旅路のはての 長崎は 旅路のはての 長崎は

 昨日のHさんちのホムパ、用意されてた日本酒が好きすぎるやつばっかだったのが悪い。「光栄菊」に「松浦一」、私が持ち込んだ「亜麻猫」、そら飲み過ぎる訳でして。
 起きたら7時、別に旅行に間に合わないという訳ではありませんが普通ならこんな遅い時間に目が覚めることはないぞ、と反省の起床。入浴後に旅行鞄に服とCDと本とを詰め込みます。普段ならシェーバーも持って行きますが、まだ買ったばかりですし充電器(兼、洗浄乾燥機)に刺しているのを裸で取り出して持ち運ぶのが良いかどうか判らなかったので今回はパス、ホテルアメニティのひげ剃りを使いましょう。コンビニで母君のお供え(パンと野菜ジュースと)を購入してお線香を上げ、10時半にタクシーで自宅からJRのK駅へ。

 長崎に1泊2日の旅行。K市から長崎に行くには県境を2回越える(福岡~佐賀~長崎)のでやや倫理的引け目。乗り換えの鳥栖駅ホームは閑散、「中央軒」でかしわうどん(かしわ増量、440円)を立ち食い。駅弁購入と迷ったのですが、初体験をするだけの時間的余裕があったので(店のおばさんに「うどんってどのくらいの時間で出来るんですか?」と伺ったら、「そんなん、1分もかかりませんよ」って)。
 鳥栖駅から乗り換えた特急「かもめ」の指定席は7割弱の人、車内は静寂の極みです。1時間半の車内ではずっと、米津玄師のベストアルバムみたいなニューアルバムを(歌詞カードをガン見しながら)聴いていました。後半より前半の濃度が濃いのは間違いないですが、出だしから最後まで全くテンションが落ちない「TPV状態」(MINMI「The Prefect Vision」状態)を保った作品です。凄い。

 長崎駅着の後は、最初にまっぴぃのご実家であるところの酒屋「吉田酒店」に徒歩10分で。もう10年以上前に寄せて貰った時と、店の前が様変わりしていて全然たどり着けませんでした。店横に「ドーミーイン」が建ってるし、商店街みたいなのは無くなってるし、最初は「移転? 移転したの?」と疑ったくらいです。
 名物の角打ちはコロナの影響で開店休業、お父様もお母様もやや元気が無い状態だと仰っていましたが、私が滞在した約10分の間にも2人のお客様がお出ででしたのでなんの、と。ここでは、事務嬢さんやHさんや「もりき」さんや、初盆でお世話になる「S寺」の和尚さんへのお土産を購入してクール便手続きを。まっぴぃが事前に連絡を入れてくれていたおかげでやりとりもスムーズでした。ただ、正直県外からの客は心理的には余り愉快なものではないでしょうから、ご挨拶と用件とだけを済ませたら速やかに退店するのが礼儀だな、と判断。

 その後、駅ビルの書店でマンガ本2冊だけを購入し、喫茶店「ウミノ」で食べる系のミルクセーキを初体験しました(美味)。ソファの座り心地の良さとミルクセーキのボリュームとのせいで1時間以上滞在してしまい、長崎くんだりまで来て何をという状態。
 その後、タクシーで長崎駅(そう言えば、駅も大規模改修中)から銅座(電停で言えば「観光通」あたり)に移動し、予約していたホテルにチェックインしました。今夜の居酒屋はホテル徒歩1分、新地中華街も徒歩3分という立地です。入浴後、今年の「男く祭」のTシャツに着替えてからホテルを出発。

 原爆資料館平和公園
 夕食の約束は(相手が大学生なのを考慮して)17時半からと早めの予約を入れていたので、資料館と公園との散策の時間は1時間半程度しかありません。昨日までは人波だったでしょうが今日は空いているだろうという読みはピタリで、16時の資料館は人がまばら(15組程度かな、ヨーロッパの方も2組)。ほぼ全ての場所で写真撮影が可能でたくさん撮したのですが、流石に共有が難しい(躊躇われる)ものが多いですね。
 資料館から平和公園までの距離が意外に長い(徒歩10分くらい)のは計算外で、ほぼ歩くだけ、平和の像も1分ちょっと見たら直ぐに待ち合わせの時間になってしまいまして(待ち合わせを平和公園の中に設定していたのです)。というか、平和の像、想像よりずっと大きくてずっとずっとマッチョだった(何か、深見東州みたいだな、と思った)んですけど、これで平和って感じられるの? と思うのは差別的なんでしょうかね。

 平和公園を待ち合わせ場所にしたのは私の観光の都合もありますが、待ち合わせの相手であるところの67回生我らB組Aくん(長医1年)が平和公園側に住んでいるというのも理由のひとつ。Aくんは4月の早い段階のお生まれですので既に立派な成人二十歳、居酒屋に誘ってもOKなのです……という理由で声をかけた訳では無いんですけれども、Aくん(っつか、普段はAちゃんって呼んでるんですが)曰く「誘ってもらえて嬉しいんですけど、自分に声がかかるとは思ってませんでした」と。何故と聞くと、在学中から担任(←ワシ)の覚えめでたい人とそんなに覚えめでたくない人とが居て誘われるのは覚えめでたい人で自分はそんなに覚えめでたくない人の側だと思っていたから、というお返事。長い。でもって、覚えめでたさの有りや無しやをそんなにはっきり両断させていた積もりはないし(生徒が凄まじい性能のカウンターを持っているというのは知ってますが)、っつか僕、Aくんに対しては割と積極的に好感持ってますけど、というとアレなんで適当にごまかしてごにょごにょ。
 平和公園からバスで長崎駅長崎駅からタクシーで銅座(観光通)。

 銅座「五人百姓」は、まだコロナが爆発する前、今年のF中・F高入試業務の打ち上げで中学教頭体育先生と長崎を旅行した時に夕食に選んだ居酒屋。まぁ刺身に鯨に長崎名物に、出てくる料理がどれもこれも旨いこと、体育先生の店選びの直観は外れることがないですね。で、私の直観は外れることがあるので、今回は冒険せずにその「五人百姓」に2度目の入店。ここを選んだのは、2人で並んで座れるカウンター席があるからというのも理由のひとつです。
 Aくんとの食事については、事前にご家族の許可を得ていますし、座席はカウンター横並び限定ですし、とまぁご時世柄色々。

 料理は鯨盛り合わせ、レモンステーキ、陸蓮根天麩羅、焼き茄子、等々。最初に「男前ジョッキ」(ビール1リットル)を注文したら、そんなにお酒に強くないAくんは目を丸くしていました。「お酒強いって良いですよねぇ」というAくんですが、僕はチェイサーを置いてゆっくりカシスオレンジを飲んでいるAくんの方が「良い」と思います。「男前ジョッキ」から日本酒「杵の川」冷酒から芋焼酎五島灘」水割りへと流れていく不惑四十、こいつの財布と肝臓とは常に悲鳴を上げています。飲兵衛への道は不可逆なのよ。

 4月と5月とは学食利用の為だけに大学に通っていたというAくん、一部実習(対面授業)や部活(サッカー)は解禁になったものの、多くの授業はまだまだオンラインで、学友との交友も多くはなく(お酒に強くなるきっかけもありません)、なかなか大学生活満喫とは行かないとのこと。それでも、F校から長大に進んだ同期や先輩後輩は少なくないので、その関係や部活動やを通じたネットワークは活かせている様子。因みに、今日見せたげようと思って着て行った「男く祭」TシャツをAくんは「めちゃめちゃ格好いい!」と絶賛してお出ででした。

 生活の不安や悩みも色々。「自分はそんなに覚えめでたくない人の側だと思っていた」というAくんには自信過少と遠慮癖とがあるんですけれども(ある種、人間の美徳かも知れません)、この先、医学(部)の勉強に手応えを感じるにつけそういった部分も払拭されていくんじゃないでしょうか。
 新地中華街でちゃんぽんを食べるところまでが長崎。開始時刻が早かったので、そこまでやって解散しても、21時にはホテルに帰り着きました。健康的。