熊本 理由のいらない楽しさ

 2時起床で入浴、3時から家の書斎で添削(水曜日のテスト会の添削の仕上げです)。5時に着くように徒歩で学校に移動して添削の続き、をしていたら6時に職員室にお出でになったのは2人目の教員……ではなくて高3某女子。職員全員の机に一袋ずつ、お菓子とクロワッサン、そしてなぜかレトルトの味噌汁が入ったバレンタインの贈り物を置いておられる。「6時に配るのは正体がばれないよう?」と伺ったら「怒られるかな、と思って」とのお答えでそれならこれは2月のサンタクロース。それで「高3なら勉強しろ!」と怒る無粋はウチには居ません。ご丁寧に袋の中には一つずつ手書きのメッセージで「パンは今日中にお召し上がりください」

 テスト会の添削は7時30分に終了。始業後は、午前中に63回生浪人組の慶應大学小論文添削(文学部3人で、これは昼休みに学校近くの郵便局から速達で東京のホテルに)、午後は現役生が提出している各大学の過去問添削。
 久大の数学科にAO入試で合格の63回生Hくんがご挨拶(凱旋帰校?)。で、曰く、「面接は本当に緊張したので、前に先生との面談で言われた通りに、ドアの前で『コント・面談』って言ってから入りました」と。マジかよ。Hくんからは、お爺様の手作りだという耳かき(煤竹で作ったもの)をお土産に頂きました。咄嗟のこと(直後に会議が)でお礼ができなかったので、後日何かお送りしよう(受験期は読書が出来なかったという言、やっぱり本ですかね)。

 受験の中心科目だもんだから添削が怒濤のように出て来て、目が痛い手が痛い首が痛いというその痛さにお互い歳を感じるよねぇ、の同窓同僚先生(数学)と、17時。
 国語「数学くん、数学くん」
 数学「?」
 国語「同じ高3担当のあなたがそのように熱心に添削をやっているのに引き比べたら大変恥ずかしいのですが、私、これから大切なお友達と夜遊びをするという理由で、定時に帰らせて頂きたく」
 数学「あ、そう……500円さん?」
 国語「はい。熊本帰省のついでにK市にお立ち寄りくださるということで」

 オツカル様はF校とは縁もゆかりもなく、F校の職員室に彼と会ったことがある人もいないのですが、私が数々の面白エピソードを喋りまくってるもんだから、とあるエピソードからついた「500円」というあだ名で(職場で特に仲のいい面面には)通っているのです。
 と言うわけで、定時に職場を出て西鉄K駅、大牟田線でお越しのオツカル様を駅でお出迎えした後、バスで「もりき」に。大学時代はかけうどんのネギも「毒」と仰っていた逆ベジタリアン、35にもなったら流石に多少の付き合いは出来るようになっている、「というニュアンスマスターに好き嫌いを伝えてるけど、間違いない?」「それで大体あってる」「でも、鴨の焼きについてる長ネギは?」「豚の餌でしょ」「分かった、じゃあ僕が全部食べるわ」

 「もりき」で注文は鴨のコース。鴨刺し・鴨焼き・つみれ鍋。本来ならお通しは鴨葱なんですけれども恐らくマスターが葱はやめるよう気を遣ってくださったようで今日はだし巻きと棒々鶏棒々鶏は、私の方にだけ刻み葱がかかっている気遣いで流石のオツカル様も苦笑。でも、先日お店でお目にかかった鴨撃ちのまたぎさんに「金曜は宜しくお願いします」と仁義を切っておいたのが効いたのか、今日の鴨刺しは滅多に入らないレバー・砂ずり・ハツが全部入ってて感動。焼きもつみれ鍋も、様に「おいちぃ」と喜んで頂けて何より。有明海の海鴨なんですけれども、地元民でもそうは食べられるものではないのです、多分。
 様から「最近、またtweetが『教師・然!』としてるよね」とからかわれて最高。「添削忙殺で心が折れそうな時にですね、自分は教師なんだ! と奮い立たせるために投稿してるような。イメクラみたいなもんだと思ってくれ」とお答えしたらちょっと笑って貰えて最高。

 2軒目は、タクシーに乗って文化街、数日前にも訪れたライブバーの「A」に。他のお客さんの前で歌うのには抵抗がないはず、と踏んだらドンピシャ。いつものカラオケの番外編です。但し、他の人の目(耳)がありますので、選曲はマイナーに走らず。二人で「また逢う日まで」を歌ったり。私は他に、工藤静香「嵐の素顔」とか、久保田早紀「異邦人」とか。
 次の日が仕事なので終電まで、という訳にはいかず(2時起きの身体が「ちょっとそろそろ……」とアラームを鳴らし始めましたし)。残念ではありますが、まぁ2月末には今度は東京でランチ&カラオケの約束があるからいいのです。と言うわけで、アンコール(?)はK市名物の〆ラーメン。ダブルコールで行こうとした餃子名店「G」は既に閉まってて残念でした、という所で様とはお別れして帰宅、超幸せな睡眠。