ヨーソロー 進路は東へ

 医学部「志望理由書」添削は、一度の往復で済む人も多いですが、そうはならない生徒も居ます。今はそれを3人抱えていて、1人は内容が(昨日の日記に書いた「テンプレ」から逸脱する)面白いものでよく練り直すだけの価値がある文章。最初に書いてきた時にどこがどう読みにくくてどういう方向で書き直す算段をつけたらいいかを詳しく話したら、聞いている彼の目に涙が溢れてきたので焦りました。真面目なんですね。残る2人はテンプレにしてもこれはちょっとというやつで(多分、本人も判ってて「まぁいいか」と持ってきた感じ)、こちらはダメ出しすらせずに草稿を私が目の前で圧縮要約(中身を一切変えずに字数を削ること)して1/3にして、「残りの2/3を自分の来歴と展望とから捻り出す」と指示。面談と推敲立ち合いとだけで3時間超かかって、私、途中から「お前の人生だから!」「お前が舵をとれ!」と長渕剛みたいになってました……とがっ様に話したら「若干『宙船』も入ってるな」と返され。そうか、「宙船」は「Captain Of The Ship」だったのか、と。
 念のために書きますが、中身に手を入れることはしません。「志望理由」は出来不出来問わず内発的なもの以外ありえないので、兼好が高師直にしたみたいな風にはいかない。教員が内容に手を加えることはありません(原理的に無理なのです)。

 2時過ぎに起床、書斎で添削三昧。本日は東大文系コースで03年文系専用問題(篠原資明)を扱うのでその板書準備も。この問題は最難(災難)で、解けない生徒が傷つくという意味で今扱うのは酷ですらあるかもとは思うのですが、解答解説用のプリントに56回生文系Yくんが描いたイラスト(この問題文を解釈した内容を描き起こしたもの)を貼り付けているのでつい配りたくなっちゃうんですね。Yくんは東大文三から現在は「宝酒造」にご勤務。断定するのはあれですが、私見では私が関わった文系の生徒の中で最も国語が出来た人で(勿論、私の読解力・記述力なんて軽く上回っています)、少なくとも20代だった私に手の負える生徒ではありませんでした。彼が描いたイラストには霊験がある、とこちらは断定するのに躊躇いはありません。

 学校では午前中に文系東大コースと、文系難関コースのテスト会と(九大・一橋大・京大)。午後は明日の授業準備と添削と、16時から1時間の会議と。18時に自宅に戻って母君の夕食を作成。お風呂を温めて母君には入っていただきましたが、時間が足りず私は入浴を断念。「もりき」でせめて美味しいものをと思ったらタイミングが悪く鴨コース2組が入っておりマスターに私の料理を作る余裕がない。冷奴だけでビール2本、日本酒1合飲んで帰宅。帰りのスーパーでカップ麺を買って食べました。良くないなぁ。