介護生活 ウィルス ずっとワーカホリック ストレス

 8時過ぎに博多を出る新幹線で京都へ。3時間弱の移動、車内では朝昼兼用の食事として「たけ本」のローストビーフ弁当を。いつもはK駅を出て博多駅乗り換え(改札の外に出ない)なので改札内の店舗で駅弁を買いますが、折角博多から乗るのだからと少し贅沢な料亭弁当です。CD鑑賞は昨日買った松任谷由実『Y-miz』、93年の「真夏の夜の夢」収録アルバムで、段々とユーミンエスニックな曲やドロドロした曲を歌い始めるようになった時代(「真夏」の他には「HOZHO GOH」等)。翌年の『THE DANCING SUN』をピークに売り上げが下がり始めた途端にマスコミに叩かれまくったのを今でも(腹立たしく)覚えていますが、まさかあの時点がキャリアの半ばに過ぎず、しかもその四半世紀後(2018年)にキャリア・ハイがやって来るなどということは流石に私も予想だにしていませんでした。読書も1時間程。とある人文学系の書籍から校内模試(文系現代文)が出来そうですが、点数をつけるなら50点の出来で、日の目を見ることは多分無いと思います。

 11時に京都着、駅を出たら流石の盆地はうだる暑さで、駅徒歩3分にあるホテルを取ったの判断が正解だと知れました。先ずは道すがらのファミマで着替え用のTシャツ(黒のアウター)を1枚買って、ホテルフロントに荷物を預けます。
 ポケットに携帯・財布・CDウォークマンを入れた他は手ぶらで出発。最初の目的地はホテル徒歩10分のところにある「銘酒館タキモト」。ここは京都の日本酒の聖地(他を知らないのですが、流石にこの規模は他にないかと)で、2度目の訪問でも未踏破の蔵のお酒が沢山。関西地元でしか買えそうにない蔵のものを中心に6本購入して、自宅に配送手続き。
 近くの停留所から、岡崎公園平安神宮を経由して銀閣寺道へと向かうバス、地獄の混み具合を予想して裏切られました。最後まで座れこそしませんでしたが、乗っているのはほぼ地元の人だけだったという印象。銀閣寺道で降車したら、京都大学は徒歩圏内です。

 東大の構内は(今でも何だかんだ理由をつけて訪れて)よく知っていますが、京都大学の構内に入るのは人生で2度目です(56回生の受験の時に、京大組の応援に行きました)。掲示板の張り物の半分に「吉田寮」と書いてるのなんて「らしい」なぁ、とか考えながらダラダラと歩いていたら、祝祭日なのに学生大挙の建物前広場で「池ノ都先生?」と声をかけられました。見れば、おぉプティ懐かしや、70回生我らB組のKくんではないですか。「何してるの?」と思わず聞いてしまってそれはワシの話やんけと心でツッコミ、聞けば今日は理系の試験期間なのだそうで、そう言えば今日が祝祭日なのは東京・変異株スプレッダー・五輪に伴うGo To推奨キャンペーンなんでした。学生は本来のカレンダー通りに勉強に勤しんでいるとのことで、「僕は京都大学総合博物館の見学にね」と返す元担任のお気楽さが情けないばかりです。しかし、九大や東大なら嫌でも卒業生に会うことになりますが、進学者がそう多くない京大で担任だった生徒に偶然会うというのはなかなかレアなこと(直ぐ後にテストがあるということで挨拶しか出来ませんでしたが)、京大訪問の元は取れた感じです。

 京都大学総合博物館の入口は大学構外にあり正に「開かれた」場所……なのですが、今はコロナ禍対策の為に2時間入れ替えの完全予約制。僅か25人の定員なので、常設展・企画展ともにゆったりと見学できました。
 常設展は文化・技術・自然の3パート。文化……埴輪や土器、信長他武将の直筆等々。自然……ナウマン象にアジア象、霊長類研究の成果等々。子供連れの家族も数組で、小学生の女の子が牡蠣の殻の化石を一心不乱にスケッチしてました。
 企画展『医師になる! 京都大学の医学教育』は京大医学部の学びの今昔を概観するもので、ここの資料だけは殆どが撮影不可(逆に言えば常設展は総て撮影可能!)。幾つか撮影可のものがあった中では「経絡人形」くん(裸の男子の前身に経絡の名前が耳なし芳一状態)がツボに。掛図やムラージュ(複製)等々、初期の医学部教育の有り様を想像しながら見学。最近の教育を紹介したパートは余りピンと来なかったですが、模擬血液がSUNTORYのペットボトルに入ってたのはなんだかリアル(?)でしたね。

 博物館は展示物が多くて本当に2時間たっぷりかかったので、ホテルに戻って入浴の後は直ぐに出発しないと駅待ち合わせ17時に間に合わないくらいでした(実際、3分遅刻しました)。待ち合わせ相手は70回生我らB組のYくん(こっちは文系法学部で試験期間は来週だそう)。「試験前に飲みに行ったりしていいの?」というどの口が的な質問にも「困らない程度には勉強してます」と頼もしいお返事。
 京都駅から琵琶湖線、15分程度揺られたら目的の石山駅に到着するのですが、その1駅前が大津駅ということで、滋賀の県境所在地のまぁ近いこと(先日旅行した長浜は湖北で京都から1時間以上かかります)。京大には滋賀の実家から通っている学生も多い、とはYくん談。確かに、天神とK市(特急30分強)よりも近いですし、山手線1/4周分ですし。京都の夜は毎度毎度誘っているYくんですが、今日の名目は「酔って帰りの電車に乗るのが不安な本厄の元担任をホテルまで送り届ける係」、要するに介護要員です。
 石山駅から徒歩15分の所にある目的のお店は、ジビエと琵琶湖八珍を中心にした料理を供する炭火割烹のお店。今日はジビエコースを予約しています。

 7/22も「自粛御膳」をお休み、滋賀県大津市の炭火割烹「蔓ききょう」にてジビエと琵琶湖名物とを堪能。
 冷菜・刺身・焼物・揚物・焼野菜・ジビエペースト・ジビエ焼・釜炊きご飯・デザート。
 お造りと焼物の鱒に揚物の鮎、デザートは上原酒造「不老泉」を使った日本酒アイス、等々ご当地ならではのラインナップ。評判の野菜プレート(黒にんにくソース)は火入れが抜群で、ジビエの鹿・鴨も美味しかったです(「もりき」の鴨を知ってるので普段は余り感じないんですが、ここのは焼き加減がまあ見事でした)。上品にビールとハイボールとの杯を傾けるYくんをよそ目に、私はビール2本の後はひたすら「不老泉」の各種仕立てを冷酒で次々に(一口目の味見だけ必ずYくんにさせるのは、K市の母・Hさんの影響ですね)。コース料理で3時間弱、近況やら懐かしい話やら花が咲いて愉しかったんですけれども、70回生某くん(高1当時は私が担任)の高校在学中の洒落にならないオイタ(担任の私も全く知らない内に処理されていた、ほんまにアカンやつ)が暴露されたのに大興奮で、普段以上に日本酒が進んでしまいました。こりゃ、介護要員抜きだったら大変なことになってましたわ。
 「蔓ききょう」、良いお店でした。会計も発給には清水でしたがそこまで無体という訳ではなく、背伸びして出掛けた甲斐はありました。欠点は一つだけで、瓶ビールがやや微温かったこと。

 Yくんのエスコート、もとい介護でホテルに戻って就寝、もとい失神。