ステッキもって歩く 魔法使いみたいね

 以前、黒柳徹子野沢雅子とのトークで、ドラマが生放送だった時代、或いはNGを出せば全て最初から録り直しだった録音技術未発達の時代、を振り返りながら、「NG」への緊張感がない若手にもの申すというやり取りがあったのを観たことがあります(野沢雅子Wikipediaにも掲載)。『NG大賞』なんて信じられない、と。
 そう言えば最近『NG大賞』的な番組について聞かないなぁ、と思っていたら、今は視聴者から「人の失敗を笑うな」というクレームが殺到して……いや違う、殺到なんてしてないんだけれども少しでもクレームがつけば現場が萎縮するという例の流れで『NG大賞』的な番組は自粛傾向にある、というニュースが目に。
 時代は変わるなぁ、と思っていたら、放送中のドラマ『今日から俺は!!』の中でキャスト(橋本環奈)が我慢できずに(素に戻って)笑ったシーンがそのままOKテイクとして放送されているのを観ました。
 何が何だか。
 佐藤二朗なんて、最早、ドラマの中で役柄(変人キャラだけどはっきり言って面白くはない)になることよりもそこから離れて橋本環奈を笑わせる装置に徹することで面白さを出そうとしてます。視聴者はどこに立てばいいの?(今ってこういうのが潮流なんですかね)

 連休2日目。先ずは午前中に学校へ行き、学級通信作成その他デスクワークを。昼食作成のために自宅に戻った後は学校に戻らず、書斎で文系二次対策の添削を粛々と。途中、14時頃に母君とタクシーで岩田屋へ往復して、お一人で外出するとき用にステッキを購入しました。デパートの中に介護コーナーがあるんですね(どこで買えるのかも値段の相場も今日まで全く知りませんでした)。母君は以前ここで倒れて「S」病院へ救急搬送されて以来足が向かない様子でしたが、半年過ぎて(私と一緒ならということで)久々の入店。地下の食品コーナーで、母君のお好きな松前漬けを1パック。そのまま食べるのは塩辛く感じられるようで好まれないのですが、これを納豆と和えたら途端にご飯のあてになるのですね。

 夕食を作成して入浴、母君がお休みになった後に近所の居酒屋「A」で読書独酌。
 川澄浩平『探偵は教室にいない』読了、★★★★。中学校の仲良し4人のそれぞれを謎の中心に据えた短編が4本。探偵役は語り手の女子(主人公)の幼なじみで引きこもりという設定。1本目の謎が余りにも他愛なかったので拍子抜けしましたが、2本目以降は気を取り直して読めました。選考委員の言うとおり(鮎川哲也賞)で確かに中学生の語彙でも語り口でもない文体ですが、ミステリならありなんじゃないかな、と書くとミステリに失礼なのかも知れませんが。