最後の晩餐

 私「自粛するとね、僕、死ぬんですよ」
 H「じゃあ、暫く2人で自粛の練習しましょ!」
 昨日風呂場で逆上せた話をしたらHさん大笑い、明日から暫く夕食をHさんちでご一緒することになりました(職場と買い物と散歩以外の外出をしない、とお互いに約束)。取り敢えず、4/5(日)に「もりき」で予定されていた常連の集まり(4合瓶持ち寄りの会)には、私もHさんも不参加の旨をお伝え。

 7時に学校入りでデスクワーク。福岡県の外出自粛要請は土日だけだったので、今日は高3生は出校して「男く祭」の準備をしています。既に講演の中止が決定、生徒も教員も不安裡に粛々の準備ですが、客を学校内に招ける? ホールは開館する? そも4月からの学校は予定通り始まる? と疑問符だ(ら)け。確実なのは、学校(教室)は端的に「3つの密」で、現状の公の指示は「善きに計らえ」であるということですかね。

 午前中に志村けん死去の速報。職員室驚愕、生徒たちの間にも明らかな動揺が広がっています。昼前にご出勤の或る先生は、ワイドショー速報で近藤春菜が号泣したのにもらい泣きしたと仰ってました。
 職員室のワックス掛けがあるということで昼過ぎに学校を出て自宅に戻り、入浴後に久しぶりにTVのワイドショーを観ました。志村けんなら観なきゃしょうがないと思ったのですが、30分くらいで気分が落ち込んできて脱落してしまいました。

 14時過ぎにタクシーで「ヤマダ電機」へ。志村けんのニュースを観てたらPCを買いに行くのも躊躇われる感覚になりましたが、新年度からの時間割作業にはどうしても新しいPCを購入する必要があります。Amazonだと1ヵ月以上かかるらしく、やっぱりこれは「緊急必要」だと判断。
 デスクトップ型のPCが欲しかったのですが、種々ある機種の中で、店頭に在庫があったのはたった1機種だけでした。店員さん曰く、10への乗り換えで売れ尽くしたところに、中国でコロナが猛威を奮ったのが原因だそう。NEC「PCHA970RAB」……税込み22万。あのね、Excel使えない人間の分際を超え過ぎじゃない? PCに詳しい56回生Oくんに電話したら「まぁ、いけのっちゃんの仕事には不自由ないかなぁ、とは」と完全に苦笑、分際を知れ分際を、という心の声が聞こえてきます。でも、これしかないんですもん。店員さんが勢いよく商品の魅力を伝えて下さるんですけど、「Blu-ray観たり!(観ません) 動画なんかサックサク編集出来たり!(しません)」
 因みに、20万のPCを買ったら1万円分の返還が(商品選択の形で)なされるということで、缶ビールの詰め合わせと今(炎上レベルで)ホットな牛肉盛り合わせとを選びました。牛肉はHさんに差し上げよう。

 「ヤマダ電機」にタクシーを呼び、PCの箱を抱えて(ワックス掛けの終わった)職員室へ。顔なじみの運転手さんだったので色々お話したんですが、「パソコンは仕事用ですか? じゃあ、支給ですか?」と訊かれて胸が。「至急」ですけど「支給」ではありません。PCは箱から出さずに、4月頭に職員室の席替え(学年団ごとのシマに別れた机にそれぞれ移動するお引っ越し)があるので、その後に設置します。
 折角(本日2度目)の出勤なので、1時間ほどデスクワークを。その近くで、管理職(運営委員会)の先生方が集まって「真剣な井戸端会議」をしています。何か事態が動くんでしょうか、動くなら、時間割の仕事は倍倍で増えていきますね。取り敢えず、明日の生徒(「男く祭」準備・部活など)の出校は全面的に禁止になる様子。

 帰宅後、夜の約束まで少し時間があったので、お茶を飲みながら『ゲゲゲの鬼太郎』最終話を観ました。砂かけ婆のファンなので、ハッキング無双のシーンと一反木綿への「色惚け褌」というツッコミの迫力とで大満足。「けんかはよせ腹がへるぞ」をねずみ男に言わせていましたが、これは「日常性の維持」に次ぐ座右ですね。第5期は田の中勇も苦言のレベルでしたが、今回の第6期は良かった(個人的には、2期を果敢且つ丁寧にリスペクト出来ていたのに拍手)。
 因みに、最終話のタイトルは「見えてる世界が全てじゃない」。第1話と首尾照応させているこの言葉を最終話に持ってきたのも水木翁への誠実でしょう。見えないけれど、居る。不在の他者とのコミュニケーションという人間の本質は国語科の教員として常に生徒に伝えていきたいことですが、それを幼い私に刷り込んで下さったのが水木翁だったことを改めて思い出します。

 夜は、事務嬢さんと居酒屋「D」で晩餐。67回生我らB組Kくん(春から京大生)のお母様から頂戴したワインを持ち込んで、この晩餐が自粛解除前「最後の晩餐」になることをお伝えしました。昨日風呂場で倒れたこともありますし、1軒で健康的に解散、健康睡眠。