いけない人では なかったわ ブルーギター

 さて、昨日12日の東京芸大を以て前期試験の合格発表は全て終了。書き忘れていましたが、現役生が一人、芸大生になります。凄いですね。昨日と今日とが後期試験で、高3に関してはその合格発表まで祈り続けることが唯一の仕事です。
 私の本日の仕事はデスクワーク。午前中にとある行事の資料を作り、午後は新高1の課題テスト(中3最後の授業を範囲とする漢文の問題)を作るつもり。

 ……で、終日デスクワークのつもりだったこの勘違いはどこから来たんだろう、と我が頭の抜けっぷりに困惑しきりの12時。
 午前中の行事資料作成を恙なく修了させた後、新高1の漢文課題テストは既に(ず~っと前に)作って印刷に回していたことに気づいたのですね。完っっっ全に忘れてました。前倒ししすぎた仕事についてそれをしたことを忘れる、ってのは3度目かな。小人さんと呼ぶには183cmの私はデカ過ぎるぞ、と職員室のゴミ箱清掃。

 仕事がないので、昼過ぎには学校を出ます。天神に出てジュンク堂に行くか、喫茶店で読書をするか、それとも……映画を観るか。
 2番目と3番目との選択肢を選ぶことにして、先ずは西鉄K駅のミスドで読書。その後、20分歩いて市内のシネコン、選んだ映画は『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』です。ギガゾンビの逆襲。

 レスキューボトルが破壊されるシーンは気持ち悪かったなぁとか、そうだそうだドラが1世紀負けてたんだったとか旧作を思い出したり、あれドラミちゃん出てたっけ? と旧作の記憶に自信がなくなったり、映画自体は楽しく鑑賞できたんじゃないか、と。しかし、独りで観終わった後で明るくなった場内の臨席にお嬢様方を連れた先輩体育先生がおられた恥ずかしさで映画の記憶がほぼ吹っ飛びました。
 「旧作も新作も独りで観ました」と話す私を前に、礼儀作法第一剣道先生ったらお嬢様方に「ほら、先生に挨拶は?」って残酷。「こんにちは」の少女たちの上目遣いが口ほどに「どうしてオジサンは大人なのに独りで『ドラえもん』を観るの?」と言い。それはね、ドラえもんひみつ道具「小人ばこ」の中の小人ロボットがいつの間にか新高1の課題テストを作ってくれていたからなんだよ、と183cmの小人のお気遣いに涙。

 徒歩5分、血痰ネーミングショッピングモール「You Meタウン」に移動して、書店で数冊の本を購入。の後、人生初「コメダ珈琲」。珈琲を頼んだら豆菓子がついてきました。愛知っぽい。
 これは(京都大学を想定した)校内模試文系専用問題に本文が使えるので書名内緒、とある詩人の随想集を読了、★★★★★。他に、峰なゆか『女くどき飯』読了、★★★(こっちは盗作「された」方の作品ですね)。池辺葵『プリンセス・メゾン(2)』読了、★★★★★。

 夜は連続の「もりき」でアナゴ白焼きと湯豆腐と。20時から21時の間の時間指定で宅急便が届くので、1時間程度でそそくさと退散。

 で、自宅で宅急便を待つ間に久しぶりに、とテレビをつけたら明石家さんまと東大生40人とがトークバトル、みたいなドンピシャの番組。これは数少ない自慢ですけど、チャンネル運が良いんです。というわけで、途中からですが全て視聴。
 その中で、公立最下層元偏差値30東大版ビリギャルキャラの男子が「教師からお前には無理と決めつけられて燃えた(大意)」との言に続けて「中高の教師なんて東大卒でもない中間層で、中間層が中間層を再生産しているだけ(大意)」と。サンプルが自分の体験だけだというのは可愛いけれども、教師論としては概ね間違っちゃないよなぁ、と東大卒のお先生も思わず微苦笑。これは脱線ですが、以前TwitterのTLで「教育に関して個人の体験を過剰に一般化して語りたがるやつ何なの?(大意)」的な批判を見たことがありますが、個人の体験に根ざしてない一般的意見なんて大抵ロクなもんじゃないよ、とこれまた個人の経験に根ざして(笑) エビデンスゾンビ・データゾンビは今年の東大現代文の教えに従ってスルー。
 閑話休題(に「それはさておき」というルビが振ってあると昭和ですね)、番組でいちばん印象に残ったのは明石家さんまの格好良さ。ある東大生がさんまちゃんの切り返しの巧さを「清少納言」に譬えたのに大爆笑した後で曰く「仕事やから。お前らが頭良いのと一緒や(大意)」と。この発言はもの凄く格好いいし、そして何より出演した40人に対する最大限の労りが感じられてとても好感を持ちました。こういうことをサラッと言える大人になりたかった。
 追記。教養学部生のインタビューが赤門前にて行われている番組作りにどの程度のバイアスがかかっているのかは知りませんけれども、この40人が「東大生珍しい・面白い・気持ち悪い」という世間の様々な反応を期待して集められているのだろうことを踏まえた上で、私の目には彼らがどこか変わった人たちだという風には(額面通りの意味で)「全然」思えなかったこと、こういうのって職業病なんでしょうかね。