ふわふわ浮かんでもうさいなら

 博多2日目……の生産性がま~ったく無くて、我ながら惚れ惚れした一日。

 昨日は飲み過ぎ、起床は8時でゆっくり。大浴場ではありませんが部屋つきのお風呂場の浴槽は広々、気持ち良く入浴の後で着替えてホテルを出発。

 9時、博多駅近くのカフェ(チェーン店)に入り、メロンのスムージーだけを頼んで2時間読書。途中で、学校に立ち入らなかった時間が(4ヶ月ぶりに)24時間を超えました。橋本治『そして、みんなバカになった』読了、★★★★。

 11時15分、カフェから歩いて15分、博多「信州そば むらた」へ移動。住吉神社東長寺との間。昨日の日記では近くに寄ったら福岡大仏をと書いたものの、流石に昨日の今日では入る気にはならず、代わりに昨日も寄ったお土産屋さんで博多曲物のコースターを購入。「自粛御膳」用です。
 入り口前の用紙に名前を書いて待つこと10分、11時30分の開店時には既に店内1階テーブルは満席の人出、蕎麦「むらた」へイン。独り客はカウンター席も用意されています(厨房は奥なので、見えるのは壁だけですが)。箸・お茶(要らん!)と一緒に、マスク入れと言って店名がスタンプされた封筒が渡されました。これは初めてのサービスです。
 昼飲みと言ったら蕎麦屋。夜も和食なので中華と迷いましたが、一度行ってみたいお店だったのでこちらを選択。肉味噌豆腐・蕎麦掻き・天麩羅・香の物でビール(2日連続のハートランド)、から日本酒は鳥取「山陰東郷」(65% 加水 甘口)。日本酒はここまで? と驚いてしまうほどの色つき。とろり甘口は美味しかったけれども冷や1杯が限界かな(ここは、冷酒ではなくて冷や、即ち常温で出てきました。冷酒だったら2杯いけたかなぁ)。そして、3杯目からは蕎麦焼酎。蕎麦湯で割ると大変美味です……

 高校を卒業するまではお屠蘇1滴すら飲んだことの無かった私(真面目でしたし、唯一の家族であるところの母君は下戸でいらしたし)。福岡県人寮「英彦寮」で調教されたとか大学で入ったサークル(TQC)が「静かなる激飲み」を極めた人々の集いだったとか色々ありまして、まぁ飲める口に育った訳ですけれども、人生で「お酒ってこんなに美味しいのか!」と思った(以降そのジャンルのお酒がどんどん飲めるようになった)きっかけというのは幾つか覚えているものでして。
 例えば、ビールならSAPPORO「冬物語」でこれが20歳の時。寮で部屋飲みしてて500mlを1本飲んだらあまりに美味しくてそのまま買ってた3本を開けて(空けて)しまって、近くのコンビニで6本を買い足したら「先輩のお使い? 大変ねぇ」とコンビニのおばちゃんに勘違いされて超恥ずかしかった、という思い出が。
 そして、焼酎なら県人寮を2年で出た後に(TQC15期のTさんから受け継ぐ形で)借りた巣鴨のアパート3階、の1階店舗の蕎麦屋……ではなくてその斜向かいにあった別の蕎麦屋(高齢の店主ご夫妻は元々油屋さんでいらっしゃいました)での体験。週3~4で通って、町内の方々と顔なじみになって、昨日も来てた90代のお爺ちゃんが今朝お風呂場でという日にはお通夜にも行く、程度の常連として(お手伝いでお運びをしていた息子さんにちょっと煙たがられるくらい)店に可愛がって頂いたんですね。そこで、ビールばっかり飲んでた私に店主の奥様が「試してみて」と1杯下さったのが、「雲海」の蕎麦湯割り、一口飲んで(蕎麦湯が美味しかったのもあるんでしょうが)驚愕しましたもん。焼酎って、ただ臭いだけだと思ってたんですね、それまでは。これが、21歳の時かな。
 最後が、28歳から通い始めた「もりき」での日本酒体験。半年ばかりず~っとビールと焼酎とだけで帰っていた私が、マスターから半ば強引に注文させられた格好で飲んだ和歌山「喜楽里(きらり)」。日本酒は味が無くてアルコール臭がきつくて舌がピリピリする……そりゃ、全品300円の居酒屋(渋谷「日本海」)で「美少年」とか飲んでただけの経験じゃそう思うのもやむなしですが、アラサーになるまで日本酒が「甘露」だというのを知らなかったというのは大変勿体なかった話で、その後の人生で取り返すように飲んで、今では「日本酒チャレンジ」が130蔵とかですからねぇ。

 ……閑話休題。蕎麦湯が冷めないようにわざわざポットで持ってきて下さるお気遣いに感謝しながら、〆の盛りそばで蕎麦焼酎。しゃーわせ。お運びの店員さんも、よ~飲み食いすんねこの人は、とちょっと呆れ顔(のように見えます)。

 14時、ホテルに戻って仮眠。

 17時起床、入浴、ホテルを出て徒歩5分で居酒屋「太郎源」に到着。今日は、カフェ・蕎麦屋・居酒屋で過ごす以外何にもしていません!
 居酒屋「太郎源」、季節に一回のペースで、もう長く通い続けている名店。予約の電話を入れたら「K市のお客さまですね? 今回は、鮪カマは取り置きしましょうか?」と必ず訊いて頂ける程度の扱いです。もうご退職なさった超ベテラン柔道先生は、故あって(アレルギーではなく)魚が駄目だと仰っていたのですが、ある時お連れしたらここの鮪カマ焼きだけは食べられると大喜びなさって、以降は私以上の常連でいらっしゃいます(人の人生を少し変えられるくらいのお店なんですね)。
 お通しの鮹・若布(酢味噌)は定番。刺盛り8点、鮪カマ焼き(黒胡椒の味付けが抜群)、佐賀牛サラダが鉄板。日本酒は、新潟「景虎」(名水仕込 特別純米酒)、他。

 その後はアンコール。〆はうどんだろうということで、駅から三百歩横丁「二〇加長介」で昆布うどんまで満喫。そこでも新しい日本酒、青森「鳩正宗」(特別純米酒 夏吟)。

 ホテルにて健康睡眠(昨日より長い時間飲んでましたが、酔っ払い具合は昨日の方がよっぽど酷かったです)。