いつかよみがえる フェニックス 今

 母君のお供えは賞味期限が7日まで保つ調理パンと、コンビニで買った「美酢」のパック。2泊3日で自宅を空ける不孝をお許し下さい。

 本日から2泊3日の宮崎旅行。
 ジーンズにジャケット、その下は半袖のシャツ1枚。バッグに入れる衣類はシャツの替え3枚、あとは下着(靴下・パンツ)を日数分。サプリメント(個包装を回数分作成)やうがい薬、体温計、マスク等々はジップロックにまとめて。本は3冊、1冊でも読了できれば良い方かな。CDウォークマンには折坂悠太「心理」。高速バスの往復チケット、単3電池の替え。
 旅行バッグは軽いものです。お土産が入ったらぎりぎり一杯になるくらいでしょうか。陶器に関しては、購入したものを自宅に配送することになるはずです。

 9時前にJRのK駅を出て新八代に向かう新幹線の中で、旅行の予定を(手帳を見つつ確認)。今回の2泊3日の主目的は、
 ①海鮮を食べる。
 ②美術館を巡る。
 ③動物園を観る。
 ④焼き物を買う。
 ⑤卒業生と会う。
 です。⑤については、先の日記に書いた通り「例の理由」で67回生Fくんがドタキャン……の予定が更にひっくり返りました。接触相手も自分もPCR検査の結果が「陰性」で保健所の外出許可が下りたので、やっぱり飲みに行けますという連絡。やったね。「2人→1人→やっぱり2人」という予約二転を快く承けて下さったお店、西橘「渋玄」は入る前から良いお店だと確定です。

 新八代からは高速バスに接続、2時間の移動で宮崎駅に到着。アミュプラザだデカい「ドンキ」だと、駅前はどんどん都会化されていってます。南国植物の自己主張は変わらず。
 駅には11時45分に着、駅徒歩10分の寿司屋は12時の予約だったのでやや早い到着になりました。香炉の薫る玄関で到着を告げると、和装の店員さんがカウンター(桜材、横10人)まで先導してくれました。私は入口側から3席目、左右には夫婦連れ、計5人の隣には1つ空席があってその向こうに常連感ぱねぇ3人組。満席ですね。

 4/3のランチは宮崎「一心鮨 光洋」。
 料理3品(吸い物・茶碗蒸し・西京焼き)~鮨7貫~味噌汁~デザート。
 冒頭、吸い物(法蓮草・椎茸・白アスパラガス)の出汁の澄み切り具合に吃驚。赤酢のお寿司は得意ではないですがここは酢がキツ過ぎず大丈夫でした。アオリイカはもっちりした甘さの極致、これは100枚に切って(100回以上切り込みを入れて)重ねた手間があるからこそ。これと、最後の玉子(スフレとカステラとの間のような食感)とが震える美味しさ。お酒は夜までお預け(この後で陶器の店に行くので)、冷たい宮崎茶を注文したらワイングラスに入れられて出てきました。

 「一心」を出て徒歩で西橘のホテルに向かう途中、「宮崎八幡宮」により道をしてお詣り。ホテルに荷物を預け、ちょうど玄関前のバス停に停車していたバスで平和台公園へ向かいます。
 先ずは公園入口にあるショップ「ひむか村の宝箱」で本日まで開催されていた「陶房 八十一 作陶展」へ。一度行きたいと思っていたものの、交通の便が悪い綾町にあるので二の足を踏んでいた陶房が、年に一度の展示即売会で市内に来ているという間拍子の良さに飛びつきました。薩摩から取り寄せの土を使う「白さつま」「黒さつま」(薩摩焼と区別をするためにひらがな表記)や、綾町の土を使った「黄亜椰」「青亜椰」の器を中心に、幾つかの食器を購入。個人的には、黒天目の銘々皿と白さつまのビールグラスとがお気に入り。一定以上の金額分を購入したということで送料を無料にしてくれるとのこと。ラッキー。
 平和台公園の中心には「平和の塔」。タワーど正面に「八紘一宇」と大書されてて何が平和やねんと思ったら昭和15年の建造だとのこと。公園内には、宮崎名物(?)の埴輪をフューチャーした「はにわ館」「はにわ園」もあり、レプリカ埴輪群をバシャバシャ写メりながら山道歩きを愉しみました。

 山の上にある平和台公園から宮崎駅に帰るバス、に乗って3駅程度の場所で降りたらそこが宮崎県立美術館。特別展は開催されていませんでしたが、一部撮影可の常設展が無料開放中でした。ここの美術館一推しの瑛九池田満寿夫の師匠だとのこと、西岡兄妹みたいな絵柄の作品が多いなぁという感想は順序が逆ですかね。
 その美術館から徒歩圏内の宮崎神宮、前回の訪問は社務所も開かない6時台ということで無人の一帯は清澄静謐に満たされていましたが、今日はそこそこの人出もあって雰囲気が温かく。F校の生徒の学業成就をお願いしました。前回は気が付かなかった古代船の展示や、本物の車祓いの儀式など、見られて良かったものも幾つか。

 神宮前からバスに乗って宮崎駅方面、西橘で駅を降りた後、デパート(山形屋)裏にあるお洒落な陶器のセレクトショップ「櫟屋」を訪問……しようと思ったら今日から4日間の臨時休業だそうでがっかり。ここは是非行きたかった場所なので心が萎えかけましたが、「八十一」での収穫が充実していたことやダメだと思っていたFくんとの飲み会が復活したことを思ったら直ぐに元気が出てきました(ここで使わずに済んだお金は明日Fくんに奢ろう)。というか、これでまた宮崎に来る口実が出来た訳ですからね。
 ホテルにチェックイン、大浴場で入浴。「櫟屋」で浮いた分の30分を、サウナ3セット(8分×3回)で使いました。発汗発汗、ビールが恋しい。

 宮崎初日の夜は独酌、店はかなり前に予約済み。海鮮を食う!
 4/3は「自粛御膳」をお休み、西橘「幸魚」で独酌。
 小鉢2種・刺身5点・鱚大葉巻天麩羅・アラ豆腐煮付け・生帆立アスパラ炒め・卵御飯。
 旅先で『孤独のグルメ』……ドラマ(五郎さん)との比較で言えば共通点馬食相違点鯨飲ってんですから私ったらまぁ最悪。お店は料理一手の大将と給仕のお二人とで回しており、私は約10人がけのカウンター席から調理風景を見ながらビールに日本酒をくいくいと。味もですけど、驚くのはベテランの大将の動きが機敏過ぎること。大葉で鱚を巻く手際からちょっと手元に目を奪われた数十秒で天麩羅が出て来た時には思わず「早っ!」と声に出てしまいました(よく言われるんです、という笑顔の給仕さんでした)。秋田「花邑」半合600円と、料理が高級な割烹に似合わぬ日本酒の値付けも意外。日本酒リスト(手書き8~9種がデフォルトのよう)の上から順に、辛口が売りの銘柄2つを回避して注文していったら、会計時に給仕さんから「日本酒、全銘柄いかれるんだと思ってました」と言われ。いや、いこうと思ったら、なんですけどね。

 今回宿泊のホテル、夜鳴き蕎麦の無料サービスがあるんですよ。だから、部屋に帰ってそれを肴に飲み直すってのがあるんです。最後の飲み物は缶ビール。
 健康睡眠。