わざわざこいつを連れてきたのは だれだ

 未明の書斎で東大文系特講(宇野邦一『反歴史論』)の添削を終わらせたのですが、少なくない人数(そうですね、全体の2割程度)が、第五問「それらとともにあることの喜びであり、苦しみで、重さなのである」(傍線部)の120字記述で「重さ」を未来(における歴史)を創造することへの責任の重さだということを理解して書いてきたことに驚かされました。これは、どこだとは言いませんが予備校の解答速報でも書き飛ばしたところがある内容で、これまで高3現代文を担当した58回生・63回生・64回生のいずれの学年でも書いて2人、3人だったことを思えば高い理解力なんじゃないかと思います(初めて高3現代文を担当した56回生は本番でこの問題と出会ったんですからこれはもう不運な事故)。あるお生徒さんに至っては「重責」なんて言葉をさらっと使ってて「あっ!」と声を出しそうになりました。

 本日、4限の文系二次対策授業以外は授業無し(放課後に東大理系特講はあり)。ですんで午前中はたまってる添削を一気にやるぞと腕をまくったんですが、最初に開いた小論文添削の課題文が曾野綾子でげんなり(お生徒さんは悪くありません)。おい某大医学部、医者の卵に倫理観問いたいなら先ず題材を選べや、と。添削、やりますよ。やりますけどね。
 第3回校内模試の問題が到着。私は今年度初の出題です。就職して15年目ですが、未だに自分の問題が冊子になったのを見るとじんわりと嬉しくなります。以前Twitterで「模試は本試の二次創作、予備校はコミケ(大意)」というネタを見たことがありますが、作り手である私にとっても感覚は同じです。同人作家さんも、こんな気分になるのかなぁ(作家舐めんなレベルの甘い認識?)。

 3限の時間で自宅往復で母君の昼食を提供、4限に授業、5・6限でデスクワーク。
 ちょっと驚いたのが、明後日(6日)土曜の休校(台風25号)が早々に決まったこと。当日6時(メール・HP)発表の原則はどないしたんじゃ7月に決まったばっかりやろがいという話ですが、土曜の中体連が中止になって来週水曜日に延期になったとか、延期になったその日が定期テストの初日だとか、それに伴う時間割変更は明日金曜の分から手を入れないと定期テストが成立しなくなるとか、なんだか色々な理由があるみたいです。昼過ぎに休校が決定しそれに伴う5日(金)以降来週いっぱいの時間割変更を2時間以内に行わなければならなくなった(帰りのSHRで生徒に連絡するため)時間割先生は頭を抱えておられます。あまりといえばあんまりな事態で、高3の時間割変更(パズルをちゃちゃっとやって、当該の先生に根回しをする)を頼まれた分は快諾。その高3の分だけで30分弱はかかった(パズルはそうでもないけれども根回しが大変なんです)と言ったら、中高6学年分でそれをやる仕事量がお分かりになるかと思います。天災だから、誰のせいでもないですしね。

 放課後は理系の東大現代文特講で教材は昨日と同じく08年の宇野邦一『反歴史論』。昨日の文系は当初予定60分の解答時間を最終的に75分に引き延ばしたんですが、今日はもう最初から75分の時間を指定しました。昨日同様、聴講生難渋。
 明日は母君の「S」病院月一検診の介添で朝に年休を取るので、添削の返却は帰りのSHRになります(添削自体は朝までに終わらせたいところですが)。帰宅後に母君に夕食を供して、書斎で10%ぶんだけ添削。パラパラと答案を見た感じでは、恐らく文系より少しだけ平均点が下がるだろうという予想。文系は平均5割強でした。恐らく理系は5割弱でしょう。

 肉料理「I」で独酌。月替わりのメニューが新しくなってからは初訪問で、秋茄子天麩羅の田楽、牛すじ煮込みのどちらも美味、調子に乗ってカルビクッパまで注文のデブ活。
 西原理恵子・佐藤勝『とりあたま炎上 忖度無用のチキンレース!編』読了、★★★。佐藤勝の文章の「思う」連打が気になってしまう職業病。