寿司屋に行って 素直な僕は 何でもビックリ

 明々後日の3月31日から4泊5日で上京します。これまでは上京の間、握力の関係で料理がお出来にならず、且つ肺癌脳転移の治療中で数度の緊急搬送の経験がおありになる母君を、自宅にお独りで残すことを避けていました。最初に選んだのは介護施設ショートステイで、母君が通っておられる「S病院」系列の施設に数度お世話になったのですが、何度目かの後でその施設がどうしてもお嫌だと仰るようになりました(理由は深く伺ってはいません)。そこで、介護施設へのショートステイではなく病院への短期入院という形に変え、市内の幾つかの病院を体験していただきました(その時ベッドが空いている病院は必ずしも毎回同じではないのですね)。そうしたら、一ヶ月前の退院時に足腰が動かなくなるというアクシデントに見舞われまして。
 諸々考えて、結局は自宅に居ていただくのが心身とも最も安心して頂けるのではないかという結論に至ったわけですが、およそ100時間誰の様子伺いもないまま料理の作れない母君が自宅独居というのが可能だとはとても思えない訳でしてさあどうしようとケアプランナーKさんにご相談申し上げた次第。
 4泊5日だけ特別に訪問看護を(要介護度に合わせた自己負担減額で)お願いしたいというのは役所から無情にも却下されてしまいました。普段から訪問看護を利用している訳でもないんだからそういう事情の時はショートステイか短期入院かを使えということです。「役所は渋りますので……」と申し訳なさそうに仰るKさんですが、役所がケチで融通がきかないとかいう最初から判り切った理由で私の上京に傷をつけるなど論外で、私は即座にこっちが全額負担さえしたら訪問看護をお願いして何の問題もないんでしょう? と返しました。要は、要介護度に合わせた金銭の補助とか期待しないから、朝と夜と看護師・介護士の方に母君の様子を見るための訪問をして頂き、必要な代金はこっちが全額負担すりゃいいというだけの話。聞けば病院に短期入院することを考えたら遥かに安い出費だということです。朝食は朝訪問して下さる介護士の方にコンビニ等で買ってきて頂く、昼食・夕食は配食サービスを利用する。
 という訳で本日夕方、私・母君・ケアプランナーKさん・介護士さん・看護師さんお二人、という6人が自宅リビングに集まり、3月31日夜から4月4日昼までの看護・介護の計画を立てる会議を。契約まで諸々合わせて1時間以上かかる長丁場でした。

 自宅での会議以外は学校でのデスクワークだったのですが、夜にちょっとしたイベントがありまして、これが63回生の保護者理事(PTA的なやつ?)の方々と担任3人(主任化学・ベテラン体育・国語私)との小宴だったのですが、その場所が……赤間! K市からは電車で片道1時間です(往復2時間って、最早小旅行ですよ)。ちょっと早めに夕食を準備して16時に家を出る私に、まさかこの時間に出掛けて飲み会とは思われない母君は「お仕事、大変ねぇ」と仰る。まぁ、2割方はお仕事でもありますけれども。
 で、赤間のビブグルマン「K」にて寿司懐石。カウンター貸切で7人ずらり、ここでも67回生の爆発的合格をお褒め戴きましたが、それ(東大現役36人)が63回生(東大現役30人)を塗り替えた記録であるだけに、「保護者理事としては複雑なんですよねぇ」と正直なお父様お母様。ビール・日本酒・焼酎で和気藹々。
 さて、お開き。美味しかったで寿司、楽しかったで寿司、全く文句は無いのですが、会計はどこがビブグルマン(5000円以下)やねん、という値段でした。今回の幹事は理事さんの中のお一人(お金持ち)で流石だなぁ、と。諭吉1枚じゃとても足りない料金を支払ってちょっと罪悪感(卒業生に奢るときは何にも感じないんですけどね)。蛍烏賊、河豚、蜆、公魚、梭子魚、鮪、鯛、雲丹、鮹、松葉蟹……。