まだしも旧人の方が、試みようとする動きが見えるほどではなかろうか。

 鵜飼哲夫『芥川賞の謎を解く 全選評完全読破』読了、★★★★。面白いのはやはり作家が「文士」と呼ばれた時代のエピソードで、「もう言うことはない。俺はもう戦死した」「戦死した者がしゃべれるか!」という永井龍男の激怒が、「文学は多数決じゃないのよ」という河野多惠子の気迫が、共に選評回の司会者を震え上がらせたというのにはこっちまで震えそうになり。

 前述の本の中では、「情報の氾濫は確実に人間の想像力を奪う」という石原慎太郎の危機感が書かれていましたけれども、そちら世界の発展というのは、どうなんでしょうね。自分がそんなブログなんてやってて棚上げてんじゃねーよって言われそうですけども、(一部)生徒たちの現実の会話の中に「淫夢厨」的なスラングだとか「ネトウヨ」系の発言だとかが出てきてるのを見ると、「オンラインで止めときゃいいのに、何で三次元に液だれ起こすかね」という至極普通の感想が浮かぶ程度には「遅れてる」人間ではあります。
 でもって、今年に入って我らがA組の2人にメールの「おなしゃす」禁止令を出したように、自分のクラスの生徒だったら基本的に許しません。

 昨日は卒業生と長めのお喋りをした後で、少しだけ京大特講の添削を行っていたので(40%の進捗)、本日5時入りの職員室で添削の残りは2時間ちょっとで終了。授業準備その他デスクワーク。「合格体験記」は表紙・巻頭言まで含め全ての校正が終わり、いよいよ完成を待つばかりです(200頁超の大作!)。
 授業は2・4限が高3現代文。これは定期試験を返却した後、「丸ごと過去問」と題してある年度の評論・小説を40分間で解かせる形式(マークシートを回収して採点し、点数と順位とを知らせます)。40分の生徒解答中は、私は教室前方で別の仕事をする、というちょっとイケナイ授業(ですけれども、この40分解答っていう経験が数回以上必要なのも本当なのです。ゆるちて)。空いている時間は卒業生の答案添削、中3漢文定期の採点等。
 5・6限は東大理系現代文特講、02年の村上陽一郎。7・8限は京大理系現代文特講、7限解答(@3S教室)、8限解説(@3S教室)。8・9限は京大文系現代文特講義、8限解答(@3A教室)、9限解説(@3S教室)。京大特講(2日連続! 本日は下村寅太郎)は、文系・理系の時間のズレから、完全に文理別になってしまいました。ですので、文系の人には解答教室と解説教室とを別にして動いて貰い、8限に理系への解説で使った黒板を使って9限の解説を行う、という流れに。

 さっすがに9限の解説の後は困憊! 職員室の体重計に乗ったら、高校卒業以来体重が最低のラインに来てしまってました。そう言えば、暇が無いっていう理由で今日も朝からお菓子2つ(昨日の57回生N嬢たちが持ってきてくれた「東京ばな奈」など)を口にしただけでしたもんね。
 と、反省して「もりき」ではパスタを作ってもらってどか食い。110グラムの麺でしょ、タマネギだけで半玉みたいな大量の野菜でしょ、具材は牡蠣のオイル漬けその他魚介でしょ、でホテルのバイキングか! っつーくらいでかい皿に乗っかったのをもりもりと貪る。パスタに合う日本酒なんてあるのか、っつったらこれがあるから凄いんだなぁ、「来福」の「MELLOW」はちょっと前にも書きましたけれどもひっさびさのヒット。