静かな腕に 力をこめて たたけ 風のドラム

 起き抜けに母君の食事を作ればいい時間までたっぷりと寝て、今日は学校には行かずに仕事は全て書斎で済ませるつもりで学級通信作成と京大理系特講添削と。10時過ぎの血痰ネーミングスーパーマーケット「You Meタウン」に母君と出かけて食材調達。無洗米2kgは私が居ないと運べません(米を炊くこと自体は母君の担当ですが)。

 帰宅したら携帯に着信があって、覚えのない番号だと思ったら66回生のSくんでした。東大文系を目指して予備校生活、電話の要件は東大現代文の過去問についてのもので、学校に居るならば本文を読みながらすらすらと答えられるのですが、自宅書斎だと資料が何もないので記憶だけを頼りに、且つSくんがどこで躓いているのかを探りながらになってしまうので、何とも辿々しい説明になってしまったのではないかと思います。質問された文章は市村弘正「『残像』文化」で、これはまだ今年度67回生では扱っていない年度の出典ですね……というか、予備校教材って、そんな古い年度(四半世紀前)の問題まできちんと拾ってるんですね。
 で、探り探りやり取りをした結果、Sくんは「残像=まだなお=現在」というのを「残像=過去」だと取り違えていたということが解りました。いちばんラディカルな部分(いわば前提)が違っていたんですね。それ以外の論理や内容は大体掬っていたみたいですから、多分、本文を読みながら終始一貫して何か「違和感」があるなぁ、と思うことになったはずです。そして、タイトルにもなっているくらい根本的な部分をまさか取り違えてるとは気づかないから、その「違和感」の由来はいっかな解らない。
 担任団でもなかった教員にわざわざ電話するのはちょっとした勇気だったでしょうが、何せ魚の小骨ですから仕方ない、といったところでしょう。

 母君に昼食をお出しした後、久しぶりに本の買い出しで天神へ。次の週末に上京した時には間違いなく聖地池袋本店に行くわけですから一週間くらい我慢しようかとも思ったのですが、K市の「タワレコ」に売っていなかった谷山浩子新譜を購入するという目的もあったので。
 西鉄電車特急片道30分強(嘗ては30分でしたが、大橋駅に止まるようになってからは「強」です)、「タワレコ」と「ジュンク堂」とを梯子して天神滞在は70分、14時前に到着して、15時の特急で帰りました。行きの電車内では幸田文、帰りの電車内では(落差が凄いですけれども)『ボディビルのかけ声辞典』(何回か噴きそうになりました)。

 谷山浩子谷山浩子コンサート デビュー45周年大収穫祭 at 東京国際フォーラム』、★★★★。歌声が所々かすれかかっているように聞こえて声の調子はそんなに良くないのかなぁという感じだったのですが(気のせい?)、構成は素晴らしく豪華。ソロ弾き語り→with栗コーダーカルテット→with石井AQ岡崎倫典→with齋藤ネコカルテット→ALL CAST。最後のオールキャストは圧巻で、特に「キャンディーヌ」は20年経て今回この演奏をするために作られたんじゃないかとすら。そして周年記念コンサートですら「ベスト盤」にしないのはポリシーなのかそれともファンの要望を見越しているのか、「第2の夢・骨の駅」なんて組曲の中の一曲(単独ではよく意味が分からないん)ですよ? あと、先日読んだ黒澤いづみこ『人間に向いてない』の影響で「SAKANA-GIRL」がメルヘンを超えてリアルに聞こえたのはちょっと胸に来ました(嘔吐感という意味で)。

 自宅に戻って入浴、母君の夕食を作成。今日も今日とて湯豆腐ですが、今回は初めて寄せ鍋風にしてみました(ポン酢要らず)。豆腐も野菜もマロニーも美味しいと言っていただけたのですが、練り物(カニの団子)だけは好みではないと手をつけられず。今後は買わないようにします。
 母君のお休みの後、居酒屋「A」で明後日の相談がてら読書独酌。校内模試の成績検討会後に主任地理先生主導の慰労会。恐らく学年団・進路指導室から6~7人の参加でしょう。最初のお刺身は4人前で準備してもらうこと、飲み物は飲み放題(2000円)でお願いすること、などなど詰めを。

 加藤元浩Q.E.D.iff(11)』、『C.M.B. 森羅博物館の事件目録(39)』読了、★★★。「パンピー実はサイコパス」は加藤さんあるある(「~物」で括っていいくらい)なんですけれども、新鮮味以前にそろそろバリエーションがつきかけてるんじゃないかと。
 公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟監修『ボディビルのかけ声辞典』読了、★★★。下らないけど笑ってしまう。学級文庫に入れとこうかな、生徒なら10分で読めるだろうし。「切れてるよ」とかは分かる、「肩メロン」とかいう喩えも分かる、でも「飼っている白い犬は元気?」ってもう犯罪の域に入ってんじゃないのかと。
 臼井儀人&UYスタジオ『新クレヨンしんちゃん(8)』読了、★★。はい惰性。