健康で文化的な最低限度の生活

 とある都道府県立高校が、教員の「働き方改革」のために、学期末の通知表に担任が書く「所見」を廃止したというニュースがネットで。コメント欄には内田良氏のものもあり「文言を考えることの面倒さにくわえて、教務主任や管理職のチェックが入り、そこで書き直しもあるとのこと」と、この廃止には賛成のご様子です。
 上からのチェックというのがそもそも反教育的だ(それなら負担以前に無意味だからやめた方がいい)と思いますが、F校は自由裁量で書かせてもらえるので、その限りにおいてならこれは割と有意義な仕事です。書き言葉は、伝える相手(各家庭)への定着という意味でも効力を持ちますが、書く側(教員)が客体化された活字を通じて改めて生徒のことを「知り直す」という効果があってこれが大きい、とこれはいざ担任を持って初めて所見を書いたときの発見でした。というか、そうではない先生もいらっしゃるでしょうが、私はこの業務が割と楽しく思えて好きなんですね。
 因みにこの仕事、せいぜいが一人150字で、日頃接している生徒なら大体一人10分、と考えたら40人学級だとしてたった7時間です(つまんない会議を幾つかとか、不要な書類を数種類とかいうレベル)。私は休日に一気に行う派ですが、数日に分けて書き溜める派の先生もおられ、やり方は様々みたいですね。
 「働き方改革」で「所見」を廃止したという学校は、上からのチェックで個性が骨抜きにされるという形で「所見」が廃止すべき形骸になっていたのか、対生徒・家庭の作業にしか最早削る余地がないほど既に業務がスリム化されていたのかなんだろうなぁ、などと。まぁ、「こちとら大人は不要な業務が削れねぇしがらみの中にいんだよしがらみ舐めんな」と言われたら、こちとら子どもは「さーせん」の一語です。

 個人的「働き方改革」で連休初日は学校に行かず、自宅の書斎にてデリケートで文化的(?)な仕事を幾つか。連休中に終わらせる文系用の添削は明日に回しますが、今回は東大・京大・一橋大・九大・東北大・阪大がミックスで全部で50枚程度あるので、1枚8分と考えたら7時間ですね(あら、「所見」と一緒)。明日の書斎で5時間、明後日未明の書斎で2時間、でいいかな。
 母君のプレート用に料理も少し。手を引いて血痰ネーミングスーパーマーケット「You Meタウン」まで往復の買い物、の後に茄子・じゃがいも・鶏肉の甘辛炒めを。後は、ほうれん草を茹でて、これは「梅の花」で買ってきた湯葉と和えてお浸しに。烏賊そうめんを買ってきたのは納豆・卵の黄身と混ぜて烏賊納豆です(「もりき」マスターの見よう見まね)。祭日・日曜は近くの惣菜屋「O」が休みなので不便。

 読書は幸田文、野瀬泰申、から漫画(RENA『本橋兄弟』)。野瀬氏の『天ぷらにソースをかけますか?』は日本における食文化分布の調査で、タダでさえ面白い内容が氏の出身がK市である故さらに。
 夜は、野菜料理「B」から小料理屋「A」。