生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言

 書斎での書き物のお伴に渚ようこ『Ginasa Donba Recital』。チト河内をバンマスにザ・ハプニングス・フォーを従えたライブ盤。カバーソングオンリーで、私の大好きな「木遣りくずし」(奥村チヨの歌唱も良い日本民謡)や「アリゲーターブーガルー」などがラテンロックの演奏で。やっぱり生で一回観たかったなぁ(というわけで、中島みゆきさんの「夜会」も堂々と観てきます。チケット代、明日振り込みます)。

 最早朝は「寒い」と言ってよいくらいで、典型的な「季節の変わり目」は身体の不調が心配になります。実際、まぁ過労もあるんでしょうが67回生諸君の中にも遅刻・欠席が増えてきた印象。今日はうちのB組は久しぶりに遅刻欠席がゼロだったので感心しました。無遅刻無欠席通年達成みたいな気持ちの悪いクラスを目指すつもりはさらっさらありませんが、前回担当した63回生A組(あぁ、記憶の彼方)が朝のSHRの時点で44人中11人不在とかいうのがデフォルトだったから(「遅刻八部衆」、元気かしら)、今の学年くらいちゃんとしてる人たちを見てるとつい欲が出てきそうになります。

 というか、「季節の変わり目」の体調を心配しなければならないのは我が家の母君なんですね。先日、旦那出張中で可愛いワンちゃんと二人暮らしの事務嬢さんと。
 嬢「お母様はお元気ですか?」
 私「えぇ、最近は良く食べるようになりまして」
 嬢「あぁ、それは良いこと」
 私「でも一応、帰れる限り昼に帰って食事作って、定期的に顔を見るようには」
 嬢「やっぱり心配ですもんねぇ。先生も大変。それに、授業が詰まってたら帰れない場合もあるでしょう?」
 私「あら、ご心配なく。その時は作り置きのお昼ご飯を冷蔵庫に入れておきますし、それに……」
 嬢「それに?」
 私「お宅様の方とは違って、ウチのは電話に出ますの」
 嬢「(悶絶)ひ・と・で・な・し!」
 まぁ、仕事中に1回以上は「生存確認」してます、ってことで。

 今日は1・2・3・5・6限が授業(井上靖センター小説を2本立てで)、4限の時間を使って自宅往復。放課後には東大文系現代文特講があったので、帰宅は18時半近くになりました。母君の夕食にはちょっと遅い時間だったので、レトルトのカレーをメインに慌てて準備。
 書斎で添削を20%だけやって、洗い物を済ませてから「もりき」で独酌。隣には最近共学化したS学院の先生、土曜日の台風が心配ですねぇ、ウチは先日の大雨の日に帰宅難民を出してしまいまして、など学校っぽいことをお話し。ってか、いや、マジで土曜の台風休校とか勘弁だぞ(一応、時間割の先生と相談して土曜休校の時の授業変更案は作成済み)。高3はともかく、中学は中体連があって来週は定期テストです。中体連が延期になったら定期テストの日程が変わるという致命的な事態が出来します。そして、土曜の授業がカットになったりしたら「もう問題作ったのに授業がなくなった!」という先生方の阿鼻叫喚が……。

 本日の東大特講は2008年の宇野邦一『反歴史論』。本文冒頭に中島敦「文字禍」が引かれているのですが、これを筆者は(恐らく知ってて)誤読している。問題内容には無関係だから東大もゴーサインを出したのでしょうが、これを見てムッとした人も居るかも知れません。と言うわけで、この文章の冒頭だけは高2で「文字禍」を扱った時の定期テストで応用問題として出題したんです(誤読を指摘せよ)が、板書準備でタイトルを書いただけで「中島敦の時のですね」と指摘してきた某さんの記憶力に感歎。
 さて、この問題。歴史とは何か(前々回の03年小松和彦、前回の06年宇都宮輝夫、そして今回の08年の宇野邦一は「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党」には入党しないでしょうね)。これはもう重量級の難問、私が就職して初めて担当した56回生の東大受験生諸氏を屠った(っつっても良いよね)憎きやつ。解説にも力が入る……以前に、いつも以上に難渋の聴講生諸氏がなかなか解き終わらない。特講開始以来初めて、解答時間70分超を与えました(明日は理系ですが、こちらも70分の解答時間を想定しましょう)。熟考の甲斐あってか、書斎でパラパラ読んだ(後で20%分だけ添削した)限りの解答の質は高い(想定以上に高い)。
 明日未明の添削が楽しみです。21時就寝。