静かに夜は来る みんなの上に来る

 あ~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ! ボボボーボ・ボーナス! パンが無ければブリオッシュをお食べっ! 降ってきたっ! 私の懐に大金が降ってきたっ! そして、降ってきた端から事務嬢さん預かりの預金通帳に大部分(ン十万)が振り込まれたっ!
 私「いやぁ、遂に貯金総額が(通帳を見せながら)こんなに」
 嬢「うわ~、車買おうかな」
 私「何言ってんの、あんた」
 以前は、嬢「先生でもやれば出来るじゃないですか~」 私「でもて」程度のやり取りだったんですが、最近事務嬢さんの軽口が不穏なものになってきており大変心地よい。いや、でも、死ぬまで貯金ゼロでもおかしくなかった人間が、ちょっとした監視調教で変わるものですねぇ(他人事)。

 本日は授業が2コマで、センター小説は95年の伊藤整『典子の生き方』。人生決まる試験で選りに選ってなんでこんな哀しいシーン読まされなかんねん、と文句言いたくなるような切ない別れの場面です。今日は昨日印刷した冬休みの自習課題を配布・説明するだけで10分以上かかったので、問題を20分かけて解かせたら、解説の時間は事実上10分ちょっとしか取れずに大変でした。
 放課後は、東大理系志望者を対象にした漢文の特講を。今はセンター特講の期間なのですが、スケジュールの関係で今日だけ理系が休講だったので、空いてるところに気まぐれで入れてもらいました。高3漢文はもう5回やってますんで、突発的に1コマくらいなら当日でも準備可能なんです。6割くらい出席するかなぁ、と思ってたら東大理系志望者が全員来て驚きました。真面目か。

 帰宅後、入浴の後に入浴介助……をしようと思ったら「今日はお風呂に入りません」と。じゃあ夕食を作ろうと思ったら「さっき納豆ご飯を食べてお腹いっぱいなのでもう要りません」と。機嫌や体調がお悪いようには見えませんがねぇ、と訝りつつ二言三言やりとりをしたら、何のことはない要するに私の手間を申し訳なく思われ遠慮なさっているみたいで。まぁ一日くらいだったらお身体にも影響はないでしょうから、私としては何の文句も遠慮も無く甘えさせていただきます。で、作り置きの味噌汁だけ温めてそれを召し上がっていただく、その横で私は添削をガシガシと進める(8割方終わらせました)。
 母君がお休みになった後で、自宅徒歩3分の中華料理「H」で読書独酌。麻婆豆腐と五目炒飯を肴にビールと焼酎(キープしている「黒霧島」をお湯割りで)。

 戸川純『ピーポー&メー』読了、★★★★。80年代以降の交遊録。なんですがやっぱり、デビュー当時(『玉姫様』の頃)にニューミュージック勢からけちゃけちゃに貶された思い出をイニシャルで書いてある部分が目を引きます。矢野アッコちゃんやユーミンやから散々な言われようだったそうですね。それを、相手を直接非難する言葉を使わずに淡々と書いているのが面白い。それにしても、町田康矢野顕子(の音楽)が嫌いで、アッコちゃんの『ごはんができたよ』に反抗して『メシ喰うな!』というタイトルにしたというトリビアは初めて知りました。人物としていちばん面白かったのはロリータ順子で、こういう人を惹きつける「メンヘラホイホイ」っぷりは流石。