この歌の中に 私は生きている

 健康起床、大浴場で湯浴み・サウナ、池袋のネカフェで書き物、という昨日と全く同じ流れで「非日常性の維持(非日常性Noisy!)」、から本上京のメインイベントであるところのオツカル様との一日デート(お仕事代休で付き合って下さった様に感謝!)……に、いきなり10分遅刻してしまうという大失態。オツカル様をお待ちすることこそあれお待たせするなんてこと、大学時代なら全くもって考えられないことで反省。昨夜、酔っ払った状態でTwitterに呟きを投下していたのも反省(国語教師にあるまじき誤変換を見逃していました)。

 事前に、オツカル様に「渋谷の『春夏秋冬』って寿司屋に行きたい」とメッセージを送ったら、「そこ、ウチの母親が『良い店だった』って言ってた」という返し。熊本から度々上京なさっては色々な飲食スポットを(どうやら在住のオツカル様よりも積極的に)巡っておられるお母様、雑居ビルの穴場寿司まで既に攻略済みとは流石で御座います。
 で、その雑居ビルの穴場寿司、11時開店の5分前に到着したら先客が2組(それぞれ2人組)、11時5分に開店と同時に6人が入店して横長のカウンター席に奥から詰めて座りました。板前さんは3人、我々が入店した直後に2組ほど追加で入店、人気ですね。
 我々は「超特選」1600円を注文。生エビ・ウニ・イクラ・中トロ・イカ・エンガワ・ブリ・タイ・アワビ・コハダ・タマゴ・鉄火(半本)、に味噌汁だったかな。腹八分目……を巻物追加で十分目に。普通なら1600円で充分満足できますね。回転寿司に入ったら(2貫ずつ出てくるのを何種類も食べたくなるから)ついつい食べ過ぎて、結局1600円なんてあっという間に越えてしまうというのが目に見えていることを考えたら、1貫ずつ握ってくれるこういうお店が色々優しいのかも。「美登利寿司」ほどちゃんとしたところに行かなくても良い時のお寿司。ただ、板前さんがず~っと握って色んなネタの作り置きをしていたので、これは開店直後に入るのが正しいのかな、と。あと、長居する店ではないらしく、我々の滞在時間は20分くらいだったかな。テーブル席もあって、夜に居酒屋利用をするのは面白いかも、などと。

 寿司屋を出たらそのまま歩いて5分の場所にある「カラ鉄」へ。幸せいっぱい渋谷「カラ鉄」150分の歌合戦!

 池①King Gnu「Prayer X」(2018年)
 オ①ゆらゆら帝国「夜行性の生き物3匹」(2003年)
 池「これって、最近の歌?」 オ「何言ってんの? ゆらゆら帝国なら2000年ちょっとってとこじゃない?」 池「それって最近じゃんか」 21世紀の歌なら「最近」だと感じるアラフォーですが、一聴で恋に堕ちた正真正銘の最新曲にもチャレンジしてみました。声高い、歌詞の乗せ方むずい。そう言えば、はっぴぃえんど(細野晴臣)史観に貫かれた『MUSIC MAGAZINE』の50年の邦楽アルバムベスト100、4位にゆらゆら帝国『空洞です』が食い込んでいたのは驚きでしたね。

 池②森山加代子「白い蝶のサンバ」(1970年)
 オ②ダーク・ダックス「銀色の道」(1966年)
 私は48年、オツカル様は39年の時を飛び越えて選曲。お互い『ものまね王座』世代ですからね、古い曲にも目端が利いています(普通のアラフォー世代よりはずっと詳しいという自意識はあります)。森山加代子は大好きな歌手だったので追悼。「白い蝶のサンバ」はともすれば「おば歌謡」扱いされそうな珍曲ではありますが、「じんじろげ」「ぱいのぱいのぱい」のイメージを核に据えて極端な艶歌化を防いだ手際が光る初期阿久悠の代表作。池「『白い蝶のサンバ』を検索したら」 オ「したら?」 私「案の定一青窈がカバーしてた」 オ「してそう!」 一青窈がカバーしたら、極端な艶歌化が起こるんじゃないかな。聴いてないから知らないけど。

 池③荒井由実「曇り空」(1973年)
 オ③sumikaソーダ」(2014年)
 ユーミン大好きを公言していた最初期の矢野顕子が好んでカバーしていた「曇り空」、20年ほど前のキリンジのカバーも良かったですね。キーはそのままで男性(男声)が歌うとメチャクチャ格好いい曲なのです。人に歌えと強制することはできないので自分でやるんですけど。オツカル様は、直前に私が披露した話(とんねるずに「モノマネ王子」と命名された素人くんが長じてsumikaのキーボードになった)を受けて代表曲を歌ってくれました。「人に歌えと強制することはできない」と書いたばかりなんですけれども。

 池④折坂悠太「平成」(2018年)
 オ④CHAGE&ASKA「夢の番人」(1993年)
 私は2018年にブレイクした最高のSSWのアルバム表題曲(早く全曲カラオケに!)。オツカル様は、メチャメチャ売れてた(というか日本一売れてるアーティストだった)時代のシングルカップリング。様は90年代初頭のチャゲアスをよくお歌いになります。そのたびに、私「これは、もうキメてる頃の曲?」 オ「海外に行って覚えてしまった直後くらい」というやり取りをするんですね。松本人志の「ドーピング」発言流に解釈すると……?

 オ⑤槇原敬之「お嫁においで」(1997年)
 池⑤井上陽水「旅人よ」(2001年)
 先攻後攻交代で、何故か2人ともカバーバージョンの加山雄三。オツカル様のマッキーは確実にお薬繋がりで選んでるな、と。このバージョンはマッキーが捕まる前、加山雄三の還暦を祝ったトリビュートアルバムの一曲でした(同アルバムには、ASKAさんも参加していますし、TUBEも参加しています)。私もつられて井上陽水。『UNITED COVER』は邦楽界にカバーブームを巻き起こしたアルバム、或る種一つのジャンルのパイオニアだったのかも、と今になって。

 オ⑥筋肉少女帯「氷の世界」(1992年)
 池⑥サザンオールスターズエロティカ・セブン」(1993年)
 オ「筋少の『氷の世界』ってもう四半世紀前なのか!」 池「本家はさらにその20年前だけどね」 35歳過ぎた辺りから、リアリティを持って使う日常語の中に「四半世紀」が滑り込んできました。「エロティカ・セブン」も同じ頃(私、後4年ほどあとの曲だと勘違いしていました)。タイトルから解るとおりの歌詞なんですけれども、知らない人は検索して読んでみて、凄まじい才気だから。

 オ⑦W「Missラブ探偵」(2005年)
 池⑦さだまさし「関白失脚」(1994年)
 池「Wってさ、最近再結成したんでしょ?」 オ「もうね、泣いた。泣いた」 TwitterのTLが一時オツカル様と松さん(お二人ともハロプロ愛が凄い)の感泣tweetにジャックされましたからね。辻ちゃん加護ちゃんも色々ありすぎた人たちですから、その「物語」込みでファンは感泣出来るのでしょう。私は「関白宣言」の後日談。前半3分のパロディ部分が終わった後の「そして今日も君たちの笑顔守る為に~」以下は、池「ここから3分半ほど、完全な『蛇足』が続きます」 オ「(大笑)」

 オ⑧DREAMS COME TRUE「決戦は金曜日」(1992年)
 池⑧TOKIO「本日、未熟者」(2007年)
 ドリカム自体にはそんなに興味が無くても「決戦は金曜日」だけはいついかなる時に聴いてもイントロ一瞬でテンションが爆上がりする、アウトロで昇天する、というアラフォーは多いはず。世に言う「神曲」ってやつですね。私はこの辺で「Make-up Shadow」を歌いたくなり、さっきの加山雄三の安易なカバーを後悔しました(一日に1アーティストは1曲の縛り)。

 オ⑨Hysteric Blue「春~spring~」(1999年)
 池⑨氷川きよし「浅草パラダイス」(2005年)
 筋少は別ですが、加護ちゃんとかドリカムとかこのヒスブルとか、不祥事引退謹慎系のアーティストを集中して選んできている底意地の悪さがありますなぁ、とオツカル様に言ったら、オ「陽水・サザン・TOKIOもそうやで?」と返されました。結論、芸能界が怖い。オ「氷川きよしだって暴力系だし」 私「いや~ん!」 この「浅草パラダイス」はオツカル様のレパートリーなんですが、何だか楽しい歌なのでレクチャーしてもらいながら歌いました。

 オ⑩L'Arc-en-Ciel「HONEY」(1998年)
 池⑩小島麻由美エレクトラ」(2001年)
 ラルクも逮捕されたメンバー、いましたよねぇ。芸能界が怖い。私はこのあたりのバンドには全く関心が無く、この曲についても覚えているのはますだおかだのネタに「ラルクみたいな鳴き方をする猫」というのがあってそれが「にゃぅお~ん……にゃぅお~ん……きゃぅわいとゎ~♪」と歌うヤツだったというのだけです。小島麻由美は次から入れる2曲のためにただただ裏声の練習がしたかっただけ。

 オ⑪中島美嘉「Love Addict」(2003年)
 池⑪ちあきなおみ「星影の小径」(1992年)
 2人とも性別も歌唱力も無視して原キーのまま絶唱。「Love Addict」は事務嬢さんが完璧に歌えてもうメチャメチャ格好いいんですよ。でもって、2人ともこの曲の作曲者の名前が思い出せず1分悶絶する(正解は大沢伸一)。

 オ⑫電気グルーヴ「人間大統領 ningen president」(2017年)
 池⑫倉橋ヨエコ「赤い靴」(2004年)
 満を持しての電グル。連打されるニュースのせいでしょうか、それとも曲自体のせいでしょうか、もう完璧にキメてるとしか思えません。私は久しぶりに倉ヨエ歌謡、裏声駆使して頑張りました。

 オ⑬ゲントウキ青い車」(2002年)
 池⑬小沢健二「ラブリー」(1994年)
 先程の中島美嘉と今回の小沢健二、改めて思ったのですが、私・オ「「曲が、長いよね」」 どちらも尺が長いので、カラオケの残り時間が気になる時には気をつけないといけません。実際、この曲を歌ったあたりで、2時間の予定を30分延長することを決めました。オツカル様の選曲はどっかで聴いたことがあるなぁ、と思ったらスピッツのカバー。っつこた、ユーミンが「楓」で参加したあのアルバムに入ってたわけね。じゃあ、1回は聴いてます。

 オ⑭RHYMEBERRY「MIRRORBALL」(2015年)
 池⑭中谷美紀「エアーポケット」(2001年)
 『R-17』は名作ドラマだったと思います。中谷美紀は(顔が)大好きな女優なのですが、彼女が出た作品で覚えているのはドラマなら『R-17』、映画なら『電車男』『阪急電車 片道15分の奇跡』くらいですもんねぇ。オツカル様推しの地下アイドル、ライブ映像だったのですが客がメチャメチャ盛り上がっていました。私「このグループってさ、確かメンバーが一人を残して全員辞めるとかいういじめ案件があったとこだよね?」 オ「前にね。その後再結成して、また解散」 私「えっ、舞台衣装が買えなくて?」 オ「それは別のとこ」

 オ⑮SING LIKE TALKING「離れずに暖めて」(1993年)
 池⑮水森亜土アレアレアラレちゃん」(1981年)
 一度歌ってみたかった水森亜土ちゃん。あの可愛らしい声で高い高いと勘違いしてしまいますが、キーを1つ下げれば男性(男声)でも充分歌えます。今日初めてのアニソン……だと思ったら、冒頭のKing Gnuが深夜アニメのEDでした。彼我(2018年と1981年と)の差が凄いですね。オツカル様も同様にキーを1つ下げ。竹善さんの歌は普通には歌えません。

 オ⑯しまじろう・とりっぴい・みみりん・らむりん『ハッピー・ジャムジャム』(2009年)
 池⑯中島みゆき「マンハッタン ナイト ライン」(2017年)
 オツカル様の選曲は全然知らない歌だったんですが、有名なアニソンで「子どもなら大抵歌えるよ」とのこと。とても良い曲だったので、こういうのをみんなが歌えるようにする番組の力っていうのは凄いなぁ、と。ちょっと最近の歌を歌おうと思ったときには、みゆきさんのアルバム曲に限ります。

 オ⑰T&Cボンバー「HEY! 真夏の蜃気楼」(2000年)
 池⑰GACKT「Vanilla」(1999年)
 事務嬢さんとのカラオケ(FKC)ではしょっちゅう歌っている歌を、オツカル様の前では初披露だったというのが我ながら意外。歌ってないかどうかを確認するためにこのブログ内の「GACKT」を検索したら、全て1月1日の記述でした。そらそうか。オツカル様は最後までハロプロ愛。それにしてもつんく♂さんの曲作りはリスナーへのサービス精神が端々まで行き届いていて芯から感動しますね。

 カラ鉄を出てからは完全ノープランで、何というかこのたる~い感じ、本当にデートみたいじゃないですか、嬉しいな、楽しいな、幸せだな、と浸ってる間に場所は上野に移っておりまして、上京中にどこかで時間を見つけて行こうと思っていた科博「大哺乳類展2」へ。上野駅(地下鉄)から公園内の桜並木を歩いて科博に至る道が、何かもう本当にデート。「大哺乳類展」自体は正直そんなに……だったのですが(実物大剥製ずらり、っていうのは常設展でお腹いっぱいになれるしねぇ)、ここに馴染みのないと仰るオツカル様が常設展を含めて楽しんで下さっていたので良。そうそう、「大哺乳類展2」には常設展にはないミナミゾウアザラシの展示があって、最高記録では体長6メートル、体重5トンにもなるというその巨大さにいっそ笑いそうなほど感動なさっていたオツカル様はそのままミナミゾウアザラシに恋に堕ち、しばらくTwitterで「ミナミゾウアザラシについて調べまくってる」「はぁミナミちゃんはぁ」みたいな呟きを連投しておられました。うん、行って良かった。

 夜は、オツカル様おすすめの新橋の馬肉料理『馬並み家』。突き出しが赤マムシドリンクで名物が馬肉しゃぶしゃぶという圧倒的絶倫系、店内に流れているBGMは80~90年代の邦楽ヒット、面白いお店でした(卒業生、特に女子は連れて行けないかな……)。
 エイプリルフールで色々な企業がこれ見よがしなどや顔で繰り出してくる嘘ネタが不快だというオツカル様のご意見に賛同。ユーザーが「謎肉」とか言って遊んでるのは面白いけど、それに企業が乗って「謎肉祭」とか言い出したらシラケるでしょ? というのがオツカル様の言い分。企業がハイセンスマウントを客に仕掛ける必要性がどこにあろうか、ということなのかな。私は単純に、それらの十中八九が大して面白くないというのが嫌いな理由なんですけどね。
 あと、オツカル様、昇進なさったそうです。やっほい。役職名の変化は1階が中二階に変わったようなものだったんですけれども、とにかく昇給はあったそうですから目出度い……オ「とも言えなくて、昇進したら残業手当がつかなくなるかも知れない」 私「何その『名ばかり管理職』、ちょっと古くない?」

 19時過ぎに店を出て、夜はこれからという時間だったのですが、私の方から「今日はもう終わろうか」と提案。私自身は8時間も遊んでもらって芯から満足してましたし、オツカル様は親知らずの歯痛が数日前から酷くて今回も途中でドラッグストアに寄ったくらいだったですし、というのが理由。解散後、オツカル様は行きつけの歯医者に立ち寄ることが出来たそうです。良かった。

 ホテルの部屋で軽く飲み直してから健康睡眠。