いいことしてやがんのにな ビールはまだか

 健康起床、入浴・サウナ、池袋のネカフェで書き物、を終えて8時40分に店を出てから、さて何をしようかとしばし考えて思い至ったのは池袋サンシャイン水族館。常設展(空飛ぶペンギン……上空にある透明水槽を下から見上げる形……が面白そう)及び特別展「へんないきもの展3」を観てきました。ペンギンかわいい、「へんな~」は3回目にしてネタ切れなのかどうかとにかくイマイチ。全文を早川氏が担当したのかどうかは判りませんが、解説文のネタの切れが期待したほどではなかったことが大きいのかな(あの本は、生き物の絵や生態やは二の次三の次で、やはり早川氏の文体が一の次だったと記憶しています)。
 水族館の後は渋谷に移動し、Bunkamuraにて「くまのプーさん展」を観てきました。ペンギンに続いてかわいいの梯子。私は原作絵本を読んだこともなければアニメーションとして楽しんだ記憶もないのですが、原画が見られるというならばまぁ観ておこうよ、程度のノリ。お土産に原作絵本を購入しましたが、さていつか読む日が来るのでしょうか。100エーカーの森は素敵でしたが、私の絵本原体験は「ゲゲゲの森」でしたから。プーさんやピグレットやイーヨーではなく、ヨナルデパズトーリやツァジグララルやシンナテテオが飛び交ってました(これらは皆、北アメリカの妖怪ですが)。

 夜はシカゴピザというデブ活驀進三昧境、ですのでお昼はお蕎麦だな、ということで神保町に移動して最初に入ったのは名店「松翁」。二色盛りの天ざるは2500円以上の喧嘩プライス、エビに野菜に穴子にと揚げたてが順番に運ばれてくるネタはどれも美味、蕎麦も予想よりずっとボリュームがあってギリギリ完食できました。店内満席、母娘ランチ、級友再会昼宴会、放送業界3人組打ち合わせ、西欧から観光客、等々客層は多彩。日本酒に力を入れている様子ですが店内ぐるりを埋め尽くす手書きメニューの銘柄に知らないものは殆どありませんでした(要するに、「もりき」に方向性が似ているということ)。
 古書街を1時間ほど逍遙の後は、神保町~水道橋~本郷三丁目~湯島、と長い長い散歩をしながら湯島天神に向かいます。67回生にも同じことをしたのですが、「F高校68回生」の名前入りで合格祈願の箱札を戴いてくるのが目的。去年は、もう信じられないくらいの御利益がありましたからねぇ。湯島天神もたくさんの人出、最高学年1学期の始まりを前に次のステップへの合格祈願に来る人(家族)、1年生1学期の始まりを前に合格御利益の御礼に来る人(家族)。絵馬は、「合格させて下さいお願いします」と「合格出来ました有り難うございます」とが半々くらい(人様のをじろじろと読んではいけませんが)。
 歩くなら歩こう、と今度は湯島から再び本郷三丁目に戻り、赤門の敷地内には立ち入りませんでしたが、赤門近くの昔なじみのエリアを見学に。「万定フルーツパーラー」のカレーは1度しか食べたことがありませんが、その向かいにあった洋食屋「加美良」には100回と言わず通いました。味良し、コスパ良し、店員さん(親子三人?)の雰囲気尚良し、で個人的には本郷三丁目で最強の店だと思っていたのですが、随分前に閉店してしまっています。懐かしみに立ち寄ればカレー屋さんになっており全然違う……と思ったら「えすにっくカレー からみちゃん」って中途半端に名前が似ているのが悲しく(新店舗に恨みはないんですけど)。

 続いては、東大近くから都バスに乗って小石川の東京大学植物園に向かいます。在学中は一度も訪れたこともなく(興味もなく)、就職後に幸田文を読み始めてから一度は訪れたいと思っていた場所です。シーズンながら幼児連れの若い家族か老夫婦かしか居ない桜の下は(昨日歩いた上野とは真逆で)至って穏やか。勿論、お酒の持ち込みは厳禁です。そして、舗装無しの清澄な林道は気分が良い……んですが、とにかく広い! 園内を歩くこと、なんと90分! 大震災時に避難所になった(こういうのが大学の重要な役割ですね)証の記念碑や、工事中の温室(公開休止中で残念でした)、メンデルのブドウやニュートンのリンゴ、などなどを写メりながらお散歩……の足が悲鳴を上げだしたのでお散歩切り上げ。都バスを待つ体力も持たぬまま、園を出てから捕まえたタクシーで大塚駅、から山手線で駒込

 ホテルで荷物を下ろし、入浴・サウナで身体を休めた後、山手線で駒込から五反田へ移動。五反田「デビルクラフト」にて56回生「いつメン」と宴会です。シカゴピザにクラフトービルというアメリカ規格のデブ活に参加したのは、教員私、塾講Yくん、エンジニアNくん、ライターOくん、そしてクォンツSくん……っつか「クォンツ」って何だよ。日本で50人程度しか居ないというそのお仕事は、株式に工学を持ち込む、要するに私の理解範疇のおんもにある世界のものみたいです(そういう意味ではエンジニアも同じですけど)。ライターのOくんが「ドンキホーテ」社長にインタビューした話とか、塾講Yくんが新しい教室の館長に出世したけれども取り扱う生徒数が爆増したのが辛くて昇進で傷心中だという話とか、同じく春から出世したNくんですが所属する大企業の役所序列が渋谷「東急ハンズ」の階層並に小刻みなせいで全く実感を呼ばないという話とか、色々。一同「「「「先生は出世は?」」」」 私「うるさい、春から進路指導部主任じゃ。部長の側で下働きじゃ。手当は付かんぞ」
 二次会は海鮮居酒屋(店名失念)で日本酒の三昧境。そうそう、ピザはすっごく美味しかったんですけど、私、クラフトビールはあんまり好きじゃないんですよねぇ。

 そういえば、くそ狭い23区内に千万レベルの人間が犇めいている中、しかも駒込みたいな地味なエリアの深夜コンビニで、福岡県からの観光客が地元の知り合いに会う確率……って後で考えたら限りなく低いと思うんですけれども、ホテル帰還途中で64回生Tくんとバッタリだったんですよ。彼とは少し前にも白昼の上野商店街で偶然の邂逅という経験をしたんですけれども、あれですね、Tくん、人たらしな上に確率も操っちゃうんですね、凄ぇな。そら、外資コンサルだって一発だわ。