歪んだ王国の歪んだ鏡にぼくときみだけが まっすぐにうつる

 校内模試2日目。そう言えば高2以下は月曜から今日までの4日間が定期テストですが、高3張り付き(担任団で且つ他学年の授業なし)だと全く気になりませんね。
 模試ですので欠席はなし(授業なら休んで良いという訳ではないです)。欠席と言えば。ウチの学校(学年? 学級?)は下校時に椅子を逆にして机に乗せるんですが、翌朝のSHRで欠席(遅刻)している生徒の椅子がそのまま机上にあるのが嫌です。最初に教室に入ってすぐ、号令の前に私が下ろすということを続けていると、やがて気のつくタイプの生徒が予め下ろしてくれるようになります。彼(女)の不在に誰も気づいていないように見えるのが寂しいんですかね。
 定期テスト(生徒半ドン)期間は会議を詰め込むチャンス(採点させて、とも思うけれども)。と言うわけで本日も長い長い会議。これがあったので、昨日出題の文系現代文(理系京大志望者も受けます)の採点を始めることができたのが今日の夕方からということに。さて、45%平均のつもりで採点を始めたのですが、予想よりも受験生が苦しんでいるような感触。これは、40%をかつかつ超えるか超えないかくらいかなぁ、という感覚。事前予想(国語科内の問題検討会議で発表)を外すことはあまりないつもりなのですが(そうなるように採点を調整しているのかな)、今回は他の問題との兼ね合いもあるのかも知れません(事前予想は単問としてのものです)。
 出題した本文の中で、筆者の最果氏が「歪(いびつ)」と「歪み(ゆがみ)」という同じ漢字を使った二つの言葉を真逆(或いは表裏一体)の意味で用いている箇所があり、これが生徒を誤誘導する。同じ段落内で、しかも普通の散文では先ず出てこないような目立つ(それだけに扱いにくい)漢字をこのように使っているのは流石に確信犯、容易には読み取らせないという筆者の意思を感じましたので、ならばとそのまま問うたら案の定受験生が撃沈しました。意地悪ですよねぇ(誰が?)。

 夜は肉料理「I」にて読書独酌。テールで出汁をとったもつ鍋を味見させてもらって絶品。コース料理専用だそうなので、今度誰かと忘年会(新年会)に来よう。
 読書では、こないだ西鉄K駅構内の古本ワゴンで見つけた出久根達郎『百貌百言』が面白く。エピソードと名言集、本質は些事に宿ります。この本の最後は向田邦子で、それが山本夏彦翁の「向田邦子は突然あらわれてほとんど名人である」の言で閉じられるのも宜なるかな、ですね(最初に100人目の最終一文を立ち読んで直ぐに購入を決めました)。

 今日の日記はその山本翁の言葉をタイトルにしようと思ったのですが、何となく違和感があったので検索してみたら既に5年前に使っていました。まぁ、そらそうか、という感じ。