ビロウな話で恐縮です日記

 昨日の肉料理「I」は最初にアスパラガスの天麩羅を注文したんですけど、注文してから本を開いたら(食堂を舞台にした小説で)いきなり「季節の味、アスパラガスの天ぷら」というフレーズが出てきて、登場人物と一緒に同じメニューを食べるという。「一人でいるのに、二人ぼっちだよ」みたいな。

 3時前起床、未明の書斎で昨日の特講の答案を添削。今日は02年第一問(村上陽一郎)で、2行記述が4題、120字記述が1題、漢字が4題。これを63回生は50分で解きました。64回生は60分かかって「あれ、ちょっと遅いかな」と思いました。で、67回生は60分でも終わらない。何となく、年々少しずつ遅くなっている印象があります。東大は、一昨年から2行記述を3題に減らしました。
 あ、解答の精度は変わってません。

 さて、6時半に添削を終えて朝食を作ろうかとリビングに出たら、母君がカップ焼きそばを開けてガサゴソやっておられる。ほら、昨日の「嫌な感じ」が当たったよ。たぶん、セブンの冷麺がおいしかったから置いといたカップ麺が食べたくなったんでしょう。こんな油もの絶対に口に合わないと言って耳を貸して頂ける性格でないことは38年息子役を担当していたら解っておりますので、今日の朝食はお湯を沸かすだけと決めて麺を受け取りました(勝手に開けといて、作り方はお解りにならないんです)。
 かやくを入れる、湯を注ぐ、湯きりをする、ソースを混ぜる、ふりかけをかける。3分で終えた感想は一言、不味そう。
 これは私が泥酔して帰ってきて急に身体に悪いことをしながらあと2本発泡酒を飲みたくなった時用に取っておいたもので末期がんの患者がわざわざ1食を空費するために買ったものではない、ということを言葉で説明しても絶対にうんと言わない性格でいらっしゃる母君に納得して頂くためには、一口目の不味さで既に後悔しながらも食べると言った手前後には引けず1/3ほど胃に詰め込んだ辺りでかなり苦しそうな表情をなさっているところへ私が「もう要らないんでしょう?」とこれからゴミ出しに行くゴミ袋(大)を差し出してこん平師匠のトランクみたくちょっとだけ隙間があいてるところに容器ごと突っ込んで頂く、という面倒くさいプロセスを踏むしかないのです。

 あ、そうそう。前述の特講添削、3時間ちょっとやったんですけれどもまだ終わっていません。今日は外部模試の日で朝のSHRで答案を返せず返却は帰りのSHRで良いので、添削の残りは1限のテスト監督中に終わらせました。

 さて、生徒は外部模試受験で半ドン。私はその後一旦自宅に戻り、昨日からの「嫌な予感」が完璧に的中していることを昼食の弁当に全く手をつけておられなかったことで確認。ですが本日は週一の絵画教室の日で叱り上げる暇もなかったので取りあえず教室に出かけてもらい、私は予約していた美容室で久しぶりに髪を短くしていただいてから自宅に戻りました。店長のKさんは共働きのイクメンで、お子様お二人のお弁当は完全にKさん担当らしいです。卵焼きのおいしいアレンジの仕方を色々教わりました。

 さて。おぉ髪を切ったら自転車を漕ぎながら風を切るその風も涼味が増してよいぞと興に乗って帰宅、したらトイレから目茶目茶苦しそうな声がするので何ぞと覗くと、下の話だから詳細は省きますが(あぁ、一応名誉のために言っておきますと、どこも汚してはないです)まぁ母君の苦しそうなこと。お腹を下しておられるのですね。昨日からの食事崩壊っぷりから予想は出来てたことですが、取りあえず便座に座った母君と向かい合う形で介助をしてトイレ密室1時間!
 トイレから出た母君をそのままオフトゥンに誘導して、ビバ自転車5分前に家を出ても面談には間に合うぜ(とは言え、10分前には到着される生徒・ご家族を室外でお待たせすることにはなります)、と学校まで爆走。これは流石に「支援」とか「手伝い」とかじゃなくてもはや「介護」の域に片足突っ込んでるよなぁ、とか考えながら。

 さっきまで家族の下の世話(繰り返しますけれども、どこも……床も下着も身体も汚してないです)をやってた風な様子をおくびにも出さずに居られているのかどうかも解らないまま、B組某くんと面談30分。お母様から、お土産に高級な卵を頂戴して恐縮です。ちょうど、卵焼きのおいしいアレンジの仕方を教わったところで、且つ食事のリズムを崩したら身体が正直に反応するということを母君にも納得して頂けたところだったので、正にタイムリー!

 夜の「もりき」でマスター、奥様と。
 マ「……いけのっちゃんところの話、うちの90のお袋のエピソードと全く変わらんやんか。うちのも時々食事に手をつけないから俺が叱るもん」
 私「叱って言うこと聞く?」
 奥「聞かないよぉ」
 マ「息子の言うことなんか聞くわきゃない。でも言わん訳にはいかんやろ、腹立つし」
 私「僕は人間が出来てないから腹も立たんよ。言っても無駄だし」
 マ「腹が立たんなら人間が出来とるんやないと? 俺はいっつも腹かいとる」
 私「逆。腹も立たない代わりに、身体壊しても同情しないもん」
 奥「でも、一時間トイレに居てあげたんでしょ?」
 私「そらそうだ、同情しなくても介助は出来る。生徒にも、勉強したいかしたくないかと勉強するかしないかは別次元だって常々」
 マ「素直じゃないねぇ」
 私「素直な人なら、早々に施設に放り込むんじゃない?」
 今日は模試なので特講はなし。ですから冷酒をいつもよりたくさん。4尺グラスで6杯(つまり6銘柄)。ビロウな話で恐縮です。