群れの境界から

 健康起床、折角の福岡泊ですので、今日の午前中までは遊びます。
 随分前にネットで予約していたのは「福岡市美術館」の『ゴッホ展』、ホテルからタクシーで美術館に移動したら、開場10分前で50人程が並んでいました。最後尾に並んだ後も、私の後ろに次々に人が繋がって行きます。
 『ゴッホ』展、★★★★★。ゴッホの収集家として知られるヘレーネ・クレラー=ミュラーが初代館長を務めたクレラー=ミュラー美術館のコレクションを中心とした展覧会。ゴッホについては、先日超ベテラン(歴50年!)美術先生が「エネルギーが強過ぎて(ヤラれる)」とポム爺さんみたいなことを仰有られたのを伺っており、ずらり並んだ作品群からは確かにその一部を感じられたのですが、熟々と眺めるにつれて私はどうもゴッホの世界に惹かれるタイプではないということが自覚されてきて(一生懸命観たんですが)、「収穫なしかなぁ」と多少淋しい思いでいま……したら、最後の最後にとんでもないのが出て来たんです。「あっ!」と声が漏れました。
 正に何十年もずっと憧れてた1枚が目の前に。だからこれは声を大にして言いたい。皆さん、ルドンの「キュクロプス」が福岡に来てますよ! ルドンの「キュクロプス」が福岡に来てますよ! この作品もクレラー=ミュラー美術館所蔵だったんですね。全く知らず完全な不意打ちでした。これだけでも来た甲斐があった、どころか★5つ、満点です。最高のクリスマスプレゼント。勿論、売店ではキュクロプスの絵はがきを複数枚購入しました。

 美術館から徒歩10分程度のところにある「福岡市科学館」は入口エスカレータがいちばん格好良かったです。特別展『人類絶滅後の生物図鑑』は、かなり前に流行った『アフターマン』の世界を再現したというのが売り。あの本はずっと学級文庫に入れている程好きな1冊ですしその再現にはそれなりの迫力がありましたが、これは読書の想像の方が勝る世界でした。子どもには良い企画か、とは。

 地下鉄・西鉄電車を乗り継いでK市に戻り、タクシーで学校に移動。時間割の机仕事を暫く行って、自習に来ている生徒が提出した東大・京大の過去問(冬休み中にも感覚を保つために定期的に解けるよう、幾つか配布していたもの)答案を添削しました。実働3時間弱。
 自宅に戻って入浴、書き物・読書。

 12/25も「自粛御膳」をお休み、初訪問の焼肉「O」で後輩数学先生と忘年会。
 上タン2000円、瓶ビール(キリンラガー)600円という価格帯(二人でしっかり飲み食いして18000円でした、これはちょっと飲み過ぎですね)。肉質は確かで何よりタレが美味しい。個室5室の小箱なので、2~4人のプライベートなら「D」とかよりもこことか「S」とかが良いかも。