してくれ自覚そうさパイセン しなびた自虐ならこっちゃ勘弁

 東京は小金井にあります佐賀県人寮「松濤学舎」の募集案内を、我らB組唯一の佐賀男子くんに手渡し。したのですが、まぁ、仮に入ろうとしたって、きっと堪えられないだろうなぁ、と。これは佐賀男子くんを見くびっているんじゃなくて、寮の上下関係が異常に厳しいって意味で。
 上下関係というなら私が大学1・2年を過ごした福岡県人寮「英彦寮」も同じ。一人称は「自分」、廊下ですれ違う先輩には道を譲って一礼して「失礼します」、絶叫自己紹介、年に数度の救急車という宴会。私はいちいち「コント、体育会系」と呟きながらやり過ごしました(もしも酒が強くなかったら淘汰されてただろうなぁ)。
 とまぁ、「英彦寮」に関してはこれが20年前の話で、今は禁酒禁煙が徹底されているそう。抜け道はあるでしょうが、まぁクリーンな時代だということです。そして驚いたのは、63回生で担任を務めた文系Oくんもそこに入っているのですが、彼が寮の代表を務めてついにあの「挨拶指導」(絶叫自己紹介)を廃止に持っていったと最近聞いたこと。相当な反対にあったと言ってましたから、もしかしたらOくんが去った後に復活するのかも知れませんが、一度でも無くしたというのは大きなことですよねぇ。隔世の感。

 午前中に一度自宅に戻って、母君のショートステイの手続きをお世話になる施設「S」の方と。住所名前を何枚もの書類に書かなければならないのですが、母君の筆の衰えが寂しいですね(字の美しい方で、名残はあります)。
 授業は4限でこれは添削が必要(5・6限に終わらせました)。放課後は東大理系現代文特講で内容は12年の河野哲也『意識は実在しない』。正面から自然科学(的自然観)を書かせる問題なので、若しかしたら先週の文系よりも理系の方が平均点が高かったりして、と思っていたのですが果たして答案を見る限り理系の方が内容が充実してそう(と言って、40点満点の平均点にして1~2点以内の差ではあるでしょうが)。

 18時過ぎに帰宅、直ぐに母君に夕食を出してから入浴。母君のお休みになった後で「もりき」。昨日は牡蠣の小鍋立て、今日は魚しゃぶ。もう冬です。

 内田樹『常識的で何か問題でも?』読了、★★★★。時評コラム集。ご本人もあとがきで書かれている通りに筆がノッていないものが多いんですけれども、辛気臭い時代に「うんざり」しているその感覚が素直に表出しているということなんでしょうね。致し方なし。あと、内容とは無関係なのですが、「けだし至言だと思う」という表現を見て一瞬「重言では?」と思ってしまいました。ついでに「けだし」についてググってみたら、法律の世界では「けだし」を「なぜなら」の意味で使うという豆知識も。
 安田弘之ちひろ(上)』読了、★★★★。大傑作『ちひろさん』の前日譚で、ちひろさんの風俗嬢時代を描いたもの。面白いは面白いんですけれども、設定上そういうシーンがばんばん登場するので、『ちひろさん』を喜んで下さった事務嬢さんにお貸しするかどうかは迷ってしまいます。下巻は上京中に読むつもりですが、果たして乗り物の中で読めるのかどうか。