石を愛でる人

 担当教員が昼から酒蔵に乗り込んでど酔っぱだった日曜日、勤勉なる受験生は東大やら京大やら医学部やらの模試を受験しておりまして。例えば東大・京大なら、彼らは11月にオープン、実戦、プレ、という3種類の模試を受験することになります。平日・土日は普通に授業が行われておりますので、彼らが受験をするのは土曜の午後、及び日曜。つまり、週末の休みを返上して3週連続で模試があるということです。10月末から11月にかけては、勤労感謝の日まで休みなしの「30連勤」! これに虎視「淡々」と耐えたら勝ち、と生徒には言いますがこれは大変なことですよねぇ(私も学生時代にやったんですけど)。
 そのオープン、実戦、プレに関して、例えば現代文の問題を解答したり研究したりするか、といえば真面目な先生はそれをなさるのかも知れませんが私はしない。あくまで興味があるのは大学の過去問であって模試のそれではありません。ただ、問題を軽くチェックすることはします。出題する校内模試と出典が被ったら大変ですので。その年の新刊だけで考えたって無数と言っていい数がある人文科学研究書、そう簡単に被りはしないだろうと思う向きもあるやもですがこれが結構被る(それが証拠に私も予備校も東大で「ズバ的」したことがある)。入試に使えそうな本は限られますし、その中でここぞという内容分量の箇所というならもっと限られますしね。私も過去に一度だけ、某予備校の秋模試と校内模試との出典が被ったことがあります。長谷川一『アトラクションの日常』、幸い出題した箇所が別だったので問題の作り直しはせずに済みましたが、解答には「本が被ってスミマセン」の一文を入れました。

 3時起床、書斎で仕事、入浴、朝食作成。学校では会議1コマ、授業2コマ(センター小池昌代小説、これが予想より出来てて感心)。63回生文系Iくんから、秋に予定していた教育実習を院試の都合でキャンセルしたことのお詫びに学校訪問をしたいというメール。明日訪問することにしたようで、大体彼が来たら夜は一緒に飲みに行くから、そのつもりで今日明日の仕事の予定を組み替えました。
 夜は「F校カラオケ倶楽部」の例会……っつっても、中学サッカー先生は不参加で要は私と事務嬢さんとの二人。小料理「A」からライブバー「a」。事務嬢さんから「徹底的に暗い歌」というリクエストがあったのでエンケンの「カレーライス」を歌ったらマスターに「何、この変な歌?」と訝しがられました。まぁ、カレー作ってるところで急に割腹(三島由紀夫)ですからねぇ。