わたりの廊下、で 極楽まくらおとしの図

 本日から博多の某ホテルに2泊3日。割引だとか何とかだとかは知ったこっちゃありませんが、予約困難な飲み屋が予約できてしまった以上、私は行かねばならぬのです(例え卒業生・サークル後輩との同席が不可能になったとしても!)。特に今夜の店は初訪問なので、今後卒業生を連れて行けるかどうかをしっかり見定めなければなりません。
 早朝起床、入浴。自宅近くのコンビニで、旅行に必要な細々としたものや、母君にお供えするパンと野菜ジュースとを購入(48時間留守にするので、御飯と湯茶ではなくパンと紙パックのジュースとをお供えします。親不孝!)。

 2日分の着替えと数冊の本などを入れたバッグを携え、先ずは7時過ぎの職員室に入り、授業準備や漢字小テスト採点などのデスクワークを3時間ほど。
 10時に職員室を出てタクシーでJRのK駅へ、そこから新幹線に20分弱乗っていればもう博多に到着するのですから楽な移動です。因みに、新幹線、ガラガラでした(自由席、車両の中に20人乗ってたかなぁ)。

 11時、博多駅ナカ「やま中」にてお任せ握りと茶碗蒸しとのランチ。5分前に到着したら既に並んでいる人が3組。独り客は私だけだったので、開店と同時にカウンターに座らされ(他の客は全員テーブル席)、45分かけて食べ終わるまで、全席「予約席」の札が置かれたカウンターには誰も来ませんでした。一人でゆっくりと職人さんの手つきを眺めながら食べられてちょっと贅沢な気分。
 お寿司は、目の前に置かれた白いガラス皿に出来た順に置かれていきます。値段が張るだけあって美味しかったのですが、途中、柑橘がたっぷり搾られたネタが置かれた「跡地」に新しいお寿司が置かれたのでそちらにも柑橘の味が移って暫くキツかったです(お寿司の柑橘、正直好きではないので)。

 食後は、食事をしたフロアの一つ下、駅ビル8階にある「MARUZEN」の店内を逍遙して背表紙読書。13時過ぎまでぶらぶらして、購入したのは全部で10冊、17000円。天神「ジュンク堂」と異なり棚の配置が全く記憶できていないので、買いそびれた本がたくさんあるはず(東京に行きたい!)。そう言えば、珍しく漫画を1冊も買いませんでした。
 ホテルは博多駅博多口から徒歩3分の所にあり、14時のチェックインまでは近くのスタバでアイスティーを飲んで過ごしました。

 博多でホテルに泊まるのは記憶にある限り人生で初めてのことで、駅徒歩3分の新しいホテルに1泊5000円ちょっとで泊まれるというのはやはりコロナの影響なのでしょうね。消毒その他が徹底されているのはコロナ対策(チェックイン時には体温を測られました)、連泊の部屋の清掃を特別にお願いしない限り行わない(タオル交換とゴミ箱を空にするのとだけを行う)というのはエコの観点からだそうです。ベッドのシーツ交換もありませんが、ダブルベッドで枕は4つも置いてあったからあまり気にならないですね。ウェルカムドリンク(?)のミネラルウォーター2本は直ぐに冷蔵庫に入れました(夜中に目が覚めた時に飲みます)。

 雨予報で観光は出来ないと思っていたのですが、昼過ぎからは陽が照ってきたので、街歩き程度なら許されるかな、とホテルを出てのこのこ。流石にキャナルシティのように人が多い(であろう)所は避けますが、神社仏閣なら人が少ないんじゃないだろうかと、初訪問の櫛田神社へ。
 巨大な山笠が奉納されているのを写真に。境内に居る観光客・参拝客は20人程度でしょうか(全員日本人で、2組は関西弁でした)。手水の柄杓や参拝用の鈴は取り払われており、ここでもコロナ対策に余念無し。お詣りした後に、もうすぐ産休の体育先生に安産のお守りを購入。
 櫛田神社の直ぐ隣にあった博多土産物屋にも。先日、母君のお位牌の敷物が(線香が倒れて)焦げてしまったのですが、それの代わりになりそうな丁度良い博多織の敷物があったので購入。同じく博多織で作られた印鑑入れも自分用に買いました。あと、アマビエがデザインされた木の栞が売っていたので、これは某先生へのお守り代わりに。

 神社から寺へ、一本道を3分も歩けば東長寺。ここも初訪問なのですが、噂によれば福岡県でいちばん大きなその名も「福岡大仏」なるものがあると……結構でけぇ。優に10mは超えている木造座像、これはご立派で50円だけ払えば観られるというのは実は有難いことなのではないでしょうか。実際、30分くらい滞在した間に大仏堂には20人程の来訪客が訪れ、隠れ人気スポットっぷりが覗えました。
 因みに、大仏の台座内にはK市の成田山と同様、「地獄極楽巡り」と題された通路が。入ってみると、K市のものよりはややチープな地獄絵が並び(テープで解説が流れ)、そこを抜けると完全な暗闇になった細い通路が暫く続きます(これが結構怖くて、頼りになるのは左手で握った手すりだけ。閉所・暗所が苦手な人は絶対に無理ですね)。通路を抜けたところが極楽浄土、短い旅ですけれども(特に暗闇が)印象に残るものでした。

 ホテルに戻って入浴、その後でゆっくりと歩きながら本日の夜のお店へ向かいます。目的地は住吉にある居酒屋「G」。予て念願、満を持して初、果たして完璧なお店でした。一緒に行くはずだった63回生のIくん・Mくんという法学徒・医学徒コンビは勿体ないチャンスを逃したなぁ(卒業生は勿論ですが、むしろここは大人の人、事務嬢さんや中学教頭体育先生など、をご案内して差し上げたい店かな)。カウンター6席、4人掛けテーブル1卓の店は予約困難、キャパの小ささもありますがあのクオリティの料理が食べられるんだったらもう少し大箱でも連日満席なんじゃないかねぇ(お店は、大将とお運びの女性2人で回しています)。天神・博多エリアの店では明日行く「T」に並ぶか(使い方によっては)勝るかというところ。
 1品目の出汁春菊の出汁を一口啜った瞬間に「旨っ!」と声が出て、その後は料理・酒の注文が止まることがありません。料理の1品が小さめだったこともあり、気づけば11品の注文をしていました(40絡みの注文の仕方ではないですね)。順番に、出汁春菊、鮪食べ比べ、甘エビ昆布〆、赤ムツ炙り刺し、白センマイ刺し、煮鮹、季節野菜のお浸し、おろし納豆、卵焼き、蒲鉾ステーキ、オイルサーディン缶詰。
 瓶ビールはハートランド(事務嬢さんが驚喜しますね)。その後はお任せで冷酒を持ってきて貰いましたが、最初の3杯が福岡「白糸」~香川「悦 凱陣」~長崎「福田」と全て「日本酒チャレンジ」経験済みだったので流石に新しいのは無いかなぁと弱気になったら、その後で群馬「群馬泉」(淡緑 純米吟醸)~岩手「酔右衛門」(夏ぎんが 純米吟醸 無濾過生原酒)~福岡「旭菊」(大地 特別純米)、と未経験3連打でテンション爆上がり(最後の「旭菊」はK市のお酒ですね)。

 気づけば足が取られるくらい飲んでて、流石に帰りはタクシーでホテルまで。これは今年中に誰かと絶対に行く。夏に行く秋に行く冬にも行く。いや~、こんな良い店が知れたなんて、今日は素晴らしい一日でした。
 ベッドに入った記憶は無いですけど。