月からの祈りと共に

 早朝起床、入浴、ネカフェで書き物。朝に何をするかは全く決めていませんでしたが、駒場の東大二次下見には高3生が20人弱来る予定なので、折角時間があるなら彼らにお土産を買おうと思い、東京タワーに向かうことに。

 池袋から赤羽橋まで電車移動の後、歩いてタワーまで。到着ジャストのタイミングで営業を開始したので、150mのメインデッキまでのチケットを購入。観光で来たならトップデッキ250mまで追加料金を払うところですが、今日は買い物で来たのでメインデッキのグッズ売り場にさえ入れればそれでいいのです。
 メインデッキ着のエレベーターを降りたら、景観は棚上げして先ずはグッズ売り場へ。小さい商品で売り出し方も地味なので探すのに少し時間がかかりましたが、棚の端っこでそれでも大量に売られていました。金メッキの小さな小さな東京タワーはその名も「高得点」、長方形の紙に「高得点」と書かれたものと一緒に小さなビニールに入ったお守りです。要はダジャレの験担ぎなんですが、緊張しているだろう受験生に気軽に受け取って貰えるのではと。67回生の高3B担任だったときには、クラス全員にプレゼントしました。1つ250円、今日は40個購入。

 買う物を買ったらさっさと塔を降り、赤羽橋から向かったのは新宿。先ずは歌舞伎町、24時間営業の寿司屋で早めの昼食を摂りました(徹マン開けの4人組がガンガンに飲んでて心から羨ましかったです)。
 その後、「武蔵野館」の小さなスクリーンで映画『his』(宮沢氷魚・藤原季節)を鑑賞、★★★★★。佳作でした。作品内容とは全然関係ないですが、「Beautiful Songs」で宮沢和史と競演した(素晴らしいライブでした)鈴木慶一が、20年後に今度は宮沢氷魚を導く役を演じるのを観るというのは感慨深いものですね。

 新宿から駒場東大前に移動、14時から東大文系二次の会場下見。私は浪人生係で高3(68回生)の担当ではないので、場を仕切るメインであるA組担任の日本史先生・B組担任の国語先生の後ろに控え、やって来る受験生に先程購入した「高得点」を渡すだけ。文系東大受験組は20人弱(理系は本郷キャンパスで下見です)で、案内をお願いした卒業生(現役東大生)は65回生Hくん・67回生Aさんという「むら塾」コンビ。Hくんは構内の各号館の特徴(トイレ事情や部屋ごとのキャパ・席形態・音響・温度等)に精通しておられ、2年連続の案内登板です(多謝)。今年は工事の関係なのか900番講堂(音響最悪)が使われないそうなのでラッキーですね。このイベントは長く続いているんですが、ここ数年はお母様がついて来られる例が増えてきました。そんな点からも学校の変化を感じられます。
 構内を回った後は、当日朝の教員待機場所を紹介。勿論全員で移動するわけではありませんが、出来れば構内に入る前の受験生の顔を見たいのが教員の人情。ところが、正門に通じる駒場東大前駅東口は人がごった返すので待ち合わせ不可、東口を出た広場は受験生以外立ち入り禁止、ですので東口では教員と受験生とが顔を合わせることが不可能なのですね。と言うわけで、これまた毎年恒例、教員の待機場所は駒場東大前駅の西口です。所謂「駒下」側、こちら側は毎年空いているので教員の待機もOK。駅構内ですからあまり大きな集団を形成して通勤・通学の人々の邪魔をすることは出来ませんが、通りすがりに会釈をしたり「頑張って」の声かけをしたりする程度は出来ます。

 下見は一時間で終了。生徒は全員マスクでした。新型コロナウィルスの影響(社会的混乱)がひたひたなのは確実で、先ずは明日・明後日確実に受験できるようにしよう、という声かけで解散しました(4/26記・実際、後期試験はウィルスの影響で中止続出。前期試験もあと1週間後だったら駄目だったかも知れません)。
 駒場から渋谷まで歩いて、マークシティーのお洒落カフェでパンケーキを食べるという冒険。本を読みながらですので、ナイフを使って両手が塞がるのが億劫、早い段階からフォークだけで切り分けてオッサンの下品。

 池袋のホテルに戻って、冷え切った身体を大浴場で温めました。その後は直ぐにホテルを出て虎ノ門へ移動。「ニッショーホール」で、新居昭乃さんのニューアルバム『ツバメ』『Another Planet』のリリースライブです。客席はマスク9割、誰かの咳払いも空気を震わせる緊張感です(4/26記・これを最後に、以降3~5月のイベントチケットは全てキャンセルになりました)。
 1.花の行方 2.月のうまれる夜 3.少年の羽 4.The Tree of Life 5.凍る砂 6.バニラ 7.無言の詩 8.眩光 9.VOICES 10.遥かなロンド 11.In my tears 12.Neverland 13.サンクチュアリ・アリス 14.降るプラチナ 15.Soul of AI 16.氷の城 17.羽はツバメ EC.Stay
 ピアノ・新居昭乃、ハープ・吉野友加、ギター・影山敏彦、バイオリン・藤堂昌彦という編成(吉野氏・影山氏の2人はtico moonというユニット)。2・3のようなレア音源、『ツバメ』収録曲、『ぼく地球』系の人気曲から、新曲(ニューアルバムに入れるには未成熟だったという)7までバラエティに富んだセットリストを、4人の演奏と背景映像(いつものように楽曲毎のイメージを表すCG動画が流れました)とで一つの世界・雰囲気の中に溶かし合わせたという感じ。アーティストの緊張と、客席の緊張とで最初は少し雰囲気が硬かったのですが、いつものようなふんわりとしたMCの効果もあって途中からは会場一体の温かさに(暫くぶりにアーティストのお気に入り6を歌えた・聴けたのが大きかったと思います)。

 虎ノ門のライブなので、その後の飲み会の約束は徒歩圏内の新橋を選択。会場を出てさて歩こうとしたところで携帯に着信があり、誰からかと思えば水森亜土さんでした、「先生、大丈夫?」 3度目のお電話も、前2回と同じ呼びかけから。
 昨年末に吉祥寺「にじ画廊」で亜土ちゃんのお地蔵様の油彩(タイトル「な~む~」)を購入して今は母君のお位牌の横に飾っていることをご報告出来ました。併せて、最近銀座・上野の月例ライブがHPのスケジュールから消えていることをお伺いしたら、今はちょっと体調が優れず活動は絵画(お絵かき)の方に集中しておられるとのこと。「お互い大変だけど、頑張ろうね!」と励まして戴きました。いつかまた、ステージを観に伺いますとお約束。

 オツカル様は「俺の」系列がお好きで、私が「俺の」に行くのは今日が2度目です(1度目はオツカル様とランチでお蕎麦)。新橋「俺のイタリアンJAZZ」、本来は私・オツカル様・がっ様で「TQC18期の鬼才2人のトークを私が味わう」というコンセプトだったのですが、がっ様が脱落で代わりに63回生Eくんが加わり、コンセプトは「古参ヲタから新米アイドル運営への奥義秘伝に私が立ち会う」というものに変更になりました。
 このお店、突き出しは「俺の」系列のパン屋の特製パン、味も良いし宣伝にもなってるし、二重の意味でうまいですね。カブのムース、フォアグラ、マルゲリータ、等々を肴にして、ジャズの生演奏のステージ(ピアノとベースとという編成で、スタンダードから最新のJ-POPまで)を観ながら3人でワインをかぷかぷと。「限定皿残り1枚」の料理を勧められるまま注文したらタッチの差で別のテーブルが注文を通していたので別の料理に変更して持って来た(出来上がった皿を見せられて「良いですか?」と聞かれた)というのは後から3人で「「「駄目だよね?」」」と顔を見合わせた大チョンボだと思いますが(替えの料理自体はお金を払って美味しく戴きました)、他は雰囲気といい味といい料理といい申し分なかったかな(ぎゅうぎゅうに客を入れてるんで、若干狭いですけど)。
 話題はさっき書いた通り、アイドル運営奥義口伝。年季ヲタクにして本業は芸能関係にコネクションを持つオツカル様にEくんは心酔です……けど、オツカル様は私の推しなんですからね!

 「日高屋」という中華屋チェーンには一度も行ったことがなかったんですが、予てからオツカル様が「あそこの『ラ・餃・チャセット』は客の人品への侮辱」と言って憚らないのがずっと気になっていて。人品はともかく胃袋は無限大のEくんを連れて「実験」してみたくなったんですよ。新橋ですから2次会狙いの客引きがいっぱいいて、私にも「お客さん、2軒目はどうですか?」と黒服、だったんですけど「済みません、お店が決まっていて。『日高屋』なんですけど」と言ったら、貧しい生き物を見る目で「だったら反対側、この路地の裏!」と優しく教えて下さいました。
 半ラーメン・半チャーハン・餃子3個のセットで528円(税込み580円)、単品で食べるよりも税込みで20円安い……ってたった20円ぽっちかよ、と一瞬思ったんですけれどもこれはセットが割高なんじゃなくて単品が超絶安いのか。1軒目でがっついてて結構お腹いっぱいだったんで、私は餃子を1個だけもらってビール飲むのが関の山でした。経験としてはありだけど、わざわざここで飲み会をやろうとは思わないかな。

 健康睡眠。