合図に肩をすくめても ちょっぴり眠い

 迷子『プリンタニア・ニッポン(1)』読了、★★★★。

 昨日、原研哉『白』の1回目の授業を終えた後、ある女子に呼び止められて「先生、今日の授業で、『処女作』が何故『処女作』というのかが解りました」とにっこり言われて仰け反りました。「ごめん、意味は判るけどなんて返してもセクハラになりそう!」と最低の返答をするのが精一杯でしたけれども、あれですね、聡いのの表出の仕方が意想外の人がたまに居るという典型でしたね。
 1限が高3文系漢文、2・3限でその添削。4限が高2現代文で、これは昨日4クラスで話した内容と同じ、人によっては『処女作』と呼ばれる所以が解るという講義です。

 13時終業と共に学校を出る……前に、職員室までの電光掲示板を確認。生徒に当日及び翌日の時間割変更を伝えるために設置されているそれ(要するに、今年度は私が操作担当)の画面、思わず書いてしまった「祝!」の文字ににんまり。
 正直、今年度に関しては殆ど諦めていたのですが、その日は意外に早くやってきました。今年度初、全学年時間割変更無し、10/5(月)がその日です。その後は、少なくとも1ヶ月先までは毎日時間割変更があります。

 自宅に戻ってから入浴、着替えたら直ぐに出発。最近ちょっとハマっている土日の福岡博多泊。思うさま飲んでも帰り(電車の時刻、というよりかは電車での寝落ち)の心配が無いというね、生命保険じゃないですが「安心を金で買う」というのはこういうことを言うのだよ、と。
 本日のお相手は67回生我らB組のMくん(九医2年)、文化祭の実行委員長ですから大物の接待です。っつか、11/1(日)にはMくんに2人の副実行委員長(同じくB組から九医2年)を加えた3人を接待する予定。Mくんとは去年一度食事をした(当時未成年のMくんはノンアルコール)ことがあるんですが、副実行委員長2人とは卒業後初なのです。っつーことで、副実行委員長2人がどんな飲み方をするのか(当日の私がどう振る舞えば良いのか)をリサーチしがてら飲もうぜ、と。マッチポンプ感というか合わせ鏡感というか。

 夕方前に到着した中洲川端のホテル、少し時間があったのでホテル徒歩5分の「福岡アジア美術館」で『原田治展 「かわいい」の発見』を観てきました。職場の人にお話ししたら今CMがガンガンに打たれているらしいのですが、ここ暫く全くTVを観ていないので全く知りませんでした。今回の訪問も、ホテル近くに美術館が無いかと検索して偶然見つけたのがきっかけです。
 そう言えば、一昨日久しぶりに入った「ミスド」内のどっかに彼の絵があったのか無かったのか、全く思い出せません。後でMくんに知っているか聞いたら絵を見せても全くピンと来ない様子だったので、若しかしたらもう長い間使われていなかったりするのかも知れません。
 さて、何せ「かわいい」ですから、若い女性やカップルが多いんだろうなぁと思って入場したら、豈図らんや、私よりずっとベテランの男性も多くてちょっと意外。でしたがまぁ、展示を見たら宜なるかなで、何せ「an・an」に「ビックリハウス」に「幻想と怪奇」ですから。雑誌挿絵を集めたコーナーには東山千栄子久保田万太郎、そういう年齢の客層も見込んでいるんでしょうね。
 それにしても、彼の描くハンプティダンプティが可愛すぎて、絵はがきとポーチとをついつい衝動買いしてしまいました。40のオッサンが原田治のポーチて。

 よく考えたら、東京が強盗トラベル解禁になってから初めての週末に中洲(川端)で飲むというそこそこの暴挙に、二十歳になったばかりの医学部生を拉致ってつき合わせるって行為をやってるんですよねぇ、この恩師は。一応、ご家族の許可は取った上での参加ではあるのですが。
 10/3は「自粛御膳」をお休み、店は人気店「せいもん払い」、美味しい物にお詳しい世界史先生のオススメで一度行きたいと思っていました。アラ刺し・ゴマサバ・サラダ・鱧天麩羅・穴子しぐれ煮、で100分。個室でやや高級料理、「高かろう旨かろう」という言葉があるのかは寡聞ですけれども正にそういう印象です。このご時世なのに、17時オープン時に既に数組並んで居ましたからね。因みに、Mくんはそんなにお酒が強くなかったので、支払額は思っていた程ではありませんでした。日本酒は長崎「六十餘洲」(純米酒 山田錦)、佐賀「万齢」(純米酒)。

 現高3・69回生の(残念ながら50回記念の祭りが中止になってしまった)文化祭実行委員長氏が「M先輩たち3人は絶対に(2つ下の)我々を呼び捨てにしない」と言っていたという話を仄聞、まぁそういう人たちだから派手な遊び方や激しい飲み方はしないだろうなぁ、と思っていたんですけれども思っていた以上に真面目みたいで。
 今夜は11/1(日)の打ち合わせという意味では殆ど空振りでした。何しろ、コロナもありますけれどもそもそも3人で遊んだり飲みに行ったりというのを全然してないそうで。医学部生が必ずかどうかは知らないですけどよくやると聞くアルコール体質のテストについては、Mくんはあんまり強くなくて、残る2人(どっちもイニシャルKなんで、取り敢えずKHくんとKNくんと書き分け)は多分強そう、くらい。実際一緒に飲まなきゃ判んないってことですね。

 2軒目は「曇レ日」、これは予て念願、今夜成就の日本酒バー。私の自宅にもある三連小鉢がどうしてこんなにお洒落で美味しくという盛り合わせ(多種多様の中から3点選んで500円)を肴に、定番無しその日次第運次第の日本酒ずらり(1杯5尺)を椀子蕎麦。「日本酒チャレンジ」はここで一気に3銘柄もプラスです(一晩で5蔵!)。岐阜「射美」(純米酒 山田錦)、岩手「菊の司」(季楽 特別純米 茜)、岩手「堀の井」(純米大吟醸 吟ぎんが)。その他には、「十四代」の冷酒(これはアル添でした)、及び「貴」の熱燗。
 Mくんは果物のお酒を舐める程度。「山田錦って、お酒の名前ですか?」という程度にウブなMくんに「酒米、あ、『さかまい』ってのは日本酒を造るためのお米だよぅ(ドヤ)」と、自分で吹かせた先輩風を肩で切りまくり。横並びカウンター10席のお店は予約必須(我々も一週間前に予約しました)、回転は早かったですが常に満席で入れないお客さん(席が空き次第の連絡待ち)が多数でした。

 延長戦(まだ飲むんかい)は薬院まで歩いて屋台「K」。20歳を健全な時刻に帰らせないといけないというなけなしの思いはああって、22時前解散ならまぁぎり合格かなぁ、とは思うんですけれども、薬院の屋台から中洲川端のホテルまでの徒歩移動は、何回お願いしてもタクシーを使わせてくれないMくんに夢先案内を一任するという完全なるオッサンお荷物状態でした。
 これ、11/1(日)の約束、キャンセルになったりするんじゃないでしょうか(後でMくんから11月も宜しく、というLINEが届きました)。