吾が息至つて陋しく、貴人の匹と為るに足らず

 ……と思い出しながら昨日の日記を書きつつ、やっぱり強く思ったのは、63回生で担任やりながら高3現代文(センター10コマ、二次記述2コマ)・漢文(二次記述2コマ)の両方をやったってのは異常だな、ということ。あの年は、授業こそ週14コマ(内4コマは二次記述で添削答案あり)でしたが、添削つきの特講を週9コマ(東大文系現代文、東大理系現代文、京大現代文、一橋大現代文、東大理系漢文)やりましたもんね。月の仕事が400時間、あの「調教」のおかげで大抵の仕事量ではビビらない身体になっちゃいましたけど、あれは私を含めた国語科の全員に二度とやらせてはいけない虐待ですし、あれを決定した時の国語科会議は科の歴史に残る汚点だと思っています(やると言い出したのは私ではないですが、少なくとも受け容れはした私の罪が最も重いという認識です)。

 森博嗣『面白いとは何か? 面白く生きるには?』読了、★★★。そうそう、63回生高3の時の仕事に耐えらえた理由はたった一つ、「面白かった」からです。入試の過去問は面白い、生徒の答案を読むのは面白い、そして63回生(特に我らA組)のメンバーは本当に面白い人たちでした。だから、二度とやっては(やらせては)いけない仕事だとは思っていますが、仕事自体はとっても楽しかったんですね。
 大学時代から20年続けているブログは何度か場所を変えているんですが、この「はてなブログ」が最も長く続いています(丸7年)。理由は一つ、63回生我らA組(高2)の担任を始めたのを機にここへ引っ越してから2年間の記録をずっと残しておきたいからです。

 本日の授業特講、3種類。
 先ずは高3東大漢文、教材は『三国史記』で、愚温達を平岡王公主が迎えに行く件、これはまさに白馬に乗った女王様、「私も女王様を39年待ってるんですけれども来やがりゃしねぇ」とぼやいて軽く笑いを取る39歳独身。
 続いて高1内進組、教材が『伊勢物語』から「初冠」というのは昨日の日記で書いた通り。「こういうのを39歳独身にやれってのは公からのハラスメントじゃねぇのか」とぼやいて軽く笑いを取る39歳独身。
 最後は高1外進A組、教材は『奥の細道』から「旅立ち」。こういうのが一番好き。「日常性のEASY!」、想像の中でくらい漂泊に憧れてもいいでしょ?

 夜は肉料理「I」で読書独酌、からの「もりき」。今日の「もりき」は自衛隊・市役所・新聞社の会合(勉強会?)打ち上げで貸し切り、なのですがその中に高1A某くんのお父様がおられる(幹事)と聞いていたので、ご挨拶だけ(結構飲みましたけど)。