おいけにはまって さあたいへん

 早朝の健康起床、入浴サウナ、駒込→池袋で東口のネカフェ「D」、10時の開店と同時に聖地「ジュンク堂」本店へイン! 今日は最長滞在可能時間が60分弱という殆ど無理筋のスケジュールで、背表紙読書の逍遙もほぼ競歩。一応籠はいっぱいになりましたが漏れこぼした本は少なくないぞという肌感覚で、これは次の8月にリベンジする他なく。
 池袋からは新宿乗り換えで下北沢まで30分弱、待ち合わせに5分早く着いたら相手の来るのを待ってる間に偶然67回生我らB組Iくん(KO大学)に遭遇してご挨拶、近くに住んでる東大生Tくん(これまた67回生)の家で遊んだ帰りなんですって。まぁ67回生はたくさん合格してたくさん上京したから、黄金週間の渋谷~下北沢ですれ違ったとしても驚くには値しません。11時15分の待ち合わせで駅から歩いて5分の「マジックスパイス」に一緒に向かうのは、昨日も私とデートした63回生我らA組Eくん。「デート」ってキモいなぁ、と思われる向きもあるやも知れませんけども、青山フレンチから渋谷ミュージカルから恵比寿ガーデンプレイスですからあれはもう完全にデート。因みに今日は下北沢地下アイドルイベントから駒場東大散策なんでデートとは呼びません。っつか、Eくんとはこの30日で4回も会ってるんですね。東京とK市との遠距離でこれは割と凄いことなんじゃないかと。
 さて、「マジックスパイス」ですが、10分前に到着したら既に30人以上が並んでいました。昨日の時点では渋谷「パクパクもりもり」にしようかと言ってたんですけれども、そのネーミングを「芦田愛菜」と両断したオツカル様から「下北沢なら『マジックスパイス』にすれば?」と言われたのに従ったのです。サイケでキッチュな店内で、辛い辛いと聞いていた程には辛くなかった「涅槃」(7段階中の4段階目)を食す。種類が多すぎて写真入りのメニューが曼荼羅みたいになってたカスタマイズを全無視して、所謂お店のベースを注文したんですけれども、それでも何種類入ってんだとツッコみたくなる具材の量、スパイスの深さ。次があるなら7段階目の「虚空」にチャレンジ……とは思うんですけれども、何しろ下北沢という街に興味がないから、来訪の機会が訪れるのはいつになることやら(少なくとも、独りだったら行きません)。

 雑居ビルの4階がライブハウスって認識でOKなんでしょうか、汚い外階段を上って会場入りしなくてはなりませんでした。「下北沢ERA」にて、あはれ嬉しや絵恋ちゃんさんの復活ライブ追加公演、「YAMIAGARI~下北でもネギは食べない~」を鑑賞。
 1.金属バット 2.キリタンポ! 3.食わず嫌い 4.気さくが世を斬る 5.結婚しないとナイト 6.すっぱいぱい 7.アルルの女 8.レジ打ちでスカ 9.就職しないとナイト 10.コーンで誰かを叩きたい EC1.カラシメンタイコ EC2.頭痛い
 私はもう何度も訪れたライブ空間(その割にいつまで経ってもアウェイなのはヲタ芸に加入しないからなのかな)ですが、Eくんは(新宿タワレコのインストア経験こそあれ)初めて。というか、人生におけるライブ体験が殆どないそうで、前に飲んでるときに詳しく話せと言ったらもの凄く恥ずかしそうにエグザイル系の何かと湘南乃風かなんかには行ったことがあると言ってました。私から絵恋ちゃんさんの噂を聞き(実際にタワレコイベントを観て)即座にtwitterのアカウントをフォローした好奇心お化けのEくん、遂にライブ初参戦です。

 前回の活動休止宣言時に「絵恋ちゃんと楽器」は解散したそうなので、以降の活動は全部ソロで行うことになるんでしょうね。要するに全部カラオケをバックにした独り舞台だということ。但し、何度か書いているように私はヲタ(えれにすと)さんたちのヲタ芸とコールとを合わせてその総体を一つのアーティストだと思っているので、「独り舞台」という呼び方は相応しくないのかも知れません。
 ですから、1曲目の「金属バット」の間奏、スタッフに球出しさせながら客席にカラーボールを打ち込もうとするも全空振りするというパフォーマンスでこそEくん爆笑でしたが、それ以降は専らにすとさんたちのヲタ芸(5、雑誌「ゼクシィ」を振りたくる。6、隣のヲタの汗を拭く。7、「オーバードーズ! デパス!」のコール。8、レジ袋をぐしゃぐしゃ擦る。EC2、客席に降りた絵恋ちゃんさんを囲んで土下座する)に圧倒されっぱなし。うんうん、私も最初はびっくりしたものです。ただ、私の初体験と異なるのは、私がいつまでたってもヲタ芸に加入しないのと違って、好奇心お化けEくんの目は次に機会があったら混ざりたいという輝きを放っていたという点。

 次の機会……6月に渋谷のクラブで行われるワンマンにEくんは「絶対行く!」と大興奮。本日のライブに仕事の関係で来られなかったオツカル様と遭遇することになるのかな。そしてコールやヲタ芸に参加することになるのかな。いや、流石に2度目でそれはないか……と思った私の先入観は、終演後の物販列(かなり前の方に並べました)の前のファン(40代の半ば以上)の方にEくんがいきなり「ファンになられて長いんですか~?」と話しかけたことで覆されました。こいつ、土下座するわ。
 CDやDVDは購入したものの、相変わらずチキって絵恋ちゃんさんとのチェキを躊躇う私に、Eくんは「駄目ですよ先生も撮らなくちゃ! じゃあ三人で写りましょう!」と強引にチェキ券を買わせ、2枚のチェキ券で(絵恋ちゃんさん、私、Eくんの)3人一緒にチェキを撮ってもらいました。その際、絵恋ちゃんさんから「お二人はお友達同士なんですか~?」と尋ねられたEくんが馬鹿正直に「担任の先生と教え子です」とか答えやがり、私が絵恋ちゃんさん(最推し)から「何やってるんですか!」と窘められるなどした昼下がり。

 下北沢から駒場東大前まで散歩して(Eくんは「ここが映画『ガリレオ』の撮影地です!」とそこを私に紹介したかったらしい。知らんがな)、構内の「イタトマ」でお茶を。Eくんは昨日「中本」で滅茶苦茶辛いやつ(北極の十倍だかなんだかみたいなやつ)を完食した影響なのかお腹がえらいことになってるらしく、店内のトイレにしばし篭城。食べてる時は全く平気で、隣に座ってたギャル2人組に「「凄いっすね!」」と英雄視されたそうです。「中本」店内ではより辛いものを受け容れられる者こそがカーストの上位だそうで、「そのギャル、めっちゃ怖い雰囲気だったんですけど、超褒めてくれたんすよ~」というEくんに「店出たら『おいてめぇ、神速でパン買って来い』とか言われそうな人だった?」と訊いたら赤べこみたいに頷いてました。

 さて、教え子を沼に引きずり込んだという理由でその沼の女神であるところの最推し地下アイドルから窘められた学校教員、夜は卒業させたばかりのとれとれ大学生2人と池袋で肉を食うというイベント。我らB組Sくん(内進・文系)と同じくB組Tくん(外進・理系)というコンビと3人で池袋「韓二郎」で焼き鳥……なんですけれども、私が5分遅れで西口に到着した時に先に来てた2人(どちらも東大生)が喋ってた……私「のが、2人の初めての会話とかなんじゃない?」 S「いや、流石にそれは」 T「まぁ」
 外進高1A時代から3年間担任をやった私に「ハシビロコウ」呼ばわりされたほどに寡黙なTくん、現代文の答案は学年トップのセンスだったから言葉はたくさんお持ちなんだろうなぁ、とは思うんですけれども、内進と外進で文系と理系っつったら同じクラスでも接点がなかっただろうし、マジで会話したことないんじゃ? と疑った所以。Sくんの方は、東京の67回生のまとめ役を快く引き受けて下さったほどには社交的協力的なお方(本日のお食事は、まとめ役を引き受けて頂いたお礼も兼ねて)……なんですが、流石社交的協力的なだけあって、昨日は徹夜で遊んだ上に明日は早朝から千葉のネズミーランド的なところに遊びに行く(聞き違いじゃなかったら、F校の友達んちに泊まるとか)というお話、集合時のHPはほぼ0に近く店で席について30分経った頃には顔が赤ちゃんみたいになってました。いっそ感心してしまいそうなほどステレオタイプの大学1年生で、髪の毛染めてたのも明日に向けての気合い入れだったとか(後でTくんに聞きました。全スルーで一つも弄らなかったのが申し訳無い)。

 そう言えば、4月の職員室に、とある保護者の方から67回生東大組の集合写真(入学式の日なのかな)が届けられました。元担任団、「こいつもう髪染めとる!」とか「女子ってスーツ着たら一気に大人っぽくなるね~」とかワチャワチャ騒いでおりまして、後ろから合流の私は混ぜ返すタイプなので先ずは「もしも36人居るはずの集合写真がその人数に満たないなら」というクイズを投げます。「えっ、数えてみようか……あ、ほんと、34人しか居らん」「2人写っとらんわけね。誰やろ」となったところで、私は外進高1Aを持った人間だから直ぐに分かります、外進から東大理系に行った2人、「そんなのAくんとTくんに決まってるじゃないですか」「あ、ホントだ。2人ともおらんわ」「ってか、まぁ言われたらその2人しかおらんか」
 池袋「韓二郎」に戻りまして、私「というやり取りがありましてね。流石、Tくんは集合なさらず」 T「いや、でも、連絡したんですよ」 S「LINEで、別件があって集まれないから自分抜きで撮っておいて、って連絡が」 私「律儀か。連絡送るくらいなら集合した方が楽じゃん」 T「いや、まぁ……」
 流石Tくん、律儀だけどつるみません。67回生世話人のSくんは6月に行われる同窓会のイベントに大勢の67回生を巻き込みたい(呼びかけを先輩方から命じられている)んですけれども、何回「来てよ」と言われても言をはぐらかしてウンと言わないTくんは結構面白かったです。

 さて、開始30分で赤ちゃんみたいな顔になってたSくんは2時間で退場、その後時間を持て余した私とTくん、ならば未体験2連発を押しつけちゃおうということで、先ずは歩いて5分の「知音食堂」にて山椒地獄の麻婆豆腐を食す。Tくん、顔を真っ赤にして口内の激痛に耐えてます。うん、私も痛い(青島麦酒をラッパ飲みしながら)。私「ここ、現地系じゃん? この店で大昔のある日」 T「はい」 私「客の中で日本人が一テーブルだけで他が全部中国人だったんだけど」 T「はい」 私「0時過ぎたら急に皆が万歳をし始めたからどしたんじゃいと狼狽えたらそれが五四運動だった、という逸話が残されてて」 T「先生、今日、5月3日です」 私「あ、そだね」
 でもって、今度は歩いて15分、東口に回って聖地「ジュンク堂本店」。Tくんは読書がお好きそうなので喜ぶかなぁと思ったら果たしてこっちはお気に召して頂けたようで、背表紙の洪水に驚くやら喜ぶやら。ほやほやの大学生が興味津々の顔で書棚を覗く姿を見たら、おっちゃんの財布の紐も緩くなろうというもんじゃござんせんか。よしよしおいちゃんが何か一冊買ったげよう、と選ばせたら著者はファインマンさんでもう自分では絶対に買わない本、これを籠に入れてレジに行くという私の方の初体験にちょっと興奮しました。

 健康睡眠。