まめがほしいか そらやるぞ みんなでなかよく たべにこい

 今日は午前中が新年度から始まる学年の担任団会議、午後は寮監会議なのですが、前者について新高1(70回生)は先週末に前倒しで終了させており、後者は私には無関係なので、今日は一日フリー。明日も会議がないので、今日と明日とを使って明後日の国語科会議に提出する資料を作ることにします。具体的には、センター試験・東大二次の現代文の解答解説資料作成。これは、その年の高3担当者が作ることになっており、センター・東大の今年の問題の傾向を詳述するという決まり。京大・一橋大・九大等に関しては、顕著な特徴(変化)があれば適宜、という程度です。解答解説資料については教員ごとに作り方は異なっていますが、私は実際に高3を担当する場合に生徒に配る解説プリント(本文分析と解答試作とをB4用紙1枚にまとめたもの)を出すことにしています。東大文系第4問(是枝裕和)が藤田省三「或る喪失の経験」と同じだったことはちょっと前の日記に書きました。文理共通第一問(中屋敷均)はパッと浮かぶ類題をこれと提示するのは難しいですが、実際に解答するに当たっては「虚への志向性」というフレーズに傍線部を引いた2015年の問題など想起した受験生も居たのではないかと想像。生命・個人・知性、等々の定義を運動態として捉える文章は、ここ10年ほどで手を変え品を変えて出題されており、近年のお家芸といっても良いかも知れません。

 66回生理系Iくん、東大漢文特講でしかお付き合いがなかったんですけれども、何彼と話しかけてくれまして、今日の夜も一緒にご飯を食べましょうという話になり、市内の魚料理「O」にて3時間。私は飲みますが、Iくんは未成年なので当然ソフトドリンクです。
 先ずは、理系ながらいちばんの興味が心理学だというIくんがその両義を股にかける進振り先をきれいに射止めたというお話に感心しつつ、話題は彼が所属している東大謎解きサークル「AnotherVision」(略称「アナビ」)のお話へ。

 私はTQC(東大クイズ研究会)のメンバーだったので、最近の『東大王』だとかいう派手な活動こそ仰ぎ見るばかりで縁遠いものだという認識ですが、クイズ自体に対しては普通の人よりは関心が高いのではないかと思います。この場合のクイズというのは、所謂知識を競う感じのものですね。で、昨今それとはやや趣の異なる「謎解き」と呼ばれる分野のクイズが流行ってて、東大に大きな団体があるというのをうっすらと聞いたことがあったのですが、当のその団体に所属しているIくんからお話を聞いて、漸くそれがどういうものかを知ることになりました。多湖輝『頭の体操』とか、初期『マジカル頭脳パワー!!』的な発想クイズなんですね。昔からあるやつじゃんかと思ったら、企業その他と組んでそれらクイズを組み合わせた体感型のイベントが大人の趣味として大ブームになっているんだとか。twitterのTLでよく流れてきて意味がわからなかった「脱出」という言葉が何だったのか、ようやくうっすら想像できるようになりました。私は観たことがないのですがそういう謎解き専門のクイズ番組があって、東大謎解きの本もバンバン出ている、と。ほうほう、その団体、もうサークルじゃなくて会社みたいなもんなのかしら。「アナビ」と「TQC」とがコラボしたりする日が来るのかしら。
 ……等々お話していたら、Iくんが『マジカル』をご存じないと仰る。「じゃあ『あるなしクイズ』とか知ってる? こういう問題なんだけど……」と、即興のクイズを怒涛の勢いで出してそれで180分潰すなどして。おっさんが日本酒飲みながら童心に還るのに19歳をつき合わせる夜。楽しい。