三月の風 四月の雨 五月の花を咲かせるため

 まだご覧になっていない方、2分もかからない映像が間違いなく最高に面白いから、欺されたと思って見て下さい。アクセスは簡単、Googleで「平野レミ」と検索し、出てきた彼女のTwitterアカウントの投稿から、ニラ玉を作っている動画を探すだけです。
 動画はシンプル。ステイホームですっぴんのレミが簡単ニラ玉を作るだけ。但し、すっぴんなので、手だけ出演のアシスタントが、お化粧後のレミの顔パネルを巧みに操作して、素顔が映らないようにしています。
 レミのすっぴんがちょいと映る『大改造!! 劇的ビフォーアフター』とか、アシスタントって若しかしたら上野樹里かもという『義母と娘のブルース』とか、普通ならそういう下世話なところに興味が行くじゃないですか。でも、料理をしている平野レミが面白すぎて、本筋以外は一切頭を過ぎりませんから。
 卵を叩き割っては殻をシンクにぶち投げるレミ、千切ったはんぺんと生卵(と唯一の味付け材料であるナンプラー)をビニル袋の中でグチャ混ぜにするレミ、ネギを鋏で切り刻むレミ、フライパンから跳ね出たネギを堂々と戻すレミ。間、髪を入れずに笑かしてくれます。

 さて、朝風呂をためる間に何気なくベッドで読んでいた分厚い本……から「あ、入試が出来る」と直観した瞬間、本日全ての仕事を放擲して入試作成に集中することにしました。勿論、出す予定などどこにもない完全な作り置きです(出す予定があって本文を探すときは、流石に机に何冊も詰んで集中します)。要するにこれは道楽。今日は、遊ぶ!
 風呂上がりの書斎で、先ずは「一太郎」を開いて本文の打ち込み。読んでいるだけでは「問題が出来る」という直観と何本かの傍線部の見当、程度の曖昧さでしたが、一字ずつ「写経」している(タイピングの結果が画面に映し出されるのを読んでいる)内に、傍線部と設問との流れがほぼ完全に見えます。本文を打っている時点でこの程度の確信を持てない問題は、大体「没」になると思って間違いないかな(確信が持てても「没」になる問題も多数です)。
 本文・出典の後に設問を作る訳ですが、先ず何行か「問」「問」「問」「問」……と打ち、それぞれに傍線部①「~~」、傍線部②「……」と、順番に傍線部の文言を打ちます。その後、それぞれの傍線部をどのように聞くか考え(記述にするか選択肢にするか等)、設問を打ち込んでいきます。加えて言葉の意味の問題や、漢字の書き取りの問題、本文穴埋めの問題等々が必要な場合はそれも作ります。問題が全て完成しその順番も固まったら、先程の「問」「問」「問」に、順に「問一」「問二」「問三」……と番号を振っていってお仕舞い。その後はひたすら設問及び本文の彫琢。「本文の彫琢」と言っても、余所様の書かれた作品の本文は字句を弄ることが許されませんから、例えば難しい漢字にルビをふるとか、受験生には解説が必要な語句があれば注釈を考えるとか。
 まぁ、集中してやれば6時間7時間なんて時間はあっという間に過ぎていきますよね。出すあてがない問題なのでお気楽、途中、お昼時にはビールグラス片手だったり。しゃーわせ。

 と言うわけで、一日がこれで溶けました。問題は、まだ完成していません。本文を見つけて傍線部が見えた瞬間に90%は完成しているのですが、残る10%は何十時間かかけて(本当に出題される場合は複数人の目で検討されて)少しずつ少しずつ磨かれていくのです。
 少しだけ目が疲れて身体が強張ったので、仕事上がりにもう一度お風呂に入りました。上がったら、もう夕食の準備の時間です。

 自炊の素人が調子に乗って変な香辛料とか調味料とか買ったら駄目なんです。分かってるんです。でも、私のキッチンには今、新品のナンプラーがある。
 レミをやってみたかった(レミになってみたかった、ではない)。レミのニラ玉を作ってみたかった。これ一度で次に使う機会は無いかも知れませんが、その意味で私に買われてしまったナンプラーには大変申し訳ないですが、どうしても買わずには居られなかったんですあの動画が面白すぎて。
 はんぺん1/2枚をぐちゃぐちゃに千切る(包丁で細かく切りました)、ビニル袋に卵3個とはんぺんとナンプラーを入れ手でぐちゃぐちゃに潰す(卵は箸で溶きましたが、ビニールに入れて混ぜるのはやりました)、割った卵の殻はシンクにぶち投げる(三角ネットにそうっと捨てました)、ニラは鋏でちょん切る(包丁で切りました)……実際、恐る恐るの料理素人があのレミの過激な動きが出来るかっつったら出来ない訳ですよ、やる前から気づけよ俺、ってなもんです。結局私、ナンプラーまで買ったけれどもレミを演じられなかった。でも、多分レミが作ったやつの方がずっと美味しいんでしょうが、それでも私が作ったニラ玉も「あ、旨い! 酒に合う!」と声が出るものでした。やっぱり、レミは天才です。

 5/31の「自粛御膳」。
 鶏高菜ご飯・かき玉汁・ニラ玉・小鉢4種。
 2日目の「鯛昆布〆」は、私が昆布を取り忘れたせいで〆られすぎてジャーキーみたいになってしまいました。鯛と昆布との歯触りが同じってどういうこっちゃいという話ですが、昆布は細かく刻んで鯛と一緒に小鉢に入れたらそれはそれで酒が進む。日本酒は茨城「結」の純米吟醸無濾過生原酒。

 『サワコの朝』と『捨ててよ、安達さん。』と『異世界居酒屋「のぶ」』とを観たら、素直に「鬼太郎チャレンジ」に移るべきだった、のに。
 書斎での入試(擬)作成の休憩時間、気分転換に書棚を整理していたら、5年間封印していたDVDが出てきて声が出ました。私が出場した『TEEN! TEEN!』、ピースのお二人と橋本環奈さんとのインタビューを受けた映像が10分弱くらい流れたらしい番組の、そのスタッフさんからいただいた物です。母君にはお見せしました(その為に出演を引き受けたのです)が、私は恥ずかしくて恥ずかしくて「まだ」自分では観ていません……

 ……やっぱり観るんじゃなかった! 消音モードで観ても恥ずかしくて恥ずかしくて、酒が酒が酒が進んで進んで進んで、私よく洗い物までやって寝ることが出来るな、とベッドに入ってもまだ恥ずかしい。しかも、酔っ払った勢いでオツカル様(東京なのでローカル番組が観られず、ずっと私に見せろ見せろと仰ってました)に次にお会いする機会での上映会を約束してしまい。

 明日から本格的に学校が始まるというのに、今日でちょっと「コロナル中」(コロナ・アルコール中毒)が進行してしまいました。