そっとそっと揺れ始めてる 愛を止めないで

 起床は2時。その30分前に一度起きてお風呂のスイッチを入れて二度寝、2時にお風呂が沸くと同時に起き出して入浴。2時半から7時半までノンストップで添削。昨日の日記では「9時間」と書きましたがあれは余裕を持たせた時間で実際には昨日と今日との合計7時間半で集計まで終了。
 本当なら、8時までに出勤して答案を返却BOXに入れるのですが(だから、昨日の日記には「8時までにこれを終わらせればよく」と書きました)、今日は午前中を年休にして母君をF校親玉病院にお連れします。とすれば実際には後1時間くらい余裕はあったのですが、最初の日に甘えたら総崩れになってしまいかねませんので、8時出勤の「つもり添削」をしたという次第。

 母君をF校親玉病院の緩和ケアセンターにお連れしたのは10時前、主治医のF先生の診察(カウンセリング?)を受けた後、今日は母君が最近通い始めたデイケアセンター「J」に提出する主治医所見を書いて戴きました。これにかなり時間がかかったのが計算ミスで……

 ……料金を払い、母君の昼食用のパン・ケーキを購入し、タクシーで病院から自宅経由の学校、に着いた時には授業開始時刻を僅かに過ぎていました。本日は、3・4限を使って「文系難関大」、5・6限を使って「京大理系特講」を。添削BOX「添削堂」への自主提出の過去問も東大・京大・一橋大と抱負で、今日からは解かせて添削の自転車操業。解かされる生徒も辛いなら添削を強いられる教員も辛い。私はこれを生徒と教員との「S・Sの関係」と呼んでいるのですが、これの出典は確か羽田圭介『不思議の国のペニス』でした。例えば午後の「京大理系特講」で生徒が問題を解いている間に、午前中の「文系難関大」の答案を添削するというのが自転車操業の「S・S」。今夜は大事な飲み会が入っているから、仕事も細切れの時間でちゃっちゃかと片付けてしまわないといけません。

 今夜、私の自宅から徒歩4分、居酒屋「もりき」にて鴨コースさし飲み会を開く相手は、63回生「日常性の維持」担当、我らが文系A組のEくん。そのEくんとの昨日のメール。
 私「明日は、18時に西鉄K駅発の3番バス『青峰団地』行き、『国分』駅で降りたら連絡please!」
 E「こんな細かい飲み会連絡見たことない笑」

 この細かさは私の性分でもありますが、ギリギリまで書斎で仕事をしていたいというこの時期ならではの事情もあります。18時の「青峰団地」行きは遅れに遅れて18時25分頃に「国分」バス停に着くはずなので、母君の夕食の洗い物まで済ませた後、添削作業を18時15分まで続けてから自宅を出たら徒歩3分で「国分」バス停、目の前にあるドラッグストアで「ペパリーゼ」を購入して「メガシャキ」で流し込んだら、ほら、遠くに「3:青峰団地」というバス行き先表示のオレンジが見えます。待つこと1分、バス通路で降車の列に並びながらスマホを弄くってたEくんは、ふと車外に私の姿を認めた途端にスマホをしまいました。「到着しました」のメールは不必要ですね。

 年8は会ってるのに会うたびに話題が尽きないのは、大学生の(4年生の終わり)日常が怒濤だから……っつーよりも、今後の進路に関してEくんが迷っていたからで、あんな大企業から内定もらっといて何を悩むことがあんねんなという「常識人」の思惑とは違うディメンションでものを考えた結果、彼が選択したと今日私に教えてくれた道は、まぁここでは詳述しませんが。
 私「63回生の『日常性の維持』担当は死ぬまで『日常性の維持』担当だと思ってたけど」
 E「いや~、大学でも途中までは完璧にそうでしたよ~」
 私「若しかしてさ、『off course』って人生初なんじゃない?」
 E「え、何?」
 私「off course」
 E「そうなんよ、何かさ、凄くない?」
 語彙力。こいつ人生初の大胆な決断に自分で興奮してんな。とまぁ、目が「充実してます!」って言ってます(大学とも企業ともどちらとも縁が切れないっつーのは、考えたら贅沢な選択だ)し、変な間違い方は絶対しない人間です(何しろ「日常性の維持」担当です)から、たかが元担任が何をか言わんやというところですね。鴨についても「リベンジできた!」って言ってたし、満足満足。

 いやしかしそれにしてもさ、これはもう連れ回した私の責任でもありますけれどもね、「もりき」で鴨葱、鴨刺し、鴨焼き、鴨つみれ鍋、〆蕎麦、までがっつり食ってですね、タクシー移動の文化街「S」でなんやかんやつまみながら飲んでですね、挙げ句最後にうどん屋で揚げ物入ったうどん食ってるってのはもういっそシュールでね、つき合い蕎麦を啜りながらあたしゃ笑けてきましたよ。後日そのことを話したら「もりき」マスターは絶句してました。

 日付が変わる前には帰宅、就寝。