また今夜も眠れぬ夜になりそうな気がした

 300蔵、行っちゃったもんはしょうがないと最早開き直り。どうだ凄いだろう、えへん。
 コロナ禍自粛期間の自炊モチベーションのつもりで始めた「日本酒チャレンジ」、自宅に設置した日本酒セラーの保存力(4合瓶10本、設定温度1℃)に任せ、毎日欠かさず1日1蔵以上開栓する(1蔵1銘柄、つまり同じ蔵の複数の銘柄はノーカウント)というルール。自粛が緩みお店に出るようになったら、1蔵以上注文するという風になりました(未踏破の蔵がお店に無かった場合は自宅に戻って開栓しました)。日本酒を飲み始めて12年間で美味しいと思ったお酒は主に通信販売で購入し自宅で、行きつけのお店や観光訪問先のお店に置いてあった知らないお酒に目を瞠ることも何度か。最初は100~150蔵くらいかなぁとぼんやり考えていたんですが、いつしか日本にある蔵(2000蔵程度だそう)の1割を超えたらという目標に変わって、その後も何故だか毎日違うお酒に出会えて(主に「もりき」のお陰です)、気づけばぴったり8ヶ月で300蔵。
 自宅のセラーにはまだ未踏破の蔵のお酒も入っているんですが、ここを潮時にしようと決めたのは、丁度1週間後に人生で初めて人間ドックに行くんでそれまで「悪あが期間」を作ってみようかなぁと思い立ったのが契機でした。今日は高3の東大理系漢文特講の最終回なんで例年ならお祝い独酌なんですがそんな日を「停酒」初日にするのも面白いか、と。ただ、昨日は「1週間!」とぶち上げたんですけれども、そもそも私は飲まずに眠れるのか、飲まないなら自炊はどんな風にするのか、全く想像もつかなくて(たかが1週間なのに)初手からビクついてるんですけれども……。
 とまれ、お疲れ様、私。人間ドックの夜からは、新しい蔵に拘らずに自由に飲んで、未踏破の蔵があったら「301蔵目~」とかメモするようにしましょうかね。という訳で、以下、10回目にして最後のリストアップ、271蔵~300蔵です。
 辛口やキレはノーサンキュー、上善如水とか言うなら水飲んどけと思う人間です。甘くてトロッとしてたり、酸が残ってたり、という王道off courseなタイプの酒に惹かれる人間ですので、集めた銘柄も評価もそういうものです。悪しからず。
 ★★★★★ 畏、飲んだら減るのが唯一の欠点、畏れ多過ぎて近寄れない。
 ★★★★  秀、家のセラーに1本あれば最高、背伸びして買っちゃおう。
 ★★★   優、居酒屋に置いてあったら信頼、普段使いはちょっと贅沢。
 ★★    可、1杯だけ飲んで次からは焼酎、世界線が当方とは異なり。

【★★★★】
宮城「宮寒梅」(純米吟醸 おりがらみ)
福島「会津龍が沢」(純米大吟醸 うすにごり無濾過生原酒)
岐阜「百春」(純米酒直汲生)
岡山「燦然」(きらめき燦然 純米吟醸 朝日55 中汲み 無濾過生原酒)

【★★★】
北海道「男山」(生酛 純米酒
北海道「福司」(純米酒
岩手「南部美人」(貴醸酒 Luciola)
山形「上喜元」(特別純米酒
山形「東北泉」(雄町 純米)
宮城「勝山」(純米吟醸 LEI SAPPHIRE LABEL)
福島「会津娘」(純米吟醸酒
千葉「東魁盛」(純米吟醸 山田錦50 瓶火入れ)
神奈川「丹沢山」(純米吟醸
茨城「SABA de SHU」(清酒
群馬「町田酒造」(MAX大吟醸無濾過生詰 山田錦
新潟「至」(純米吟醸
新潟「越乃寒梅」(超特撰 大吟醸
新潟「凌駕」(特別純米
富山「よしのとも」(特別純米
静岡「葵天下」(純米吟醸生酒 山田錦
滋賀「笑四季」(特別純米 Sensation Black 火入)
滋賀「正信」(山廃純米仕込)
島根「旭日」(麹39 生)
岡山「御前酒」(雄町 菩提もと×氷温貯蔵 生原酒)
広島「呉の土井鉄」(純米吟醸 中汲み 山田錦
山口「長陽福娘」(雄町 純米吟醸
愛媛「銀河鉄道」(純米大吟醸 長期熟成生酒)
熊本「泰斗」(純米酒 ひやおろし 亀の尾)

【★★】
福島「不倒翁」(生酛純米古酒)
京都「黄桜」(ピアノ スパークリング清酒

 本日は朝9時半から歯医者の予約を入れているので、午前中を年休に。早朝起床、入浴後には書斎で時間割その他のデスクワーク(BGMはユーミン『深海の街』)。9時半からの歯医者は歯茎周りの歯石の除去等のメンテナンスで、諸々やって貰ったら越年するみたいです。
 昼前に出勤して授業は高2現代文が1コマ。その後、国語科の教員が集まって中3の卒業論文の小説部門作品の順位付け会議(金・銀・銅を決めます)。デスクワークの後、放課後17時からの特講は最終回で、最も新しい年度、即ち20年の出題を扱いました。班固『漢書』の一節は、最後の設問(一行半の解答欄)で「(旱魃が止み)天意に適うことが証明されたから」という部分に踏み込んだ解答例を作りましたが、出回っている塾や予備校の解答を見てみたら「旱魃が止んだから」で止まっているものもありますね。私はプロではないのでどちらが正しいかは判りませんが、特講終了後に回収した生徒の答案の中には両方の解答があり、「天意」に踏み込んだ生徒が約60人の中に3人居たのでそちらの方に高い得点を与えることにしました。

 さて、そんなことより「停酒チャレンジ」ですよ。7日間の生き地獄ですよ。

 12/8の「自粛御膳」。
 雑炊・鯖煮付け・小鉢4種(マカロニサラダ・菠薐草お浸し・小松菜油揚げ煮浸し・もろみ豆腐)。飲み物は、市販の強炭酸水に生レモンを搾って。

 ……衝撃。酒が無かったら、夕食って洗い物まで含めて30分そこそこで終わるのね。作って15分、食べて10分、洗って10分。飲みながらだったら本を読んだりTVを観たりしてだらだらだらだらと2時間コースですよ。酒が無いと思考が内側に沈潜していかないみたいで、本読むムードも出ちゃきません(というか、食べるのに集中して終わります)。
 食後には、デザートとコーヒーと。立派なコーヒーメーカーを買ったので、コーヒーカップ2杯分を作って保温したりも出来ます。で、食後はコーヒーと市販のミルクレープと。で、コーヒーとケーキとのお盆を揃えた段階で「これ、喫茶店じゃね?」と気づき、時間に滅茶苦茶余裕があるし何より素面だしということで、そのまま高3特講の添削をやってしまいました。21時過ぎに終了……って、健康か。出来る教師か。え、お酒が無かったら、私って若しかして優秀なの?

 ……眠れねぇ。
 (泊まりの生徒引率を例外とすれば)10年くらいは無かったんじゃないかという久々の素面入眠、精神(私)は眠りたいのに、身体(私のバディ)が「あれ? 今日はまだやってないことがあるよ? やらないと眠らないよ?」と困惑している。結局ベッドで2時間超眠れず、その後は1時間ごとに目覚めつつ3時間弱くらい眠れたのかな。とんでもない悪夢も見たし。
 何なの、これも「チャレンジ」の一環なの?