それは……… それは まあ、いいじゃないの

 春から研修医になる63回生のKくんから本の紹介を頼まれました。曰く、兄と話していて自分の教養の無さを痛感したのがきっかけだとのこと(お兄さんもF校生ですからねぇ)。と言われましても、数冊読んだらはい教養! ってのも何だかですので、取り敢えず教養のある医師が書いた本を選ぼうと、小堀鴎一郎『死を生きた人びと』・南木佳司『急な青空』・加藤周一『羊の歌』をAmazonで注文してお届け先をKくんのご自宅に。で、内田樹『ためらいの倫理学』も贈ろうかな、と検索したら。
 小堀さんと内田さんの本が品切れで中古が高騰しています。絶版でもないのに何故だろう(結局、内田さんのだけ本は書店での購入を勧めました)……と思ったら、Amazonは現在生活物資優先で不要不急のものに関しては品切れが増えているとのこと。61回生Hくんに教えてもらったんですけど、私こそ「教養」が無いじゃん、と。

 今回の休校中も、とある高2生にお節介でオススメの本2冊を差し上げたんですけれども、贈った後で山田詠美『色彩の息子』は大丈夫だったかな、とちょっと心配になったり(ほんのちょっとだけですが)。
 高2の生徒に堀辰雄「燃ゆる頬」を配布したら学級日誌に「池ノ都先生が配ったゲイ小説が面白かった」と書かれて担任の先生に呼び出されたり、中1の生徒に筒井康隆の短編を配ったら「腐れはまぐり」って何ですか? と聞かれたり、時々お生徒さんの「おピュア」にドキッとさせられることがありますからねぇ(2つとも、男子校時代の話ですが)。

 未明に起床、書斎で仕事と書き物と。通常出勤で職員会議の後、高3の課外授業(休校が前倒しに解除された場合の時間割)の4パターンを完成させました。
 その職員会議にて。授業配信の一例として、高1主任の同窓数学が黒板の前で問題の解説をする動画が紹介されたのですが、それぞれの先生がご自分のiPadで動画を再生なさり、職員室の色々なところから数学の声が流れ出した瞬間「わぁ!」とか「きゃあ!」とか各所で悲鳴が上がり、数学も「そんな見ないで下さいね後で直ぐ削除しますから」と恥ずかしそうだし、私に至っては恥ずかしくて消音再生すら出来ませんでした。オンライン授業とか、本当にやるの……?

 16時に退勤、予約していた美容院「G」を、いつ以来か判らないほど久しぶりに訪問。3月に行きそびれたら、それ以降は訪問に勇気が要りました。ここは店長のKさんの完全ワンオペ予約制で、仮に何か(まぁ、要するに感染ですけど)があったとしても経路が追いやすいだろうと自分に言い聞かせて訪問。職場の同僚・Hさん以外の他人と、30分以上長く話したのは、恐らく1ヶ月以上ぶりのこと。Gさんのご子息お二人(小学生)は、休校引きこもりの生活のストレスで毎日喧嘩ばかり、先日初めてGさんが釣りに連れて行ったら、帰り際にお二人が「そう言えば、オレたち今日は喧嘩してないねぇ」「あ、ほんとだねぇ」としみじみ不思議そうに話していたそうです。お二人の登校日は大事を取って(感染を避けて)欠席させたというGさんから9月入学について賛否を聞かれたのですが、どうやらGさんは「あり寄りのあり」とお考えの様子だったので、国家及び凡ての家庭に予算が潤沢にあって且つ教員の数をどんどん増やせるなら可能なのではないでしょうか、とお答えしました。

 5/8の「自粛御膳」。
 山菜昆布蕎麦・海鮮納豆和え・野菜サラダ・小鉢4種。
 日本酒は兵庫「京美人」の山廃純米原酒。