牧春牧

 生徒には、新しい「日常性の維持」を構築する際には「1週間は違和感が先に立つ、1ヶ月で慣れる、3ヶ月で習慣になる、半年で人格と調和する」と言います。これで高3が大学に通る受験生になる(大学であれだけ生活リズムが崩壊した卒業生が結局はちゃんとした社会人になるのは、一度「日常性の維持」を人格と調和させた経験を持つからです)。勿論、挫折の可能性は初期ほど高いですから、最初の1週間が最も大切、次いで1ヶ月が大切、という流れ。
 3時起床の後、書斎で京大特講添削の残りを済ませてから入浴、風呂上がりに母君の朝食と2人分のお弁当を作ります。この流れを身体に定着させたいところで、私の方も1週間を過ぎて違和感と羞恥とが消えつつあります。

 母君の朝食はウィンナーと目玉焼き、それに野菜サラダ、ホウレン草のお浸しというシンプルなプレート。
 母君が朝食を召し上がる間にお弁当の準備で、昨日は「A」のママさんからサバのトマト煮を頂いたのでそれをタンパク質のメインに。昨日作った肉野菜炒めの材料が少し余っていたので今日は中華風(油の代わりにごま油を使って、中華出汁の素を少し振りかける)に。それとミニトマト、茹で置きのブロッコリー、市販のスイートコーン。以上が2人共通のメニュー(?)で、私の方にだけゆで卵とホウレン草お浸しとウィンナーとを入れました。この3つは母君の朝食に出したので避け、代わりに以前事務嬢さんから頂いた牛しぐれ煮を混ぜ込んだおにぎりを空きスペースに入れます。しかしまぁ、もらい物ばっかりですね。

 私「おはよ~ございま~す。最終回のラストシーンって、牧くん完全に口開けてましたよね?」
 英「そうそうそうそうそうそうそうそうもうやばい!」
 私「感想飲み会『I』、押さえましたんで~」
 英「じゃああと何回か観とかないと!」
 およそ職員室での会話とは思えません。90年代のドラマを彷彿とさせる(四角関係の当事者が全員男性だという一点を除けば)展開に、アラフォー2人は完全にノックアウトされているのでした。

 8時から生徒面談、午前中は一週間分の授業プリントの準備その他デスクワーク。昼休みも生徒面談で、授業はセンターが1コマ。そう言えばあっという間に実習開始から1週間が経ってたねぇ、の63回生Mくんに「飲みに行こうぜ!」と声をかけたら「いっすよ」とフッ軽な返事が返って来たので、後で伝え聞いて「俺も!」と寄ってきたKくんも連れて3人で二日市「月空」へ行くことに。63回生なら一度は連れて行かないと、ねぇ。
 というわけで、放課後は16時から1時間の年休を取り、血痰ネーミングスーパーマーケット「You Meマート」にて買い物をしてから帰宅。母君の夕食は、昨日のカレーを温めたものをメインに、野菜サラダと「I」から持ち帰りのピクルスとを付け合わせにしただけ。手抜き万歳!

 入浴後に着替えて西鉄K駅、実習生2人と落ち合って特急約15分で二日市、徒歩3分で「月空」。心持ち大学生に「寄せた」注文をするよう心がけつつ(何を注文しても美味しいからいいんですけど)、高校時代の話やら実習の感想(授業や生徒との付き合いにおける手応え)や職員室の噂話やらを。
 実習生は早いめに帰さないといけないし、何しろ私も5時前には起きて家事をしないといけないし、という君得俺得の一軒解散。彼ら(63回生)が中3の時に実習に来た56回生Kくんの時は、3週間の間1日おきに2軒、K市の飲み屋を20軒くらい連れ回してましたから、私も随分と年をとった(丸くなった)なぁ、としみじみします。