あなたの生活に ひびかない 程度の

 暁の起床、曙の入浴、間はベッドで読書、ネカフェでネットサーフィン(死語?)をしたり、書き物をしたり。
 とあるサイトで、平成で最も好きな楽曲・アルバムの割と規模の大きなアンケートがなされていました。答えはしなかったのですが、自分の場合は何になるか考えてみたところ、アルバムは愛聴するもの、楽曲はカラオケでよく歌うものが自然と浮かんできたのが我ながら面白い、と。因みに、アルバムを5枚選ぶなら、新しい順に、折坂悠太『平成』(2018)、絵恋ちゃんと楽器『ERERGY』(2017)、渚ようこ『ゴールデン歌謡・第二集~エロスの朝~』(2013)、高橋徹也ベッドタウン』(1998)、YAPOOS『HYS』(1995)、になるかな(今朝の気分ですけど)。

 Twitterのフォロワーが、昨日の67回生我らB組Sくんで99人になりました。死んでいるアカウントも多いでしょうからキリ番(死語?)は無意味なのでしょうが、多少の(改元程度の)記念感は覚えます。今日のランチを約束している2人(67回生Iさん・Yさん)からフォロー申請が来たら、お祝いに何か差し上げようかな(アカウントをお持ちなのかも知りませんが)、と思っていたら果たして2人から申請が。というわけで、代官山フレンチのワゴンデザートを1品増でプレゼント代わりに。

 の前に、午前中は渋谷に出て松濤美術館へ行きました。企画展『女おんなオンナ~浮世絵にみる女のくらし~』は、元々「春画展」企画が出発点だったそうです。楽しく風俗概覧、浮世絵と(シーボルト他の)外国人が残した写実画との比較なども面白く。以前、F校から文化功労者中野三敏先生の影響で崩し字を少し勉強しましたが、例えば「新板娘庭訓出世双六」のコマ見出し程度が読めるだけでも展示を見る面白さが倍加したので、何事も囓ってみるもんだねぇ、と。

 松濤美術館から出たら神泉の駅までは徒歩5分程度。待ち合わせをここにしたのは完全に私の都合、代官山は渋谷から歩いても神泉から歩いても15分程度の位置です。待ち合わせのお相手であるところの67回生Iさん・Yさんはともに外進A組で、高1で私が担任を務めた後は、世界史先生担任のA組文系クラスで勉強を続けられ、今春見事に東大文系に合格なさい ました。因みに、Yさんの方はお兄様(64回生)も一浪を経て東大理系に合格しておりまして、そう言えばお兄様が合格報告に来校した時、妹君は私が担任を務める高校1年生でして。
 以下、2017年、3月10日の日記を引用。

 【さて、折角なら実験。凱旋のYくんを授業後の教室に案内して、我ら高1Aに在籍の妹君(←多分、不合格を予想している)に合格の生報告をさせたら、どうなるか?
 妹「えっ、お兄ちゃん、どうしたの?」
 兄「……受かった」
 妹「きゃーっ!」
 放課後の掃除中。
 私「ねぇねぇ」
 妹「何ですか?」
 私「兄妹って、本当に『きゃーっ!』って抱きついたりするんだね」
 妹「(崩れ落ちながら)いやあれは……」
 御目出度う御座います】

 引用以上。
 私「……ってエピソード、覚えてます?」
 Y「もう、やめて下さい!」
 軽口を叩きながら15分ほど歩き、開店の5分ほど前に目的のお店「ル・プティ・ブドン」に到着しました。本日は一度行ってみたかったフレンチでランチです。ランチにもデザートワゴンがついているところがミソで、私は小学校高学年の時に何かのお祝いで母君にこれのあるレストランに連れて行って戴き「夢みたい!」と目を輝かせたんです。38歳のおっさんは既に目を輝かせる心を失っていますが、進学祝いの女子2人にはきっとどストライクなはず、と踏んだら果たしてどストライクでした。ワゴンが登場した瞬間、お兄ちゃんの合格報告の時ほどではないですが(しつこい)2人は確かに歓声を上げた。「選べない! 選べない!」の連打だったので、ワイン3杯(ランチはペアリングをやっていないそうなのですが、適当にチョイスしてもらいました)でいい加減にぽやぽやしてるおっさんは1品だけ、女子2人には4品ずつ(本当は10数種の中から、1人3品ずつ)、これで100人目のフォロワー達成記念。ぶっちゃけデザートワゴンがメインだと言っても過言ではない訪問だったのですが、前菜カルパッチョ(鮮魚は長崎産)、スープ、メイン(牛ホホのワイン煮)、にも満足。女子2人は、それぞれア・ラ・カルトの中から別々のものを選んで半分こ。もらいはしませんでしたが、前菜の白アスパラはとても美味しそうでした。
 開店前に到着してしばし店内入口付近で待っている間、今上天皇(ご夫妻)や現首相(こちらはご夫妻に非ず)の写真などが飾られている中、元担任と卒業生2人がトークしたその内容が元担任の今回の上京目的で、答える元担任がバッグの中から絵恋ちゃん(地下アイドル)のアクキーを取り出した時の、(Iさんと違い表情を隠すのが得意ではない)Yさんがドン引き丸出しの顔で「……趣味が……お広いですね……」と絞り出したそのお姿がしみじみと趣深く。ドン引きのまま帰ってたら、夢のデザートワゴンにはありつけませんでしたよぅ。
 Iさんは運動部のマネージャーを早速始めておられ大学生活充実、Yさんは大学に入っても剣道を続けるつもりがあると仰っており感心。3月末@東京(旅行)、4月末@K氏(学園祭)、5月頭@東京(今回の旅行)、と卒業後の67回生とは色々お会いしており、男女ともそれぞれ充実した表情はしておられたのですが、総じて女子の方が男子よりも元気で明るい印象です。

 ランチにたっぷり2時間ほど時間をかけて、店を出た後は代官山から渋谷までおされスポットを散歩てくてく、お二人とお別れした後、渋谷から地下鉄で根津へ移動しました。
 根津駅徒歩数分のところにある「タナカホンヤ」に初訪問。まっぴぃから勧められた小嶋独観の写真展『奉納百景』を観てきました。これを民俗学と言って良いのか解りませんが、全国各地の珍しい「奉納」風景を足で稼いだ記録。無縁墓ばかりが奉納されている某所、屠殺牛の鼻輪が山となっている某所は「供養物」。縁切り絵馬ずらりの某所、堆い手形足形に治癒の祈りがこめられた某所は「祈願物」。……等々のジャンルがあるのかどうかは知りませんが、煮詰まり倒した民間信仰の蒐集はなかなかの迫力。水木翁の絵などで断片は見たことがありましたが、やはり写真で見せられると凄いですね。会場はF校の教室一つ分よりずっと狭いスペース、その中に店員さん・小嶋独観氏や秘書の方(?)、私の他に先客がお一人(その方が小嶋さんを独占して、私は小嶋さんとお話はできませんでした)。秘書の方(?)に「この展示のことはどこで?」と訊かれて、「友人からこれだけは見ておけと言われまして」とお答えしたら、「もしかして、噴水の方ですか? 昨日はそこ方の導きで佐賀の方が!」と言われました。
 因みに、この「タナカホンヤ」は小さな展示スペースとして使える古本屋のようなのですが、最近流行の「しょぼい店」なんでしょうか、古本屋っつってもワゴン2つ程度の品揃えでいくらなんでもこれは僭称なんじゃねぇのか……と、小さな小さな本棚の一角が『竹取物語』の光り方をしており、近づいたら里見弴の随想で収録の「一つの安らぎ」は15年京大現代文の出典で欲しかったもの。「僭称」など笑止の愚言を心の中で土下座謝罪です。

 本日2度目の松濤、待ち合わせの相手は63回生Iくんで、訪問先は「うつらうつら」という日本酒バー。突き出し(7種類の小皿とおちょこ1杯分の乾杯日本酒)の構成が「ぽつらぽつら」の系列店だと主張する新店舗は、和食と日本酒とに特化した形のお店。日本酒の知識・酒蔵との人脈との豊富さで客にマウントをとってくる年若き「酒番長」に微笑んで相槌が打てるなら(私は打てます)、味と安価とは保証付きです。予約時に黄金週間は仕入れが限定されて食べ物で不自由な思いをさせるかもと言われており、実際店内満席なのもあってメニューの何割かは仕入れなし若しくは売り切れでしたが、刺身も柳川も蝦夷鹿もどれも美味しく且つ日本酒に合う。
 で、1軒目がそういうところなのに、遅れて合流の63回生Tくんを加えた2軒目が渋谷「元気酒場 げんてん」なんていう若者向け使い勝手店舗(料理の偏差値55、値段偏差値65)なのはなんでだよ、と。いや、美味しいんですよ? 牛すじ煮込みも炙りしめ鯖も牛サガリステーキもしっかり美味しいんです。でもですね、ここ、安いんですよ。大学生にオススメ。でもってですね、経産省官僚出世街道4月に初任給がっぽし、カモの鑑みたいなTくんをお迎えしといてですね……「ここで出世払いしてもらうのは嫌だ! 今日は僕が全額出すから次、もっと高い店で奢って!」と本音を隠しもしねぇ元担任(Tくんの16歳年上)なのでした。
 ところで、更新してるのが50日以上過ぎてからだという理由もあるのですが、この2軒でどんな話をしたのか、あ~んまり覚えてないんですよねぇ。IくんとTくんとは保健委員繋がりで久々の再会とかだった筈だから、マッチング(?)だけでも会を開いた価値はあるんですけれども……。

 健康睡眠。