったのの「予定」が取れることになりました。同学年には国試に落ちた人もいるそうで、勤務病院が決まっておきながら国試に落ちるというのが予定先の病院にどれだけの迷惑(金銭的被害)をもたらすかを考えたら合格が(自己採点で)分かっていたとしても発表までは緊張した、ということだそう。で、「合格決まったし暇だし今日誕生日だから飲みに行きましょう!」だって。ふ~ん、学費暴力私大医学部に7年間も(あれ?)通える財力の家を出て勤務する病院まで決まっている、
 私「のに、誕生日が暇なんだって、その先輩」
 某「それを何で僕に言うんですか嫌味ですか嫌味の先取りですか!」
 帰りのSHRの後でクラスの九医志望男子に言ったら怒られました。

 Fくんと待ち合わせたら、開口一番、1時間前に鬼盛りのラーメン食ったから全く腹が減ってないと言われて「お前帰れそれ二度目だぞ教員先輩呼び出して飲み代せびるときに腹膨らまして来るとか舐めてんのかアホが」とプチ切れる私。もともと鳥みたいに小食のFくんですから、入った居酒屋「T」でも注文したものを殆ど私が一人で食べるというね。母君も卒業生も私を肥らせようとする。しかも、飲んでる内にちょっと元気が出てきて結局2軒目の小料理屋「S」で2時間歌って、帰りにうどんの〆に行くなど。40前のおっさんにんなことさせんなよ、と。
 という訳で、おめでとうございます。初任給は少し貢いでね。