Drop me a line, sometime

 萩尾望都『私の少女マンガ講義』読了、★★★★★。イタリアでの3度の講義(講演)をまとめた、御大の語る少女マンガ史。歴史が物語ならば日本一のストーリーテラーが編むそれ(『リボンの騎士』から『大奥』まで)が魅力的であることは始めから分かっています(しかも、本質的で解り易い!)。とりわけ、傑作「半神」を取り上げて創作技法を全ページ各コマに渡って作者自ら解説した箇所が感動的でした。私は、萩尾望都作品で「半神」と「イグアナの娘」とが最も好きなのです。

 昨日の続き、3クラスで共通一次評論は武満徹「自と他」。終了後に採点集計をしたら、昨日の予想通り、63・64回生の平均を4点ほど上回っています。ここを生徒が見てて増長されたり気を抜いたりされたら困るんですが、この調子でいけばセンター現代文は大丈夫かなぁ、などと。
 センター現代文については、全員の全ての演習の得点を記録していきますが、評論・小説のそれぞれについてどうしても(何度やっても)10点台・20点台しか取れないという生徒が毎年数名出てきます。その場合は、秋ごろをめどに、それまで授業で演習した過去問のプリントを全部提出してもらって、例えば評論10回分の、どの問題をどの選択肢を選んで間違えたかというのを全てチェックします。そうすると、その人について、どういう思考癖があってセンターのどんな鉄則を知らなくて今後どういうことに留意して解けばいいのかというのが大体抽象されます。それを手紙にまとめて、30分くらい面談の形で教えるんですね。そうしたら、大体それで大丈夫になります。プラセボかも知れませんが、それならそれで別に構いません。1人につき5~6時間程度の作業になりますが、10人程度なら捌けます。授業講義だけで全員の成績を魔法のように上げるようなカリスマ予備校講師でもない限り、一本釣りに賭けるしかないという側面はどうしてもあります。

 夜の「もりき」は久しぶりに居心地が悪かった。料理や酒やマスターや常連さんやという理由ではなくて、カウンター隣3席を占めた自衛隊グループの話題が下品極まりなかったから。初めて見た顔だったけど、正直二度と来てほしくないなぁ。