2/14(月)、発症10日目、自宅療養8日目。
2時過ぎに目が覚めてしまってそのまま眠れず、布団の中で本を読んだりスマホを弄ったり。5時前に起き出して朝食の準備、雑炊と梅湯とを作りました。熱は36.5℃で喉はほぼ全快(とは言え、声はまだ多少かすれています)。
厄年のとどめみたいなコロナ罹患、良いことなんて一つだってある訳はないんですけれども、一点だけ特記事項。実は、私、梅干し、ダメだったんです。弁当などでご飯に乗っていたらよけますし、サワーなんかも絶対に注文しない。
ですけれども、恩賜の梅干しを邪険に扱うなんてしたらコロナよりも恐ろしい仏罰が下ります……ので、お粥にのせ、潰してから叩き胡瓜と和え、梅湯を作り、と色々やっていた……内に、すっかり平気になっており。病気は治るし味覚は変わる。良いことなんて一つだってある訳はないコロナ罹患は、その後の日常に一点だけ新しい彩りを施すことになりました。
8時過ぎに事務嬢さんが答案の回収に来て下さいましたが、入れ替わりにドアにかけられていた袋が「GODIVA」のものだったのを見て、今日がバレンタインデーだったことを思い出しました。長時間の蟄居でそういう感覚がすっかり蒸発しておりましたもので、つくづくと有り難いことじゃわい……と袋を覗いたら、上品な大きさのチョコレートと、「コロナ」ビールの瓶が2本入っていました。あの女はやはり私を舐めておる(嬉しい)。
9時からは背広に着替えて仕事を3時間(CDを流しながら時間割の作業)。
昼に保健所から最後の健康調査の電話があり、喉の回復・解熱(微熱があるくらいは問題が無いそうです)を以て自宅療養の終了許可を得ました。夕方からは自宅の外に出てよいそうで、明日からは出勤も可能とのこと。本当に保健所はパンク状態なのでしょう、自宅療養の証明書が(職場提出義務等で必要ならば)発行されるまでに2~3ヶ月かかると言われましたが、F校からは求められていないので大丈夫かな。復帰に際して、PCR等の検査を受ける必要もないそうです。
夕方前に自宅扉を開けて、廊下に一歩踏み出します。外、眩しい。映画『CUBE』(勿論、続編でもリメイクでもない最初の作品です)のラストシーンみたいにふらふらと光の中に出ていく私、近くの魚屋までの散歩(リハビリ)にもどこか緊張と後ろめたさとを感じてしまいます。小鍋立て用に鱈、それからお祝い代わりのお刺身を購入しました。生ものを食べられる喜びたるや!
コロナ罹患による休みは年休ではなく特別休暇になるそうです。答案を運んで下さったり、差し入れを下さったり、時間割他の(学校内での)業務を代行して下さったり、かけまくった電話を職員室に取り次いで下さったり、職場の多くの方々のお手を煩わせてしまいました。お礼は(通販で)準備済みです。
事務員さん・美術先生・高3主任体育先生・教務部長地理先生には気仙沼の「斉吉商店」から海鮮を取り寄せ。高3担任団の先生方には「福砂屋」のキューブ。進路指導室にはお茶の詰め合わせ。事務室にはおかきの詰め合わせ。学校以外では、Hさんに「サザ珈琲」の豆のセットを。迷うのが恩師先生で、何を送っても「必要ない」になりそうです。少なくとも、形の残らない消耗品を……真剣に、ゆっくり考えます。
合計で40作品になりました、自宅療養中のBGM~後半戦。
21.倉橋ヨエコ『東京ピアノ』(2004/オリジナル)
22.ANATAKIKOU『Massage Pie』(2006/オリジナル)
23.ANATAKIKOU『3.2.1.O』(2016/オリジナル)
24.長谷川きよし『街角』(1975/オリジナル)
25.ちあきなおみ『ちあきなおみ リサイタル』(1975/ライブ)
26.Velsipo『Shardora』(2016/オリジナル)
27.高橋徹也『夜に生きるもの』(1998/オリジナル)
28.久保田早紀『夢がたり』(1979/オリジナル)
29.渚ようこ『Ginasa Donba Recital』(2003/ライブ)
30.笠置シヅ子『ブギの女王』(2010/ベスト)
31.高橋徹也『ベッドタウン』(1998/オリジナル)
32.フジファブリック『アラモルト』(2004/セルフカバー)
33.中島みゆき『相聞』(2017/オリジナル)
34.おおたか静流『Serenade』(2008/オリジナル)
35.松任谷由実『Cowgirl Dreamin'』(1997/オリジナル)
36.絵恋ちゃんと楽器『ERERGY』(2017/セルフカバー)
37.絵恋ちゃん『EREMANIA』(2018/ベスト)
38.Kate Bush『The Dreaming』(1980/オリジナル)
39.RHYMESTER『マニフェスト』(2010/オリジナル)
40.NOKKO『colored』(1994/オリジナル)
畠中恵『またあおう』読了、★★★★。文庫オリジナルの短編集。
永井玲衣『水中の哲学者たち』読了、★★★★★。書店の書棚でタイトルを一目見て「映像喚起力が凄いな」と思わず手に取ってしまった本です。「もう何度も読み古した文献に、また数多の線が書き込まれて、もうすぐ梅雨が来る」(212頁)なんて表現(これはユーミンの「哀しみをください」ですね)が随所で正に「玲」瓏、これは上質な詩集。
2/14の「静養御膳」。
小鉢2種~刺身3点~鱈小鍋立て。
519蔵目・和歌山「羅生門」(純米吟醸)。
「静養」の最終回、先ずは「コロナ」ビールで自宅療養終了記念、その後で新しい日本酒を1本開栓しました。